45. 剣術の流派
「剣術の流派ってあるのか?ここに来るときに黒リザが何とか流って剣術の流派らしきものを修めていたっぽいのだが」
「ええ、もちろんありますとも。剣術は四大流派を起源として様々な流派がありますね。それぞれの流派で強力なスキルを受け継いでおり、それらのスキルの破壊力は魔法にも引けを取りません。ちなみにうちの配下達には、全ての流派の源流となったスピリッツ流という剣術を教えています」
「ほーん・・・」
だいぶ興味のある話題になったので、俺はレスから四大剣術の流派の特徴を簡単に教えてもらうことにした。
スピリッツ流は剣皇が起こした最も古い流派で、捨て身の技や突進技が多いそうだ。
肉を切らせて骨を断つ、というやつだろうか。
剣術の流派なのに様々な武器で使えるので、かなり使い勝手が良いそうな。
神セン流は剣神が起こした流派で、先の先を取り一撃に懸ける流派だそうだ。
そのため一撃の攻撃力を上げるスキルが多いらしい。
抜刀術なんかもあるらしいので、一度どんなものか見てみたいところだ。
サミダレ流は剣仙が起こした流派で、後の先を取りカウンターと手数で圧倒する流派だそうだ。
カウンター技や速さ主体の連撃が多いので、速さを上げるスキルが多いらしい。
ツヴァイフボーデン流はちょっと特殊で、剣術の中にスキルだけではなく魔法も多く取り込んでいるそうだ。
開祖である剣魔は七賢者の一人でもあったらしく、この流派は剣術のみならず学問や戦略・戦術なども包括して教えているそうだ。
別名が幻流とのことで、剣術だけでこの流派の剣士に勝つのはなかなか難しいらしい。
魔法剣士って奴だろうか。なんかかっこいいな。
この世界にはまだ見ぬ流派が存在し、そして多くの剣豪がいる。
しかもそいつらは、俺の知らない魔力を使ったスキルまで使うという。
ヤヴァイね。俄然テンションが上がってきた。早く見つけて戦ってみたいものだ。
もういっそレスに斬りかかってしまおうか。
ハーレム計画ではない方の目標である最強の剣士への道に思いをはせ、俺はついつい顔がにやけてしまう。
「わが主は剣聖の称号を持たれているので、そこらの剣士がスキルや魔法を駆使したところで相手にはならないでしょう」
「主はやめろ。俺のことはリョウと呼んでくれ。それと俺はまだまだ未熟だよ。剣聖と呼ばれてはいたが、剣の極みにはまだまだ遠いさ」
「ふふ、ご謙遜を」
レスは再びカップに口をつけた。
「そうだ、何か武器があったら欲しいんだが。できれば片刃の剣で要らないやつとかないか?」
せっかく人化ができるので、剣術を使えるようにしておくにこしたことはないだろう。
「ふふふ。そうおっしゃられると思って、剣聖の二つ名にふさわしい魔剣を用意いたしましたよ」
剣"聖"なのに"魔"剣を用意したんか、と俺がつっこむ間もなくレスがパチンと指を鳴らす。
いつの間にか先ほどからチラチラ目につく黒服の男が、赤い布がかぶせられた箱状のものを持ってきていた。大人が一人まるっと入りそうな大きさだ。
レスが赤い布を得意げに、颯爽と取り外した。




