44. ティータイム座談会
魔竜王に主認定されたあと、俺達は別室へと案内された。
部屋は人化後の姿に合わせて作られているらしく、通常の家のリビングルーム程度の大きさだった。
部屋の中には金や銀製と思われる調度品が所狭しと並べられている。まるで中世の王侯貴族でも住んでいそうだ。
俺は黒服の男に案内されて、中央のテーブルの椅子に腰かけた。
それぞれ席に着くと、とりあえず俺達はそれぞれ情報交換を始めた。
俺は洞窟内で生まれて地上を目指して進んでいること。途中で仲間にしたトカゲ達が進化したこと。監獄島で妖孤とコボルトの争いを仲裁し、謎の猫少女に出会ったこと、途中ででかい竜とかサンショウウオにあったこと、等を淡々と話した。
転生云々は一旦置いといた。そもそも信じてもらえるかも怪しいしね。
「ふむ。一応魔王の倉庫内の我が領土からも大陸に出る道はいくつかありますが・・・。ちなみにリョウ様は地上に行って何をするのですか?」
「なに。ちょっと人を探していてね。とりあえず町や村で情報を集めてみたいんだよ」
「・・・なるほど」
魔竜王は、いつの間にか黒服を着た部下が持ってきた黒い液体の入ったコップを手に取り、優雅な所作でカップを口に運んでいる。
タロジロはというと、テーブルに置かれたビスケットらしき食べ物を必死になってむさぼっていた。
元気で何より。
「さて、それじゃあ今度はこっちの番だな。何から聞こうかな。とりあえず、魔竜王を継ぐ者、って言ってたけど、あれってどういう事だ?」
「私のことはどうぞレスとお呼びください。先代魔竜王は千年前の大戦で大魔王様と一緒に討ち死にされております。私は先代魔竜王の子供でしたのでそのまま魔竜王の名を受け継ぎました」
レスの話は、以前アンジュから聞いた話と一致していた。
やはり人間側の起こした大魔王討伐軍により、大魔王の国は滅びたという話だった。
レスを含めた魔竜王の眷属は、人間側の軍、特に勇者達から逃れるために魔王の倉庫に落ち延びたらしい。
以来千年の間、レスは自らにふさわしい主をずっと待っていたそうだ。
大魔王は俺と同じく魔猫族だったらしいので、俺に白羽の矢が立ったらしい。
そこからはレスに今まで色々気になっていた点を質問することにした。
まずはスキルや魔法について簡単に教えてもらった。
魔法はゲームなんかで良くあるように、魔力とかいう不思議な力を使って不思議な現象を起こすものだそうだ。で、スキルも魔力で不思議な現象を起こすものらしい。
・・・じゃあ同じでいいじゃん。
「魔法とスキルの違いは学派によってもかなり違うのですが、私はどちらかと言うと同じものである派ですね」
「学派とかあるのか」
思わず声が漏れた。
「ええ。学問の派閥は色々ありますが、基本的には七賢者を起点に分かれていますね」
なるほど、賢者とかもいるらしい。ちょう髭とか生えてそう。
「魔法とスキルをあえて分けるとしたら、法則にのっとっているか否か、という事でしょうか。基本的に魔法は、呪文と魔法陣無くしては発動できません」
そういえば、タローが魔法を発動するたびに魔法陣が出ていたな。
俺のヒールの時は出てない気がするけど。
「基本的にってことは、応用的には違うと?」
「ええ。慣れてくれば呪文を省略できますし、簡単な魔法でしたら魔法陣すら省略できます。要は頭の中で正確にそれらを実行できていれば良いのです」
「ふむ。」
・・・うん。
なんかだんだんゲーム&ファンタジー臭が強くなってきて、良く分からなくなってきた。
とりあえず魔法はスキルよりめんどい、と覚えておこう。
こういうのは山田ならば簡単に理解して、嬉々として魔法とかを使いこなすのだろうな。
俺は今は亡き友を懐かしんだ。
・・・まぁ、亡くなったのは俺の方なんだけどね。
「ちなみに技や術は魔力を使わない技術を指しますが、魔法やスキルに比べるとできることは少ないですね」
まぁ、そうなのだろう・・・。
ふと、術という言葉を聞いて、気になることが頭をよぎった。




