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転猫  作者: 相川秋実
第一章
42/137

42. 魔竜王の恐怖

word 2010からコピペで張り付けると先頭の一字下げが消滅する・・・

ひどい(´;ω;`)


俺は魔竜王から距離をとって身構えた。


 光が収まると、そこにはローブ姿の人がいた。

人化前の漆黒の外見とは対照的な、銀色の長髪に色白の整った顔立ちをした優男。

白い生地に金や銀で装飾されたローブに身を包み、目にはモノクルをかけていた。


・・・イケメンか。なんか腹立つな。


「ふふ。この私に魅了(チャーム)をかけようとするとは。なかなか面白いことをしますね」

首の傷、といってもかすり傷程度だが、を抑えながら魔竜王はにこやかに微笑んだ。


・・・気付いたか。


 ホルフィズライズをかけた後、俺はこの前覚えた魔法の1つ、エンチャント・魅了をついでに爪にかけておいたのだ。

 ちなみにエンチャント・闇という魔法もあったが、そっちはむしろ魔竜王と同属性で攻撃力が落ちそうなので使うのはやめておいた。


「さて、今回は私の負けということにしておきましょう。何か望みはありますか?例えば、私の首とか?」

 周囲からどよめきが起こった。

 魔竜王の部下にしてみれば、魔竜王が負けを認めることすら予想だにしていなかったのだろう。


・・・てか、さっきからこいつら動揺しすぎじゃね?


「にゃ・・・(いや、命まで取るつもりはないが・・・。俺は単に地上に出たいだけだ)」

 魔竜王はにやり、と笑った気がした。

「ふふ。敗者に情けをかけると?」

「にゃいさ(一歩も動いてないくせに、敗者もないだろうさ)」

「なるほど。ちなみに口で喋らず念話を使うのは、何か意味があるのですか?」

「にゃい・・・あれ・・・?普通に喋れる」

 一体いつの間に・・・?

「人妖のアビリティは、言葉を喋れるようにもなるのですよ。その様子ではご存じなかったようですね」

「ご存じもなにも、そんなアビリティがあること自体知らないが。てかアビリティってなんだ?アナライズで出てこないんだけど」

「なるほど。そういえばアナライズが未成熟だと見れませんでしたね」

 魔竜王曰く、スキルのほかにアビリティというものがあるらしい。生まれながらの能力とか、種族の特性とか、そういったものがアビリティとして存在するのだそうな。

 ちなみに人妖というのは猫又の特性とのことである。そういえば猫又を進化先に選んだのはアビリティがどうのって理由だったな。

「ちなみに自分自身のステータスは、アナライズ無しでも確認できますよ?」


なん・・・だと・・・?


 俺は試しに、自分のステータスを確認するべく意識を集中してみた。


名前:リョウ

属性:光

種族:魔猫族 猫又

称号:剣聖、拳達、退魔士、死ぬほど猫好き、大魔王の末裔

ノーマルスキル:じゃれる(魅力大)、かみつき(貫通大)、あまえる(魅力中)、こびる(魅力中)、すり寄る(魅力中)、ひっかく(斬撃中)、アナライズ(中)、念話、人化の術、変化の術

カスタムスキル:闘気

スペシャルスキル:百禍両断、しんかのひほう

魔法:ヒール、ホルヒール、キュア、ホルキュア、ホルフィズライズ、ホルマギライズ、エンチャント・闇、エンチャント・魅了、ダークアロー

アビリティ:鳳雛、臥龍、魔魅、人妖



・・・まぢかー。


 もっと早く知りたかったよこれ。てかアビリティってこんなにあるんだね。

 しかしアナライズと違って、それぞれの要素に集中しても名前以外の情報は出てこなかった。

 アビリティの能力を知るには、やはりアナライズを鍛えなきゃ駄目なようだ。


「さて、ところで人化の術を使っていただけますか?」

「は?なんで?藪から棒に何を言い出すのさ?」

「まぁいいじゃないですか。さ、お願いします。ささ」

 魔竜王が何やら尋常じゃない気迫で迫ってくる。


・・・何だこいつ?


 何度か断ったがひたすら人化をするように魔竜王にお願いされたので、俺は話を進めるために一度人化することにした。

 人化の術を発動する。

 俺の視点はぐんぐんと高くなっていき、魔竜王の腰くらいまで行って変化は止まった。

 大きさは前回人化した時と変わっていないようだ。10~12歳くらいの視点だろう。

 手のひらを見ると、そこにはちゃんと人の手があった。やはり小さい、子供の手だ。

「おや、これはまた随分とかわいらしい。誰か例の服を」

「はっ」

 返事をした黒服の男が玉座の裏側に歩いていく。しばらくして戻ってきた黒服の男から服を受け取ると、魔竜王は俺の前でそれを広げて見せた。

「昔、人里に降りた際に人間が着ていた服をまねて作ったものです。リョウ様がそれくらいのお年頃の姿になるとわかっていたので、手先が器用なものに寸法を仕立て直させておきました」

「・・・?」

 目の前に広げられた布をみて、俺は首をかしげる。

「おや、お気に召しませんでしたか?ああ、そうでした。先に下着をつけないといけませんね」

 そして目の前に広げられる白い三角形の布。


・・・いや、そうじゃなくて。てかそんなもん目の前で広げないで欲しいのだが。


「え、いや。なんで俺の年齢?を知ってんだよ?仕立て直させておいた、ってどういうことさ?」

「なんでと言われましても。監獄島に潜ませた間諜から逐一情報を得ていましたからね。なかなか似合っていると思いますが、お気に召しませんでしたか?」


あの島、スパイがいたのか。


 まあ、ちょくちょく視線は感じていたが、それは島から妖孤とコボルトを出さないための監視だと思っていたよ。

「さ。着替えてください。さ、さ。着替えるのです。さあ、さあ」

 服を持って迫ってくる魔竜王。

 心なしかその呼吸が荒い気がする。

 目もなんだか血走っているような。

「なんなら私が着替えさせましょうか?それがいい!さ、まずは服を脱ぎましょうねっ!」

 なんか興奮して明らかに理性が飛んでるっぽい魔竜王が、やおら俺の服を掴んで引っ張ってきた。


・・・。


驀矢崩拳(バクヤホウケン)

「ぽぐっ!」


 ミカサギ流豪"拳"術の無拍子な中断突きが、魔竜王を吹き飛ばした。


冷静沈着な知的キャラとして用意したはずの魔竜王が、いきなり恥的な感じのキャラになってしまった。

まぁ語感も似てるし、もうこれでいっか・・・(´・ω・`)

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