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転猫  作者: 相川秋実
第一章
34/137

34. 岩窟の山椒魚①


とりあえず、前回ジローが音が聞こえるといった地点まで戻ってきた。

そして俺達は再びメインのルートをつき進んで行く。


しばらく歩くと、道の左側に小さな横穴が開いているのを見つけた。

穴を覗いてみると、かなり先まで道が続いているようだった。

「へにゃ~(面白そうだから見に行こう)」

「にゃ~(まあ、とりあえず様子を見るだけでも見に行ってみるか)」

「・・・。(・・・。)」

やはりジローの発案で、俺達は横穴の奥へと寄り道をすることにした。

タローが何か言いたそうにしていたが、ため息をつくと何かをあきらめたような表情をして、黙って俺達の後をついてきた。

どんまい!


横穴の先には広間があった。

俺が転生して最初にいた場所くらいの大きさだ。

そしてその広場の真ん中を陣取るように、見た目がサンショウウオのような大きな生き物が眠っていた。

サンショウウオの背後には小さな池がある。

どこからか水が流れてきているようで、広間の中にに水音が響いていた。

「くにゃ~(晩飯発見~)」

ジローがキラキラした目で獲物を見据えている。

「にゃ~(いや、さすがにでかすぎだろ。喰いきれないって)」

サンショウウオ?は軽トラくらいの大きさがあった。

俺達3匹の胃袋だと、消費するのに何日かかるか分からない。

たぶんほぼ間違いなく、全部食べる前に腐るだろう。

「くにゃにゃ~?(じゃあ食べないの?)」

「にゃにゃ~(もっと小さい獲物を探そう。あんま美味そうでもないしな。やつが起きないうちに戻ろう)」

「くにゃ~(はーい・・・)」

俺が踵を返し元来た道を歩き始めると、背後でジローがしょんぼりしたような声をあげた。

「ぐお~?」

「にゃ?にゃん??(ん?急に声が低くなったなジロー・・・ん??)」

俺がゆっくり振り向くと、ちょうど目を覚ましたらしいサンショウウオと目が合った。


・・・ナンカ、コンナンバッカダナー。


俺がため息をついていると、サンショウウオが口を大きく開いて咆哮をあげた。

「ぐおおおお~~ん!(晩飯発見!)」

「にゃっ・・・(お前もそれかいっ・・・って)」

サンショウウオがその巨体にそぐわぬ素早い動きで高く跳躍した。

着地予測地点は当然俺たちのいる場所である。


「にゃにゃっ!(逃げろお前らっ!)」


言うや否や、俺も真横に跳んだ。

そしてタローも俺に続いて真横に跳ぶ。

ジローはというと、俺が言う前に既に俺達と反対側に逃げていた。

・・・うん。


ずずんっ、という地響きとともに、サンショウウオが地面へと降り立った。


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