34. 岩窟の山椒魚①
とりあえず、前回ジローが音が聞こえるといった地点まで戻ってきた。
そして俺達は再びメインのルートをつき進んで行く。
しばらく歩くと、道の左側に小さな横穴が開いているのを見つけた。
穴を覗いてみると、かなり先まで道が続いているようだった。
「へにゃ~(面白そうだから見に行こう)」
「にゃ~(まあ、とりあえず様子を見るだけでも見に行ってみるか)」
「・・・。(・・・。)」
やはりジローの発案で、俺達は横穴の奥へと寄り道をすることにした。
タローが何か言いたそうにしていたが、ため息をつくと何かをあきらめたような表情をして、黙って俺達の後をついてきた。
どんまい!
横穴の先には広間があった。
俺が転生して最初にいた場所くらいの大きさだ。
そしてその広場の真ん中を陣取るように、見た目がサンショウウオのような大きな生き物が眠っていた。
サンショウウオの背後には小さな池がある。
どこからか水が流れてきているようで、広間の中にに水音が響いていた。
「くにゃ~(晩飯発見~)」
ジローがキラキラした目で獲物を見据えている。
「にゃ~(いや、さすがにでかすぎだろ。喰いきれないって)」
サンショウウオ?は軽トラくらいの大きさがあった。
俺達3匹の胃袋だと、消費するのに何日かかるか分からない。
たぶんほぼ間違いなく、全部食べる前に腐るだろう。
「くにゃにゃ~?(じゃあ食べないの?)」
「にゃにゃ~(もっと小さい獲物を探そう。あんま美味そうでもないしな。やつが起きないうちに戻ろう)」
「くにゃ~(はーい・・・)」
俺が踵を返し元来た道を歩き始めると、背後でジローがしょんぼりしたような声をあげた。
「ぐお~?」
「にゃ?にゃん??(ん?急に声が低くなったなジロー・・・ん??)」
俺がゆっくり振り向くと、ちょうど目を覚ましたらしいサンショウウオと目が合った。
・・・ナンカ、コンナンバッカダナー。
俺がため息をついていると、サンショウウオが口を大きく開いて咆哮をあげた。
「ぐおおおお~~ん!(晩飯発見!)」
「にゃっ・・・(お前もそれかいっ・・・って)」
サンショウウオがその巨体にそぐわぬ素早い動きで高く跳躍した。
着地予測地点は当然俺たちのいる場所である。
「にゃにゃっ!(逃げろお前らっ!)」
言うや否や、俺も真横に跳んだ。
そしてタローも俺に続いて真横に跳ぶ。
ジローはというと、俺が言う前に既に俺達と反対側に逃げていた。
・・・うん。
ずずんっ、という地響きとともに、サンショウウオが地面へと降り立った。




