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転猫  作者: 相川秋実
第一章
27/137

27. ???が現れた

サブタイトルにナンバーを追加しました。

地味にめんどくさかった・・・(´・ω・`)


声の方を見上げた。

いつの間にか木の枝の上に、女の子が立っていた。

妖孤達の人化と同じように、猫耳と尻尾がついている。

半人化というやつなのだろう。


「にゃ~はっはっは。コボルト族はウチの配下なのにゃ~。お前なんかにやらないのにゃ~。ちょっと可愛いからって生意気なのにゃ~」

「ミルク殿。なぜここに?」

フォルテが木上の猫少女に話しかけた。どうやらコボルト側は彼女を知っているようだ。

「こっそりお前らの後をつけてきたのにゃ~。ここ数年の研究の結果が出るのに、村でじっとなんてしてられないのにゃ~。それよりひどいにゃ~。その泥棒猫の配下になるとか冗談きついにゃ~」

配下、という単語を聞いて、フォルテは渋い顔で反応した。

「貴殿の配下になるという約束は、我らがこの島の唯一の種族になれたら、という話だったはず。魔狐族側の魔猫殿に負けた以上、もはやその約束を守ることはできん」

「そんなのひどいにゃ~。ウチすごくがんばったのににゃ~。せっかく進化の秘術でフェンリルナイトに進化させてやったのに、てひどい裏切りだにゃ~。あんまりだにゃ~。絶対に認められないにゃ~。ウチの魅力を思い知るのにゃ~」


猫少女はにゃ~にゃ~と一頻(ひとしき)り騒ぐと、両手の拳を胸の前で揃え片足を上げ小首を(かし)げると、きゅるん、という擬音とともに媚態を作ってみせた。

その仕草を見たフォルテ含めたコボルト達が、うっとりした表情でメロメロになる。


・・・なんだこれは?何かのスキルだろうか?


俺は木の上の猫少女をアナライズしてみた。


名前:???

属性:???

種族:???

称号:???

ノーマルスキル:???

カスタムスキル:???

スペシャルスキル:???

魔法:???


・・・ん?


得られた情報はすべて???となっている。

と言うか何も情報得られて無くね?欠片もアナライズ(分析)できてないじゃないか。

ふと前世で山田とやったゲームで、ボスキャラみたいなのがこんな感じで全ステータス"???"となっていたのを思い出した。


つまり、こいつは強いってことだろうか?


しかし猫少女からはあまり強者の気配はしない・・・というか、気配がほとんどしない。

そういえば、こんなに接近されるまで存在自体に気づかなかったな。

気配や情報を隠すスキルを持っているという事だろうか?

おそらく先ほどのフォルテとの戦闘で横やりを入れてきたのも、この猫少女なのだろう。


「これは・・・魅了かっ!?ホルキュアッ!」

我に返ったアミが叫んだ。

アミを中心に、やわらかい光が広がっていく。

光に当たったコボルト達は、次々と正気に返っていった。

「にゃっ!ずるいにゃっ!魅了を解除するなんて卑怯だにゃっ!」

「何もずるくはないでしょう。むしろ魅了のスキルでコボルト達を配下にしようとした貴女の方が卑怯だ」

「むむむ~~。ああ言えばこう言う奴にゃ~。苦手なたいぷにゃ~」

アミに言い負かされて木の上で地団駄を踏む猫少女。

そしてフォルテに視線を移すと、フフンと鼻を鳴らした。

「ふんっ、もういいにゃっ!進化の秘術の研究がうまく行っただけでも十分な成果にゃ~。裏切られたって、全然悔しくなんかないのにゃ~。弱いお前らなんかいらないのにゃ~。そこまで進化しといて負けるとか雑魚すぎだにゃ~。所詮はコボルトだにゃ~、行きつく先も大したことないってことだにゃ~」

猫少女の言葉に、それまでばつが悪そうにしていたフォルテの表情が変わった。

「むっ。力を貸して頂きながら申し訳ないが、単に相手が我より強かったというだけのこと。決してコボルト族全体が弱いという訳では」

「言い訳無用にゃ~。開き直るとかムカつくにゃ~。もう死んじゃえばいいにゃ~、バーサクフィールド発動だにゃ~」

猫少女が右腕を掲げた。

その掌を中心に、赤色の光が辺り一帯に降り注ぐ。


眩しい。


俺は思わず、目を腕で覆った。

猫少女の気配は木の上から動かない。

どうやら目晦ましを放った後に攻撃するというものではないらしい。

特に痛みもないが、これは攻撃なのだろうか?

何となく、心なしか気分が高揚・・・いや、これはまさか。

「はっ!」

俺は気合を込めて叫んだ。

俺の中に生まれつつあったその感情、殺戮衝動とでも呼べるようなものは、気合とともに雲散霧消した。

気合って便利。


「ウオオオオオオオォォン!」


周りのコボルト達から咆哮があがった。

それは俺が叫んだ意図とは別の、先ほどの衝動に飲まれて放った咆哮である。

そしてコボルト達は、互いに互いを襲いだした。

両腕を失ったフォルテもまた、近くにいたコボルトに咬みついている。

そしてそのフォルテ自身にも、やはり近くにいた複数のコボルトが攻撃を加えていた。

一気に場が混沌の渦に巻き込まれてしまった。


「ふん。犬は単純だにゃ~」

猫少女は同士討ちを始めたコボルト達を見下ろしながら、にゃはははと笑っている。

「ちっ、ホルキュアッ!」

「させないにゃ~。同じ手は喰わないにゃ~」

猫少女が短剣を抜いて一閃すると、アミが放った魔法が霧散した。

魔法をかき消すとかってできるのか。短剣は魔法に触れてもいなったように見えたが。

「馬鹿なっ!いったい何をしたっ!?」

「馬鹿だにゃ~、そんな質問に答える義理なんか無いのにゃ~」

にゃははは、と再び笑い出す猫少女。

どうでもいいが、こいつ隙だらけだな。

「にゃーにゃーうるせえっ!」

俺は足場の枝から猫少女に向かって跳びかかった。

猫少女に気付かれないように、こっそりと隣の木に登っていたのだ。

こちらを振り向き、ぎょっとしている猫少女。

そんな猫少女の手前で短剣を振り下ろそうとしたところで、俺は急に体が縮むような感覚に襲われた。


「にゃ。(げ。)」


人化が解けてしまった。

このタイミングで猫に戻るかよ・・・。


改稿:名前変更。

適当に昔の画家の名前をもじってつけたつもり名前が、他の作者様の作品に出てくるキャラとモロ被りしちゃった…

しかも転生猫キャラ。前に読んでて記憶が封じられてたのか、単によくある奇跡なのか。なんかごめんなさい(´・ω・`)

また適当に名前つけちゃったけど大丈夫かなこれ…

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