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転猫  作者: 相川秋実
第一章
13/137

13. 人(Man)?との戦闘

とりあえずアナライズを発動してみる。


魔蜥蜴族 リザードマン

ノーマルスキル:かみつき(貫通中)、しっぽ再生(中)、火の息

魔法:


ん?

リザードマンて、タロジロとおなじ魔蜥蜴族なのか。

しかもスキルと魔法も、ほぼタロジロと変わらないようだ。

タロジロが進化していったら、どこかでリザードマンになっちゃうのだろうか?

進化先はリザードマンだけというわけじゃないのだろうけど、なんかヤダな。


リザードマンは、ひとしきり鼻をくんかくんかとした後に、首をかしげてみせた。

俺は内心舌打ちを打つ。


まずいな・・・


俺の匂いに気付いて立ち止まっているのだろうか?

その場合、このまま岩陰に隠れていたとしても、いずれは見つかってしまうだろう。

見つかればどうなるかというのは、あまり考えたくない。

走って逃げるのも、疲れて寝ているジローを背負ったタローには厳しいだろう。


どうしたものかね?

一応人型だし、手には長柄の石斧を持っている。

おそらく、ある程度の知能があるのだろう。もしかしたら、言葉も通じるかもしれない。

どのみち隠れ続けることも、逃げきることも難しいのだ。

相手の知能に期待して、こちらに敵意は無いことを言葉で伝えてみようか。

成功する可能性は低いと思うが、話しかけてみる価値くらいはあるだろう。

そんな事を考えていたとき、背後から、くにゃ~、という声が上がった。


・・・一応振り返る。


やはりというかなんというか。今の声はジローが寝ぼけて発したもののようだった。

幸せそうな表情で眠り続けるジローと対照的に、タローの表情からは血の気が引いて蒼白になっている。


俺は改めてリザードマンの方に振り返った。


・・・目が合ったよ。


やっぱばれたか~、と思うと同時に俺は意を決して隠れていた岩の上に飛び乗り、精一杯の誠意を込めて話しかけてみた。


やあ、リザードマンさんこんにちは。俺はこう見えて怪しい猫ではなく

「にゃあにゃにゃーにゃにゃにゃ、にゃにゃにゃにゃにゃにゃーにゃっ!?」

ずどんっ!

俺が今までいた岩の上に、石製らしき斧が叩きつけられる。


問答無用かいっ!


明確すぎる殺意を持って応じられてしまった。異文化コミュニケーションって難しいわ。

リザードマンは初撃が外れたことに気付くと、俺が逃げた方向に無造作に石斧を薙いだ。

しかしその時には、既に俺はリザードマンの真横にまわりこんでいる。


俺の姿を見失ってキョロキョロと辺りを見回すリザードマン。

俺はそんなリザードマンの姿を見ながら、多少余裕を持って次の手を考える。


リザードマンは前に倒したボスネズミより大きいものの、動きはだいぶ緩慢だ。

これならば、隙をついて急所に扇一閃をお見舞いしてやれば、一撃で倒せるだろう。

割と余裕な戦いである。できればもう少し話しかけて反応を見てみたいところだが・・・。

俺が思案にくれていると、岩陰から再び、くにゃ~、という声が聞こえた。


俺とリザードマンが、同時に声の方を向く。

あ、リザードマンのターゲット変わっちゃったっぽい。ダメだこりゃ。

俺は、すかさずリザードマンに向かって飛び跳ねた。


はたして勝負は一瞬でついた。


俺は猫ならではの軽やかな跳躍で、リザードマンの脇を通り過ぎる。


扇一閃。そう心の中で叫んだ。


リザードマンは何が起きたのかも分からなかったのだろう。胴体を輪切りにされ、きょとんとした表情のまま声も上げずに崩れ落ちていった。

扇一閃まぢ使えるわー。


リザードマンが倒れ動かなくなったことを確認すると、俺はタロジロ達の方に歩いて行った。

申し訳なさそうな顔でこちらを見るタロー。その下ではタローに庇われるような形でジローが仰向けになって寝ていた。

そして時折前足で腹をぽりぽりと搔いている。


・・・こいつは本当に大物だ。

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