思い悩む
「とても楽しかったよ、リアナ嬢」
トリエ様は微笑むと私の手を取り甲に軽く口付けをする。
ー1歳だけ歳上とは思えない
転生前、享年28歳で現在、7歳。合計したら35歳の私にとって8歳なんて子供だと思っていたのだが、彼はとても大人だった。
「私も大変勉強になりました。機会がありましたらまたお話できると嬉しいです」
楽しかったのは事実だが、正直婚約はしないだろうと思い社交辞令として無難に返しておく。
「良かった。婚約の件は前向きに検討してほしい。また会おう」
驚きのあまり声が出ず、呆然としていまい帰る隣国の王子に上手く返答が出来なかったのは仕方がないと思う。
その夜、私は一人頭を抱えていた。
お祖母様とお父様は夕食には出ずかなり長い間言い合いをしていた様子だった。
夕食のあとお母様に事の顛末を話したら「リアナの好きにしていいのよ」といっていた。
私は迷っていた。
私の婚約者が変わることで何か変わるならそれはそれだが、隣国と関係できることで何も変わらないかもしれない。
昨年の魔獣を召喚した石は黒の魔石だと私は確信している。
正直、黒の魔石の件できな臭さを感じている。
黒の魔石は市場に出回らない。
ならば昨年の黒の魔石は隣国から誰かがカイへと渡したものだ。
では王族が暗躍したかどうかまでは不明で私という繋がりが何か変えてしまうのか…。
気付けば思考だけがぐるくまるとめぐっていた。
ドアのノック音が聞こえ、私はドアを開けた。
そこにはセヴィが立っていた。
「どうしたの?」
最近は少しずつ自立心が芽生えていたのか一緒に寝ることは少なくなってしまった。
「今日は一緒に寝てもいい?」
「もちろん」
考えたって仕方がない。しばらくは向こうは王族だ、会うことはないだろう。
そう思いセヴィを部屋に招き入れ、今日は寝ることにした。




