予定調和
「隠しても無駄だよ、精霊は正直だからね」
王は悠々と紅茶を飲む。
静寂が包む中、お父様は意を決して「陛下、発言よろしいでしょうか?」と王に尋ねる。
「いいよ」
「申し子たちとおっしゃいましたが、たちとはどういったことでしょうか?」
「それは申し子は一人ではないからだ」
お父様は驚きながら私を見るが、私には夢の中でアイテルに会ったくらいで日常的には精霊は見ることができない。
お父様を見つめ首を横に振る。
「そうか、…ウォルターは知らないのか。養子にした息子と生れたばかりだがもう1人の娘も精霊が見えているはずだ。精霊たちが騒いでいるよ」
お父様、お母様は驚き、目を見開く。
極力、ロゼリアが申し子だと言うことがバレては欲しくなかったが、ダメか…しかしこれだけはお願いしなくてはならない。
「陛下、お願いがあります」
「何かね」
優しげに私を見つめる王なら大丈夫だとは思うが、私は椅子から立ち上り「セヴィとロゼリアをどうか王家で引き取ると言ったことは…皆、家族なのです。離ればなれは…嫌なのです」と誠心誠意を込め伝えてお辞儀する。
「大丈夫。王家で引き取ることはない。しかし今年私の子供が生まれる。その子が男だったら婚約者候補として名をあげることにはなるがな」
王は優しくそして残酷なことを語る。
「ロゼリア嬢に会ってから私は今日の執務に戻るとしよう」
そう王が言うとお父様とお母様は王をロゼリアの部屋に案内するから部屋を出た。
私とセヴィは部屋に戻るように言われた。
王は応接間を出る際に私とセヴィに自身の子供が生まれたら会いに来て欲しいと言っていた。
私は不安しかなかった。
王はただ会いに来ただけだよと言っていたが果たして本当なのだろうか。
魔獣を召喚できる石や精霊の申し子の発覚。
数日しか経っていないのに濃厚で私の小さな頭はパンクしそうだった。
私に出来ることは少なくてもだろうが、2人の幸せのため出来ることを再び模索しようと心に誓うのだった。




