再び夢
私は畳の上にしかれた座布団に座っていた。
夢なんだろうなと明確に感じる。
『懐かしいなー』
畳の匂いに鼻をクンクンとさせる。
前世の家は平屋で畳があって縁側もあって、ザ・日本家屋と言った感じだったのでより懐かしさを感じる。
夢なのに匂いまであるとはなかなかリアルだなと辺りをキョロキョロと見渡す。
『気に入った?』
後ろから声が聞こえ振り向くとそこにはお盆を持ったここには似つかわしくないスラッとした黄緑色の髪に綺麗な深緑色の目をした美青年が立っていた。
『えっ?どちら様でしょうか…』
私は見たことない人にあわあわしながら質問する。
夢って知り合いなり知っているキャラクターなりが出てくるものではないのだろうか?
『あ、初めまして僕の名前はアイテル。この世界の精霊王だよ』
『はい?』
『まずはお茶でも…』
アイテルがそう言うと目の前にちゃぶ台が出現する。
私は驚き目を見開いて固まってしまった。
『煎茶でいいかな?それとも焙じ茶?』
『なっ何でもいいです…』
アイテルは私の前には座ると先程から持っていたお盆を机に置く。
そこには茶筒が2つと急須、湯飲みが2つあった。
アイテルは座った横からポットを出し、茶筒からお茶っ葉を急須に入れポットからお湯を入れる。
急須にコポコポとお湯が入る度に緑茶のいい香りが私の鼻をくすぐる。
懐かしさに胸が熱くなる。
アイテルは急須から湯飲みにお茶を注ぐと私の前に置き『どうぞ』とお茶を勧める。
『ありがとうございます』と感謝を述べ私は湯飲みからお茶を一口飲む。
『美味しい』
懐かしい味に胸が暖かくなる。
『君の前の故郷の味みたいだから用意してみたよ』
アイテルはそう言いながら自分の湯飲みにもお茶を注ぐ。
『私の前の故郷って…』
『知ってるよ、君生まれ変わりだよね?』
アイテルも自分で入れたお茶を一口飲む。
『あの…』
『僕らは魂の色が見えるんだ。強く前世が残っている者の魂の色は混じり合う。君のは混じりあっているね』
『わかるんですね…でも故郷までわかるんですか?』
『それは君を転生させた神様にねー、聞いたんだ』
『はい?』
『神様がね、君に謝罪してくれってさ。君を突き落としたのは神様の眷属なんだってさ。蘇らせることはできないから謝罪として知識がある世界へと転生させたみたい』
『…』
『いやー困っちゃうよね。別に君にこの世界を救えとか発展させろとかはないみたいだよ?』
『まあ…期待されても困りますのでいいですが、その伝言を伝えるためにアイテル様は私に夢を通じて会いに来たのですか?』
『君に興味があって伝言ついでに来てみちゃった』
アイテルはてへっと言った感じで軽く返答する。
『興味ですか?』
『そう、精霊ってのは好き嫌いが激しいんだ。君たち、人間が精霊の申し子と読んでいる者たちなんだけど条件があって大量の魔力を持っていて魂が混ざっていなくて真っ白な魂を持つものたちなんだよ。僕たちは魂の色と魔力に惹かれる。混じった色は汚いからね』
ーじゃあ私の魂は汚いんかい!
と心の中で静かに突っ込みを入れる。
『君も気付いていると思うけど君の魂の色は精霊が好む色じゃないんだよ。精霊はさ、嫌いな子にはあまり興味がないんだよ。申し子が君に執着しているとはいえそこはドライなんだよね。なのに君が目を覚まさなかった時の精霊たちの騒ぎようが凄かったからね。ちょっと興味があってさ』
『そう…ですか。私に会って何かわかりました?』
『少しだけわかったよ。君の魂は混ざっているけど何だか面白いなって。他の子達もきっと惹かれていくよ』
『ありがとうございます?』
でいいのだろうか…。正直よくわからない。
『あはは。君は面白いな。別の世界の魂だからかな?最後に1つだけ良いことを教えてあげるよ』
『?』
『4年後の呪いには気を付けて…』
私は目を覚まし、最近では慣れ親しんだ天蓋を見つめる。
ー夢の中の情報量が多すぎて熱が出そう…




