夢
『私たちのセヴィを泣かせないで』
『やっと泣かなくて良くなったのに』
『早く目覚めて抱きしめてあげて』
私は夢で小さな光に囲まれていた。
小さな光は口々に私に文句を言うので早く起きればいいんでしょと悪態をつきながら目を開けた。
目の前には目に涙を溜めたセヴィがいて驚いてしまう。
「…セヴィ、何で泣いてるの?セヴィ、泣かないで」
セヴィに声をかけるとセヴィの目から涙が次々とあふれでてくる。
無言で泣き始めるセヴィに私は慌てて起き上がりセヴィを抱きしめる。
ーあの夢は何だったのだろうか…。
私はベッドに自分がいる事に一瞬混乱したが、カイに殴られて気絶したことを思い出す。
「心配かけてごめんね?」
セヴィは中々泣き止まなかった。
「リアナ様、気付かれましたか?痛みなどはありませんか?」
私はカロンの声がした方へと顔だけ向ける。
カロンは心配気な私を見つめる。
「痛みはない…ないわ」
そう私は驚きながら答えるとカロンは安堵の息を吐き「当主様にリアナ様が目覚めたとご報告に行ってまいります」と言い部屋を後にした。
「すごい飛んだと思ったのに…全く痛みがない…」
私は奇妙な感覚を覚えながら独り言のように呟く。
セヴィはまだ泣き止む気配はなかった。
しばらくしてドアが勢いよく開く音とお父様とお母様の私を呼ぶ声が聞こえた。
「お父様、お母様」
「リアナ、無事か?」
「リアナ、怪我はない?痛みは本当にないの?」
とお父様もお母様も心配気に私を見る。
「私は大丈夫です。痛みもありません」
そう答えるとお父様もお母様もセヴィを含め私を抱きしめる。
2人の体温の体温の温もりに私も安堵し涙が出てしまった。
「リアナいいのよ?」
とお母様が言ったのをきっかけに涙が止まらなくなった。
私の涙が止まるまでしばらく4人で抱き合った。
涙が止まると急に冷静になり何故、痛みがないのか、あの倒れる瞬間の光は何だったのかが急に気になり始めた。
「あのお父様、何があったのでしょうか?光を見た気がするのです」
泣いてしまったため少々鼻声になりながらお父様に問いかける。
「リアナもセヴィも気にすることはない」
言えないということ…まさか…。
「あの光でカイ様…」
死んだ!?
「大丈夫、少し背中を打ったみたいだが命に別状はない」
「それは良かったです」
腹は立ったが死んでしまったら後味は悪いので怪我程度で済んでよかった。
「しかしあの光は何なのですか?」
「…順を追って話をしたいが、今はリアナの回復を待った方が…」
「私は痛みもありませんので問題ありません。お話しください、お父様」
お父様を見据え、強くお願いする。
しかしお母様は「今はダメです。」とキッパリと話を始めようとしたお父様を止めた。
「リアナ、明日にはきちんと話します。今日はきちんと寝て回復を優先させなさい」
お母様の心配ももっともだ。
私は少し項垂れながら「はい」と素直に返事する。
お母様はにっこりと微笑みながら頷き「さあ、リアナの無事も確認できました。私たちは退出いたしましょう。ウォルター様もセヴィ、あなたも」とお父様とセヴィに声をかける。
セヴィは上目遣いで私を見る。
「セヴィ…お姉様も疲れているのです。体力を回復させればまた会えます。今日は私とウォルターと一緒に寝ましょう?ね?」
お母様は優しくセヴィの背を撫でながら問いかける。
セヴィは私とお母様を交互に見つめ私を見た後「はい」と素直に返事をした。
「リアナ、おやすみなさい。きちんと体力を回復するのですよ?」
ベッドから降りたセヴィの手をとりながらお母様は優しく私の頭を撫でた。
「さ、ウォルター様も」
「そうだな、リアナ。無理はしないように」
3人が出ていった後、横になると再び眠気が私を襲う。
平静を装っていたが、体の痛みはないのだが体力は減っていたのか気がつけば眠ってしまった。
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