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頭がおかしくてお金が欲しいイカれた精霊魔術師エルディア  作者: 無印のカレー
地区予選

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71話 依頼6

――格が違う。

黒い魔力をまとった男が立っていた。


「魔王様。

私わかったの。

力を示せば、あなたはそこそこ話を聞いてくれるって。

あと前に魔王城転移用の住所おしえてくれたじゃない。

ぶっちゃけ、一回使ってみたくて。」


「相変らずふざけた奴だ。死にたいのか?」


「まさか!

あなたが多忙な事は理解してるって!

何してるのかは、さっぱりしらないけど。」


エルディアは平然としていたが、明らかに周囲の魔導圧力は常軌を逸した圧力になっていた。

エルディアとて、魔の森の魔力を取り込み。以前とは比べものにならない出力を維持していてギリギリで耐えているにすぎない。


魔王は目を細めた。


「なるほど。理解したよ。」


以前のエルディアなら潰ていたであろう出力。

冷や汗を垂らしつつ考える。


──単純に魔の森の魔力を借りてるから、膨大な魔力を扱えてるだけだ。

──今の出力で30000ってとこか。


だる。

まだ魔王の底が見えない。


以前の10倍なんだけどなー。


「もういいでしょ魔王様。

話、聞いてもらえる?」


魔王は小さく息を吐いた。



そしてベルクは話した。


魔の森を解析し

古代樹の魔力循環を調べ

幾度も失敗を重ねながら少しずつ積み上げてきたその歴史を。


魔の森を手中に収めるべく30年の結晶である研究した過程と成果を、それらすべてをかすめ取ろうとするリリがいることを。


「私は、この場所を手に入れるためだけに研究していたわけではない。

この森が持つ巨大な魔力資源の力を、魔族の為に利用できる形にするために。」


「貴様の積み重ねた術式。

記録。

魔術構造への理解。

それら全ては賞賛に値するが、成果とはかけた時間ではないと、いつも言っているよな。ベルク。」


「は。」


「一応聞こうか。リリ。

なぜベルクの研究を奪おうとした?」


「奪えるからっすね。魔族なんで。

守れない方が悪いっす。」


ベルクの顔が引きつる。


「貴様……」


「もちろん、ベルクが頑張ったのは知ってるっすよ。

だからなんすか?」


「まあ否定はせん。

だが、その三十年の結晶を研究をぽっと出に奪われるのは業腹だろうがな。

しかもリリは、王都ダンジョンから一度逃げている。そんな相手に。」


「うっ。」


「──なら、魔族の『流儀』に従って

決めればいい。」


2人は顔ををあげる。


「戦争だ。」


「──待って。」


一同は固まった。

エルディアが天高く手をあげていた。


まじで空気が読めないタイミング。


「なんだ貴様。

図々しいぞ。

どれだけ俺の言葉を遮るんだ。

いい加減、殺すぞ。」


場が凍った。


「姉御。いいかげん、死ぬっすよ。

ハラハラするんでやめるっす!!」


エルディアはへらへらとしていた。


「大丈夫だって。

調子こいた発言は、成果を担保にすれば許される。

私は魔王様の事を、そこそこ理解してる。」


成果至上主義。

しかも一回は話を聞いてくれるタイプ。

王都ダンジョンを、制御できないと死ぬけど。


「とにかく戦争だと、魔の森に被害が出ちゃうのよ。

だから戦争じゃなくて、代理戦争にしましょう。

魔の森も、

あなたの研究所も、

王都ダンジョンの制御に必要なものだから、勝った方が総取り。それでいいでしょ。」


ベルクが不機嫌な様子でいう。


「私の研究所は

すでにボロボロだがな。」


「中の資料やデータは無事でしょ。

それにあれは千蝕魔角鹿ディア・ウロボロスが私のいう事聞かないのが悪い。」


「聞くわけないだらうが!!!!

舐めてるのか貴様!!」


「全国大会。」


「あん?」


「私、学生なの。」


「貴様のような学生がいるか!!!」


「事実っす」


「嘘つけ!!!」


「あなた、アステルのスポンサーでしょ。

そう遠くない未来に、学生の全国大会があるのよ。

そこで雌雄を決しましょう。

リリの手の者がそこに出場できないなら、貴方の勝ちでいいいわ。


王国戦略級魔導杖アストラ・レガリア

有名な杖だものね。

それを扱う最強魔術師、エステル。

であるなら、全国大会を代理戦争の舞台にするのは、貴方としても悪くない条件だと思うけど?

それに私、さっきアステルにけちょんけちゃんにされて逃げてきたとこだし。」


やがて。


「……いいだろう。」


ベルクは頷いた。



「話は終わりだな。

その代理戦争、この俺が見届ける


勝った者が、すべてを手に入れる。

30年の積み上げた苦悩も

手に入れるはずの未来も

全てが勝者の正当な所有となる。


言い訳は認めん

過程を誇りたいなら、勝って証明しろ。

奪われたくないなら、奪い返せ。

奪いたいなら、力を示せ。」


「「承知致しました。」」


ベルクとリリは膝をついて肯定を示す。


「じゃあ俺は去る。

クソくだらない喧嘩で呼び出すなよ」


「はーい。

まおーさま。

またよろしくー」


「呼ぶなって言ってるんだ。

話をきけ。」


そして魔王は、帰りは自分の魔術で転移して帰った。





魔王が去って、そこまで時間を置かず、星の配置を利用とした、頭のおかしい魔力が近づいてくる。


「お迎えよ。

アステルが来たみたい。」


「最後に聞いておいてやる。貴様の名は?」


「エルディア。

アーカム魔術学園一年。

まだ嘘つくなって顔してる。」


「信じられると思うか?

貴様が誰であろうとどうでもいい。条件は忘れるなよ。」


「忘れないって。

学生証落としたんだよなー……

証明はできないけど、まあよろしく。」


「リリ。」


「なんすか?」


「殺してやるよ。」


「望むところっすね。」




――数分後。


「開放されたんですね。」


「ああ。リリ・ヴァルフェリアと話した。

奴の手のものが全国大会に出る。

確か名前は……」


「エルディア。」


「……?なぜその名を……」


「学生証が落ちてました。」


──ホントに学生だったのか……。


「アステル。

リリと話したよ。

全国大会だ。そこで決める事になった。

勝った方が総取りだ。

エルディアを一蹴するぞ。」


「でもほら。見ていただけますか?

一個だけ解せない点があって。」


ベルクは差し出された学生証をじっと見る。


ぺら。


ぺら。


学生証に記録された情報を確認していく。


そして気づいた。


こいつ、赤点ばっかじゃん!!!!





全国大会が始まる。




そしてそれは完成した。


ショッピングモール。


──の付属の宿泊施設。



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