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頭がおかしくてお金が欲しいイカれた精霊魔術師エルディア  作者: 無印のカレー
お金儲けしたい

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3話 アルト

アルト。


アルトは優しそうで、実際優しい。

村の少年らしい自然な髪型で黒髪。

だが村の少年っぽいだけで、出自はいいとこの魔術師の家だ。




すでに街では、エルディアの姿は有名だった。


エルディアは一見すると美しい。

だが全身刺青まみれの頭のやばいイカれたクソガキとしての、中身を隠す気がなかった。



だから街の誰もがアルトに期待の目を向けていた。


狂犬の首輪として、やってくれると。


強く生きろと。



街の市場通りは、今日も騒がしかった。

焼きたてのパンの匂い。

荷車の軋む音。

そんな街の喧騒の中心で――


エルディアは、ポチのよだれにべちょべちょにされていた。


「うおおー! ポチー! いい子ー!!」


「……すみません。

 本当にすみません……」


ポチは、獣というには大きすぎた。

狼に似ているが骨格が違う。

目も赤いし、ゆらゆらと陽炎のように魔力が立ち上っている。


周りの歩いてる人はギョッとしていた。


え、


え?



「エルディア。

頼むから、せめて鎖をしろ……」


「お金がない!!!」


事実だ。

エルディアは金があれば魔術なんてやっていない。

優雅にティータイムして、村の子供達と笑って、街のおにーさんと秒で恋している。


そして今日も彼女は、ダンジョンにアタックして生還した。


その後、ポチの獣魔登録を終えた。





──カフェ。


「やめろォ!!」

「その犬を店に入れるなァ!!」

「犬じゃねえだろあれ!!」


「じゃあ、ポチ。

そこで待ってられる?」


ばうっ!!!


エルディアはしっかりと頷く。


知らんけど大丈夫そうだ。



店内。

ご飯をつまみつつ。


「そろそろ溜まりそうなんだよね。

魔術学校の入学金。」


金貨50枚。

それが魔術学校の入学金だ。


エルディアはせこせこ溜めていた。


「お前んとこ、そんなに稼ぎ良くないよな?」


「いや、農家だし。」


「なぜ農家がこんな化け物を産んだ。」


「そりゃレベルと、装備と、熟練度上げくらいのするでしょ。

金はついでだった。それもさっきたまった。」


「レベルいくつだっけ。」


「35。」


「ぶー」


「茶を吹かないで。

汚いんだけど。

私の人生計画だと、魔術学校入学までには精霊と契約しとくつもりだったんだけどなー。

失敗してしまった

なんとか入学試験までには精霊と契約しないと、金が無駄になってしまう。

これだけは避けなければ

もう試験費用払っちゃったんだよ。

失敗したら帰ってこない……」


しみじみとエルディアは言う。


「そ、そうだな。」


「何よ。その目

あとなぜ距離をとる。」


だって。

化け物じゃん。



アルトは、エルディアの精霊忌避の理由を親に聞いた。

文献も調べたし、魔術師仲間にも助けを求めた。

そしてその結果、そこに至る。


刻印魔術を、刻んだ際の血の匂いだ。


「なるほどねー。確かに」


「おそらくな。

お前は子供の頃から自分の体に幾度も刻印魔術を刻み続けた。

頭のおかしいことに。

その穢れは相当なものになっているはず。

精霊は基本的には血の穢れを嫌う。

おそらく原因の一つはそれだ。

もちろん、邪念が1番大きな原因だろうが。」


「アルトも同じじゃん!!アルトだって刻印魔術してんじゃん!!!」


「俺は一個だ。

しかも役に立ってるか立ってないのかわからん。」


「詰んだ……

盛大に迷路に迷い込み、

迷路を戻る道は失われてる感覚だ。」


「刻印魔術の段階で、まずは気づけ。」


「家に本があったんだもん!!!!

それやりゃレベル上げに早いなと

とはいえ。ま、まずいぞこれ!!」


あまり物事に頓着しないエルディアだが、この時ばかりは動揺していた。


──まずい。

人生設計が狂う。


このままでは、えらいことになる!!


プランの大幅な遅延をしなければならなくなってしまう!!


やがて。





「それじゃ索敵するぜ。」


「うん。よろしく。」


彼女達は考えた。

アルトが精霊魔術でダンジョン内を探知し、血の匂いを許容する精霊を探り当てる。


闇の精霊は血の匂いを許容する。


よって目指すは深層。



そして闇精霊は闇を好む。


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