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頭がおかしくてお金が欲しいイカれた精霊魔術師エルディア  作者: 無印のカレー
クラス対抗戦

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32/73

31話 最終競技

クラス対抗戦の集大成。

最終競技《大結界クラス対抗トーナメント》


──試合開始。



誰もEクラスを信用していなかった


「Eクラス静かじゃね?」

「確かに。」

「何かやってるな。」


──あいつら、絶対やってる



Eクラス、オズワルドを中心に、まだ魔術学校に入りたてとは思えない、高度すぎる術式が展開し、観客席から小さなどよめきが起こる


「おお……すげぇ……」

「これが学年1位か……」

「かなり本気だな。」


一瞬だけ観客は感心した。



「「「「で?」」」」





──エルディアは、杖を掲げる。

最新式浮遊型魔術杖『《フロート・デバイス》』。


補助術式である《魔力位相同期網マギア・フェイズ・ネットワーク》によってクラス全員魔力を同期。


その魔力を用いてオズワルドが≪屍操術ネクロマンス≫を発動。




──対するDクラス。

三角錐の突撃陣形。


先鋒、中衛、後衛の三層による教本通りの美しい構成。


ネクロマンスが展開される前に蹂躙する算段。

──予想通りと、Dクラスのリーダーである彼は眼鏡を光らせた。




「……なあ。」

「なんだ。」

「Eクラス相手に正解って存在するか?」

「死んだな」

「まだ何も起きてないぞ?」



実況が叫ぶ。


「Dクラス!!

一気に距離を詰める!!」




「──そろそろかな。

下調べが甘かったね。

埋設深度。平均1,8メートル。

では、工事完了の確認を行います。」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


エルディアの声に反応するように大地が揺れた。


先頭を走っていたDクラス前衛の足元の地面そのものが崩落し、消える。

続く護衛隊も。

そして後衛隊も。


「なーーー!!!!」


大地が消えた!!!!




実況席が絶叫した。


「Dクラスが消えた!!!!消えました!?

罠です!!30人全員が落ちるような、巨大な落とし穴が広がってます!!」



「「「「あー。」」」」


もはや誰も驚かない。

安心すらしていた。



エルディアは穴に消えたⅮクラスたちを見ながら、満足そうに頷いていた。


──かかった。


「ふふ。

綺麗にハマってくれたねえ。Dクラス諸君。

一切地形確認もせず、こうして突撃してくるからそうなるんだよ。」


「なぜ地面が陥没を……こんな広範囲に……

まさか……

まさか、おまえ!?!?」


天地がひっくり返ったような衝撃。


穴の中で混乱するDクラスを見下ろすように、穴の縁にエルディアがいた。


「落とし穴。

第5種目みてなかったの?

《竜・撃退戦ドラグレイド》。

アンデッド対策はしてたみたいだったけど、そちらへの対策は甘かったみたいね。

私の手の平の上で踊った気分はどうかな。」


「ば、馬鹿な……」


「なぜ竜はカモにできて、人間はカモにできないと考えるのかしら。

自分達は、決して罠には落ちない。

そう考える事こそ、人類の傲慢の最たるものなのではないかしら。」





──大結界戦『勝利条件』。


各クラスには一つだけ《結界核石コアストーン》が与えられそしてこれを保持する生徒を《キーマン》と呼ぶ。


敵キーマンの撃破、

あるいは結界核石の破壊。


そのどちらかを達成した時点で勝利となる。


三十対三十。

長い歴史の中で幾度も形を変えながらも、その本質だけは変わらなかった。


いつの時代も、戦場で求められるものは同じだからだ。

守るべきものを守り、

奪うべきものを奪う。


――すなわち『王を落とすこと』。





物理的に。


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