24話 1回戦リザルト
この話が必要なのか、ちょっとわからん。
まー書いたので。
数値が跳ね上がり、巨大な魔導スクリーンへ結果が展開される。
金の装飾枠。
王立魔術学園の紋章。
貴族社会特有の、過剰なほど荘厳な演出。
そこに数値が跳ね、数字がはじき出される。
観客席の貴族達が、そして関係者たちは期待に目を輝かせた。
《A CLASS RESULT》
空中に、光文字が浮かび上がるその瞬間に、歓声。
誰もが疑わない。
今年の主役。
今年の勝者。
王道。
本命。
正統派。
学園最強のAクラス。
ゆっくりと、結果が表示されていく。
続いて、内訳が展開されていた。
■Aクラス
到達順位:400点(最速到達)
探索ポイント:40点
戦闘評価:200点(ガーディアン完全撃破)
情報発見:60点
合計:700点
■Bクラス
合計:590点
■Cクラス
合計:470点
■Dクラス
合計:380点
「し、死ぬかと思いましたわ……」
転がるように、二つの影が飛び込んできた。
ローブは裂け、呼吸は乱れ、息は切れている。
カトレアとアス。
Eクラスの中でも、辛うじて“上位”と呼ばれる二人。
「頑張ったねカトレア……」
「頑張った、で済む話ではありませんわよ、これ……エルディアめ……わたくしらに一番無茶なとこを任せて!!」
「まあまあ」
アスが肩で息をしながら、なんとか声をかける。
カトレアは膝に手をつき、笑う余裕すらない。
彼女達の登場に、現場の空気がわずかにざわついた。
──遅すぎる。
それが全員の共通認識だった。
Dクラス到達から、かなりの時間が経っている。
A、B、C、Dクラスの評価処理もほぼ終えている。
なのに、Eクラスのトップが“今”来る。
ありえない遅延だった。
Eクラス担任からの質問。
「おい……お前ら、まだ全部来てないのか?
……何かあったのか?」
「いえ。別に。何も。ねえアス。」
「うん。ちょっと大変で」
カトレアが答え、アスが苦笑混じりに肩をすくめていた。
歓声も一段落し、観客席には奇妙な待ち時間と、ざわめき。
監視係が端末を確認する。
《Eクラス:2名到達》
本来なら、もう全員到達している時間。
あるいは脱落者が表示される時間。
なのに、半分どころか“先行2名だけ”。
その数字は、異常とも言えないが、やはり違和感だった。
「とりあえず、報告しますわ。」
カトレアがコアポイントへ手を置く。
術式光が走る。
カトレアのログが表示される。
──通常ルートではない、崩落した深層通路。
アスも似たようなものだ。
なんならカトレアより酷い。
どうして生きてられるのか疑問なルートだ。
観客席の誰かが呟く。
「……なんで。
そんな遠回りを……」
闘技場入口とオープンフィールドは転移陣で繋がっているので、空間そのものが“開く”ように転移陣が開き、Eクラスの残りの生徒が到達する。
一人、また一人。
泥と魔力の残滓をまといながら、しかし確かに“コアの中心”へ踏み込んでくる。
ルールに基づいてゴールであるコアに触れていく。
そしてその瞬間、評価ログが跳ね上がっていく。
最後の到達は、静かだった。
転移でもなく、破壊でもなく、派手な突破でもない。
砂と泥にまみれた一人の少女が、フィールド外周からふらふら歩いてくる。
エルディア。
Eクラスの最後の一人。
エルディアがコアに触れると、コアポイントの魔導評価装置が、一拍遅れて反応し、“跳ね上がる”という表現すら生ぬるい、異常な増加が始まる。
「おい……これ、計算合ってるのか?」
「探索ポイントが……A〜D全部足したより上だぞ」
《Eクラス:総合評価更新》
一瞬、間があった。
それは沈黙。
理解が追いつかない沈黙。
誰かが、乾いた声を出す。
「……は?」
「……トップ、Eクラス?」




