14話 カトレア2
話は今後の話に及んだ
「アスはランキング150位。
私がエルディアに抜かれて122位。
エルディアが121位。」
「うん。
でも、150位か。
改めて見るとすごい数字だなって。」
「私は数字が大きくて嬉しいまであったけどね。
ちょっと数字が減って切ない……」
「そ、そうなんだ。
前向きだね。
エルディアちゃん。」
──でも、びりじゃん。
それって。
エルディアは、水を飲みながら考えていた。
──人の評価が、自分の行く末を決める世界か……
考えたこともなかったや。
できなければ死ぬ。
できれば生きる。
それは、風が寒くなった頃に、村に毎年のようにやってくる。
それをなんとか乗り越えると、誰かがいなくなっている。
冬で死ぬからだ。
自然による淘汰は、死という形でいつも隣にあった。
──その淘汰を乗り越えるために学院に来た。
そのためなら、悪魔にでも魂を売ってやる。
エルディアは悟った。
「なるほど……
つまり、このランキングとは、より優秀な人材から順番に、より効率的に冬を乗り越えるための権利と、そして暖房が与えられる事を示した数値ってことか……」
「エルディア……多分違うと思うよ。
戻っておいで。」
「アスの魔力価値ランキングは10位圏内。
でも学年ランキングは元々149位……
魔力価値ランキングってそのままクラス分けになるんじゃないっけ。」
「アスは、いわゆる特例扱い。
事情がある場合も考慮した数値。
でもエルディアもそうではなくて?」
「というと?」
「あれだけの獣魔や、戦闘能力を持ちながらEクラスなのは納得がいきませんわ。
完全に詐欺です。」
「でもほら。」
エルディアは学生証を見せる。
学生紹介には、魔力価値ランキングが明記されている
「……150位……ホントに……
まさか品性がふさわしくないとかで、Eクラスになったとか……」
「まっさかー!
入学試験は魔術試験だったんだよ?品性の問題なんてなかったじゃん!」
「ですわよね……ならなぜ……」
※そのまさかです
学年ランキングに限ってみた時、学校の方針としては才能>技術なのは間違いないだろうが、才能だけでは上がれない。
結果を出せなければ意味がない。
「そしてクラス別対抗戦は、待ってはくれません。
アスは魔術行使をなんとかしないと、そもそも根本的な解決にはならないですわね。
アスの件は、家のコネで色々当たってみたけど、どうしても駄目でしたし。」
「んー。
学年ランキングかー。」
エルディアは、順位が低いこと自体にはもう慣れていた。
それは特別な強がりではなく、むしろ何度も同じ場所に落とされ続けたという意味では、似たような経験ばかりだった。
でも一つだけ学んだ。
冬は終わる。
「差し当たって、アスだけじゃなくてEクラス全体のランキングだけはなんとかしよっか。
クラス対抗なんだから。
それに学食の割引が使えないとかゴミすぎる……
そもそも平民が多いのにさEクラスには。
割引はEクラスこそ必要でじょ。
貴族が割り引いてなんの意味があるんだ
システムはいーのにさー。
そもそも食費に割引が利かないとか、私は精神崩壊しそう。」
長い。
「いいのよ。エルディア。
私はなんとかやるから。
それに食費は正直、困ってない……」
「わかるよ。
辛いよね。
辛い人はみんなそういう。
うん。私、頑張る。
やっぱり、食費の割引欲しいもんね!!」
「そこ!?
いや、あの……だから……」
「クラス全体の、学年ランキングを一気に引き上げる!!
そして、みんなで安くて美味しいものを食べるんだ!!」
エルディアは燃えていた。
「おーい。エルディアー。聞いてー」
「アス……諦めた方がよろしいですわ。」
「え?……え?」
次の日。
朝のホームルーム。
エルディアは教壇の前にいた。
それが当然だというふうに
生徒達の視線を集めている
──あいつ、なんで前にいるんだ?
「えー、今日の放課後、全員予定を空けておいて下さい。
クラス全員を強化するためにクラス全員に、精霊と契約してもらいます。」
クラスの空気が固まった。
「なお拒否権はありません。
これはクラスのトップであるカトレアからの指示です。
ちなみに学生だから個人情報を特定しております。
もしいうこと聞かなければ……」
──聞かなければ
ゴクリ。
「断った奴はカトレアがぼこす!!」
断れる理由もなかった。
──いや、ぼこさねーよ。
そもそもあたしゃー、そんな話を聞いてねーんだよ!!
「あのー
クラスの1人が手を挙げる。」
「質問は随時受け付けるわ!!
1人3個までね!
つまり29人いるから、合計87個までしか受け付けないから!!!!
慎重に選びなさい!!!」
多い。




