ギルドマスター
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ジャンさんの武器屋を出て冒険者ギルドに向かっていた俺達は途中で路地裏に入った
「ハティ、実は『人化』ができるっていう証明の証の腕輪をつけていないと街中では人型で従魔が歩いたらいけないみたいなんだ。ここからは狼の姿でいてくれる?」
「はーい」
俺はアイに教えてもらった情報をハティに伝え狼の姿になってもらう。このことを知っていてハティを人型で歩かせたのは武器を買いたかったからだ。あとでジャンさんに謝っておかないとな…
そうして俺達は冒険者ギルドに到着した。流石王都の冒険者ギルドと言うだけあって人も多いし建物もでかい。そのまま俺達はギルドの中に入った。すると中にいた冒険者達は俺たちのことを見て皆騒ぎ始めた。それもそうだろう。俺の仲間の女性達は、他の女性と比べても群を抜いて可愛い。屈強な男達が注目するのも当たり前なのだ。しかし、ここでテンプレな状況は起こらない。なぜなら俺たちの後ろにはまだ子供とはいえ他の狼とは比べ物にならないほど大きく、立派な狼のハティがいるからだ。俺達にちょっかいかけようと動こうとした奴らもハティの人睨みで皆動けなくなってしまう。そして、そんな女性達と狼を連れた俺にも視線が集まるのは仕方ないことだろう。
そして俺達はそのまま受付に向かった
「初めて見る人ですね。王都は初めてでしょうか?私は王都のギルドで受付嬢をしておりますベイスと申します。今日はどのような要件でしょうか?」
そう言って話しかけてきたのは熊の獣人だろうか?ベイスさんと言う獣人の女性だった。
「今日はこの子の冒険者登録と俺の従魔が『人化』のスキルを覚えたのでその証明の腕輪をもらいにきました」
「へ?す、すいません。彼女の冒険者登録はわかりました。で、で、この狼さんがひ、人化のスキルを覚えたとおっしゃいましか?」
とベイスさんは慌てた様子で確認してきた。そんなおかしいことなんだろうか
「なぁアイ?なんでベイスさんはこんな驚いているんだ?」
俺がそう言うと俺の胸のポケットの中に入っていたアイが出てきて俺の頭の上に乗った。どうやらここがベストポジションらしい…これが本当の妖精なら可愛いかもしれないけど、この妖精女神様なんだよな…
「それはね〜普通こんな狼が『人化』のスキルは覚えないからよ。もともと『人化』のスキルというのは最初から覚えている魔物がほとんどだし、仮に途中から覚えたとしてもほんとに稀なのよ」
なるほど、だからベイスさんはあんなに驚いていたのか…そう思って俺がベイスさんを見ると先ほどとは比べ物にならないほど驚いた顔をしていた。なにこの顔、ちょっと面白い(笑)
「よ、よ、妖精・・・」
どうやらアイを見て驚いたようだ。妖精というのはやはり珍しいんだろうか?
「しょ、しょ、しょしょしょ少々お待ちください」
そう言ってベイスさんは奥の部屋に行ってしまった。どうしたんだろうか?
ん?・・・俺は何人もの人がアイを見ている気配を感じた。中には珍しいからという理由で見ている人もいるだろうけど、良くない考えを持っていそうな気配も感じた。全員で10人ぐらいかな?俺はそいつらに向かって全力で殺気をぶつけた。こちらは気づいているぞ!というのを分からせるために。
俺の全力の殺気を受けた冒険者達は皆震え上がっていた。彼らは俺との圧倒的な実力差があるのを理解しただろう。俺が特定の人物だけを判断してそいつらだけに殺気をぶつけているのだ。ということは自分の視線や気配だけでバレたということになる。彼らは冒険者だ。仮に不意打ちだとしても手を出してはいけないということが理解できただろう。他の冒険者も俺から殺気を受けてないとしても俺から出される強烈な気配、そして震え上がっている冒険者を見て俺の実力をわかっただろう。
「やれやれ、こんなところで殺気を振りまくのはやめてくれないかな」
そう言って奥の部屋から出てきたのはエルフの男性だった。相当な実力なのだろう。気配でわかる。『鑑定』
アルベルト
分類:エルフ
年齢:ERROR
ユニークスキル:ERROR
スキル:ERROR
「ふーん…今鑑定しようとしたでしょ。ダメだよいきなりそんなことしちゃ」
どうやらこの男は隠蔽のユニークスキルを持っているらしい。
「ちっ、めんどくさいやつだな」
「おや、君たちもだろう?なんで全員隠蔽のスキルを持っているのかは気になるけど……まぁいいや。こっちにきて」
そう言って男は奥の部屋に入っていく。俺達はその後に続いて部屋に入った。
「そこに座って」
そう言って男は俺達とは反対側のソファーに座った。
「陛下やガルムから君のことは聞いてるよ。改めて、私の名はアルベルト。冒険者ギルドブルメーイル王国のギルドマスター兼、ブルメーイル王国ギルドの代表役だ」
どうやら彼…アルベルトさんはブルメーイル王国のギルドマスターで1番偉い方だったらしい。てか、陛下から聞いている?
「あの?陛下からどこまで聞いているんですか?」
俺はそう質問した
「ん?君が陛下に報告したこと全て聞いているよ。そちらのお嬢さんも20年前の聖女様というや君が瞬間移動の魔法が使えるのもね」
あのクソジジイ…内密のことだって言ったのに……
俺がイラついているのがわかったのかアルベルトさんは
「あぁ、安心して。誰にも言うつもりはないから。陛下はこのことを私に報告して君たちのギルドランクを上げてくれとお願いしてきたんだ。私はその話を聞いて疑っていたんだけどさっきの圧力を見たら納得しちゃったね。ということでSランクはさすがに厳しいけど、聖女様…いや、セシリアさんでよかったかな?彼女も含めて全員Aランクにすることにしたよ」
ふーん…まぁ内密にって言ったのに喋った陛下には後でなにか仕返しするとして…いきなりAランクか。まぁ妥当かな?
「おや、あんまり驚いていないんだね?Aランクじゃ不満かな?」
「いや、そうゆうことじゃない。むしろAランクでラッキーだ。Sランクだとめんどくさい指名依頼とか入りそうだしな」
「はは…冒険者達が憧れるSランクになるのをめんどくさいって…」
そうアルベルトさんは乾いた笑みを浮かべていた
「あぁそうそう、君の従魔が『人化』のスキルを覚えたんだって?見せてくれるかな?」
アルベルトさんはハティのスキルを思い出したようでそう言った。
「わかりました。ハティ」
「ウォン!」
ハティがそう吠えると、ハティは軽く光り始め光がおさまると犬耳を生やした狼獣人のようなハティがいた
「変化しましたよ〜主様〜」
「うわっ!まさか喋れるのかい⁉︎ということは金ランクかい?これはすごい」
ん?金ランク?なんだそれは
「アイ、ランクって何だ?」
俺は頭の上に座っているアイにそう聞いた
「『人化』できる魔物は大きく分けて3種類あるの。ただ人間に変化できるだけ。喋ることも動くこともできない銅ランク。喋ることはできないけど人間のように動いたり、生活したりすることができる銀ランク。そしてハティのように喋ることも人間のように動いたりすることができる金ランク。ほとんどの魔物は銅ランクか銀ランクに分類されるわ。金ランクなんてまず見るとこはできないわね」
なるほど、ということはアイお前すげースキル上げたんだな。いや?もともとハティは『知識』があったからいけたのか?いや、でもアイは『知識』も強化したって言ってたし………まぁいいや!
「そういえば妖精も連れているんだったね…本当に君は何者だい?妖精なんて稀に見れるもんじゃないよ…精霊なら見える人もいるみたいだけど、こんなに他者にはっきり認識される妖精はほんとに珍しいよ。狙われないように気をつけなよ」
「はは…気をつけます」
俺はそう答えておいた。やっぱり屋敷の警備は厳重にしとかないといけないな…
「じゃあギルドカードを出してくれるかい」
そう言われ俺達はギルドカードをアルベルトさんに渡した。
「ちょっと待っててね」
そう言ってアルベルトさんは部屋から出ていった。
10分ほどしただろうかアルベルトさんが戻ってきた。
「お待たせ。これが君たちの新しいギルドカードだよ。セシリアさんは君たちのパーティに登録しといたよ。あ、あとこれが金ランクの腕輪ね。これをしとくと街中で人化してもいいからね」
そう言われハティは自分の両腕に腕輪をはめた。
「これ、結構すごい魔道具でね。このまま狼の姿に戻っても腕輪が自動で大きさを調整してくれるんだ」
「へーそれはすごいですね。そんな効果があったんですか」
ん?もしかしたらこんな感じの魔道具を作ったらハティの大きさを自在に変化できるようになるんじゃないか?このまま大きくなったら街とか歩くの大変だろうし…
俺がそんなことを思っていると、なにやらギルドが騒がしくなっているのが感じた
「なんか騒がしいですね?」
「たしかにそーだね。なんかあったんだろうか」
俺とアルベルトさんがそう話していると突然ドアが開きベイスさんが慌てて中に入ってきた
「はぁはぁ、ギルドマスター大変です!オークの集落が発見されました!数はおよそ500!おそらくこの規模ですとオークキングもいると思われます」
「なに⁉︎」
そういってアルベルトさんはソファーから立ち上がった。顔からは汗が噴き出している…
「はぁ・・・この世界に来てからの密度濃すぎだろ………」
そう俺は小声で呟くのだった
なんか今回女性陣が何も出番なかった…




