王様からの依頼
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陛下が言ったことに俺は少し嫌な予感がした…だって国王直々とか絶対にめんどくさいことなんだもん・・・
「はぁ、何でしょうか?」
俺はそう思っても、陛下にそんな態度は取る事ができずそう聞いた。
「レン、お前の実力を見込んで、お前にある屋敷の調査を依頼したい」
「おじ様!まさかあの屋敷ですか⁉︎」
陛下がそう言った時、突然リリア王女が机を叩いて立ち上がった。
「少し静かにしていろリリア。これからは大事な話だ」
陛下が先ほどとは打って変わったような口ぶりでそう話す。
「で、でも「リリア!」はい…」
リリア王女はそう言われると素直に座り直した。
「陛下、屋敷の調査とはどういう事でしょうか?どこかの貴族の不正を見つけて来るとかですか?」
俺は陛下にそう質問する
「いやそうでは無い。実は王都にはな、いくつか霊に取り憑かれている屋敷があるのだ。そしてその屋敷には『レイス』というゴーストモンスターが取り付いていてな。そのモンスターは厄介で、全てのゴーストモンスターがユニークスキルの『死者の魂』というのを持っている。このスキルは物理・魔法攻撃の威力を激減するので、光魔法か聖魔法の使い手しか対処できんのだ。しかしある理由でその屋敷は王都いる人では対処できなくてな」
陛下はそう説明する。しかし気になるワードがあったぞ
「陛下、聖魔法というのは何でしょうか?聞いたことの無い魔法属性なのですが…」
俺はそう質問する。アイに聞いた魔法属性には聖魔法なんて存在しなかったからだ。
「ああ、お主は聖魔法を知らなかったのか…聖魔法というのは言わばユニークスキルの一種でな、回復魔法の上位互換と言われている超特殊な魔法だ。この魔法は女性にしか確認されておらず、またゴーストモンスターやアンデッドモンスターにも有効打を持つ属性だ。この国の隣国である聖教国では聖魔法をもって生まれた、紫色の髪以外の女性を聖女として扱うのだ。また、なぜかこの魔法は人に伝授する事ができないのだ」
へーそんな魔法があったのか…回復魔法の上位互換なら是非伝授されたかったが…まぁいい
「どうして紫色の髪の女性は聖女になれないのですか?」
俺はそう質問する。この国では紫色の髪は差別の対象なのだろうか?いや、でも街中で紫色の髪の人は何人か見ている…
「ふむ…我々も含めて信仰している女神アウラ様はオレンジ色の髪をしていると言われている。その色の補色である紫色の髪は女神アウラ様から遠い存在と言われ、どんなに聖魔法に優れていても聖教国では聖女にならないのだ」
なるほど、差別の対象というわけでは無いということか…
「聖魔法についてはわかりました。しかしなぜ光魔法も聖魔法も使えない私が調査なのでしょうか?この国にもどちらかを扱える人がいると思いますが…」
俺は陛下にそう質問する。
「実はな…20年ほど前に聖教国から、その当時聖女様だった人がこのブルーメイル王国にいらっしゃってな。レイスに取り憑かれている屋敷があると聞いてその屋敷の浄化に向かってくださった。だが、聖女様はその屋敷からおかえりにならなかった…この事件は聖教国でも問題になり、一時は戦争にまでなりかけたのだ…そして、この国でも聖女様が浄化できなかった魔物がいるかもしれない屋敷に誰も近付かなくなり、そこ屋敷は今は封印されているのだ」
「なるほど、それで私に調査を依頼したいと…なにかあっても瞬間移動で逃げる事ができますしね」
俺は陛下にそう確認する。
「すまんがそうゆう事だ。聖教国にも聖女様やその護衛の遺品を返してやりたい。だから、お主に頼みたいのは聖女様とその護衛について行ったものの遺留品の調査、そして、できたらで構わないが聖女様がやられたであろう魔物の確認・討伐だ。もちろんこれは正式な依頼では無いため受けてもらわなくても結構だ」
陛下が俺にそうお願いすると
「レンさん!あの屋敷は危険なんです!断ってください!聖魔法や光魔法が使えないレンさんにレイスの討伐なんてできないです!」
リリア王女がそう説得してくる。しかし俺は…
「わかりました。その依頼お受けします」
「レンさん!」
俺がそう答えるとリリア王女は驚き、俺の名前を呼ぶ。
「安心してくださいリリア王女。危なくなったらすぐ逃げますしそれに…」
そう言って俺は不敵に笑い
「ダメージが激減ならそれ以上のダメージを、与えてやればいいんでしょう?」
そう言ってやった。それに陛下は大笑いし、急いでメイドに屋敷の地図を持ってくるように伝えた。
「では、今から行ってきます。今が13時ごろなんで夜には報告ができるかと…あ、もし重要な事が分かった時や、内密にしたい時間が発生した時にこれを飛ばしますので…」
そう言って俺はアイテムボックスからある紙を取り出す。これは王都に行く時に作成してした魔道具で式神をイメージして作った魔道具だ。
「それは?」
陛下がそう質問してする
「俺が作った魔道具です。この紙に用事を書いて魔力を込めると…」
すると紙が鳥の形に変化した。
「これを陛下に飛ばします。そしてこの紙に返事を書いて魔力を込めてください。すると勝手に私の元まで戻ってきますので」
俺はそう説明する。説明が終わってすぐメイドさんが地図を持ってきてくれたので俺はそれを受け取り、陛下達に挨拶をして部屋を出ようとした時に陛下に、「お前がいつでも城に出入りできるように門番に言っておく」と伝えられた。それを聞いた後、俺は城をでる。どうやら馬車が用意されているようだ。瞬間移動のことは内密にしたいのでおとなしく馬車に乗る。そして、ハルカ達にこのことをアイに説明してもらい、俺は急いでサドラさんの屋敷に向かった。
とりあえず書き溜めてあった最後のやつを投稿…これからは隙間時間にちょくちょく書いていきます。次回は戦闘シーンにはいるかな?
補色・・・その色の対照的な色のことです。