番外編 リナ編
今回はリナがレンと出会うまでです
番外編 リナ編
「ただいま〜」
そう言って1人の男がある家に帰ってくる。
「お帰りなさい、あなた」
「お帰りお父さん」
返事をしたのは、私 リナと私のお母さんである。私のお母さんは体が少し弱く、最近は寝たきりだ…私のお父さんは狩りと畑をしていてうちはそれで生計を立てている。
「今日は大量だったぞ。今日は猪鍋だ」
そう言って私の父 ベイスは大きな猪の肉を持ってきた。そして家族3人でみんなで食卓を囲む。家は決して裕福ではなかったけど私はこの生活が大好きだった。
しかしそんな日常が壊れたのは一瞬だった
ある日、父さんの狩仲間である人が私の家に駆け込みにきた。
「た、大変だ!カミナ・リナちゃん!ベイスが魔物に襲われて怪我をした!急いで村長の家に向かえ!」
私達は急いで村長の家に向かう。
「父さん!」
「あなた!しっかり!」
私たちが村長の家に着くと、おそらく魔物の爪で切られたのだろう。体を斜めに切られ、大きな傷跡があった。
「カミナ…リナ…す、すまな……い…」
「あなた!あなた!いやーっっっ」
「お父さん!嫌だよ死なないでよ」
私は何度も父さんを起こそうとした。でも父さんが2度と目を覚ますことはなかった。
それからは私の生活は大きく変わってしまった。お母さんは父さんが死んでしまったショックで寝込んでしまい、病気が悪化し死んだ。私は1人になってしまった。村の人達は私に同情の目を向けるが誰も手を差し伸べてはくれなかった。私はあるおじいさんの家に拾われたが、扱いはとても酷かった。その年、村は不作で自分たちの家でもいっぱいいっぱいだったからだ。
そして私はそのおじいさんに売られてしまった。私には親族がいないし、村も飢饉だ…少しでも金が欲しいのだろう。私はなんの抵抗もなく、同じく口減らしで売られた同じくらいの歳の子と一緒に奴隷の馬車に乗り込んだ。
奴隷の馬車の中では何も感じなかった。もう死にたいとしか思ってなかった。お父さんもお母さんも死んで、私には奴隷の道しか残っていない。いいご主人に当たれば幸せな生活を送れると聞くが私は獣人だ。そんな扱いはあまりないだろう。
すると馬車が急に止まった。そして護衛で雇った冒険者達が魔物と交戦していた。どうやら魔物の群れに襲われたらしい。
すると奴隷商人の人が急に檻のドアを開け扉の近くにいた私を引っ張り出し、魔物の群れの中に放り出した。
私は魔物に腕を噛まれる。痛くて何も言えない。すると次々と魔物が私に群がってくる。そして私は魔物に体をどんどん食べられていく。
《痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い》
もう頭の中ではそのようにしか感じなかった。でもそのうち痛みも安らいでいく…私は思った…あぁ、これでお父さんとお母さんのところに行ける。私には誰もいない…誰も悲しんでくれる人なんていない…だからお父さんとお母さんのところに行くんだ。そして私は意識を手放した。
「痛っ!」
私は痛みによって目を覚ます。どうやら死ねなかったようだ。私は自分の体を見る。体の四股はすべて欠損している。耳も聞こえないし、片目も使えない。おそらくここは欠損奴隷や犯罪奴隷を入れておく場所なんだろう。
私は神を恨んだ。なぜ私がこんな目に合わないといけないんだ…なぜ私をあの時殺してくれなかったんだ…もうお願い神様殺して…私を殺して…でも涙が出てこない。涙を出す気力もない…
私は絶望に染まりながら暗い牢の中で、数日を過ごした。食べ物も食べれないし飲み物も飲めない…あぁやっと死ねるんだ。もっと長く行きたかったなぁ、恋や冒険色々やってないことがあるのに…そう思っていた。すると2人の若い、黒髮の男女と1人のおじさんが私の牢の前で止まった。そして少し話し合うと、そのおじさんが私を抱きかかえ、ある部屋に連れて行った。どうやらこの若い男の人が私を買うようだ。なんでこんな私を?そう思っていた。そして私は奴隷の首輪を、おじさんにつけられた。本気で私を購入するみたいだ?
すると彼は私の前に手を伸ばし何かを喋り出した。私は薄れて行く意識の中で、「レン」という言葉が聞こえた。名前だろうか?すると私は急に光りだした。とっさに目を瞑る。そして光が収まり目を開けた。
私はまず両目が見えることに気づいた。驚いて目を手で触る。ん?手で触る?私は手があることを不思議に思い体を確認して行く。手がある!足がある!尻尾がある!目が見える!
私はなにが起こったかわからなかった。でも彼が、私のご主人様になったレンという人が助けてくれたんだってことはわかった。そして、私は泣き出していた。もう絶望で泣くこともできなかったのに、まだ行きて行けると思うと嬉しかった。馬車で死にたいと思っていたのに、いざ死ぬとなると怖かった。でも今は生きている。私は助けてくれたこの人がどんな人でも一生支えようと決めた。
私はご主人様、レン様に感謝した。お礼の言葉を言っても彼は別に気にしてないようで笑顔でいた。
私はそんな笑顔に惚れてしまった。奴隷なのにダメだとわかっている。でも惚れてしまった。
そしてレン様は私を奴隷から解放してくれると言った。でも私はそれを断った。だって、捨てられると思ったから。そう思うと怖くて私は奴隷の解放を断った。でもレン様は私を奴隷じゃない。仲間だ!って言ってくれた。すごく嬉しかった。奴隷の首輪はご主人様に束縛されるためのものだけど、私はこれがレン様とのつながりのように感じて嬉しかった。
そして私達が宿に入ると、レン様の仲間であるハルカさんにお風呂に連れてこられた。私は奴隷の身分だからそれを断ろうとしたがハルカさんは気にしてないようで一緒に入った。
そして私はハルカさんにレン様についてどう思っているか聞かれた。私はどう言えばいいのかわからなかった。でも、ハルカさんは私の気持ちに気づいたようで…
「私はレン君が好きだよ。リナちゃんもレン君のことが好きだよね。だからね、これからは2人で一緒にレン君に振り向いてもらえるように頑張らない?」
ハルカさんはそう言ってきた。私はびっくりした。だって奴隷の私と一緒にレン様に振り向いてもらえるようにって…
「でも…私は…」
私は自分の気持ちに嘘をつこうとして、必死に言葉を探した…でもハルカさんが私の肩を掴んでこう言った。
「リナちゃん、奴隷かどうかなんて関係ないよ。2人ともレン君のことを好きになっちゃったんだもん。仕方ないじゃん。だからね、リナちゃんの正直な気持ち聞かせて?」
私は嬉しくて泣いてしまった。そしてハルカさんに正直な気持ちを伝えた。レン様のことが好きだって伝えた。するとハルカさんは満足そうにうなづき、私に手をかざした。そしてハルカさんが私にくれた力について風呂を上がった後教えてくれた。
そして次の日の夜、ハルカさんと話し合い、レン様に気持ちを伝えることにした。ハルカさん曰く絶対レン君みたいな人はどんどん仲間が増えて行くらしいから急げ!らしい…
そして私たちはレン様の風呂に突入した。とても恥ずかしかったけどレン様になら構わないとそう思った。
レン様は途中恥ずかしがったのか急に上がろうとしたけど、私とハルカさんでそれを止めた。
そして私達はレン様に気持ちを伝えた。好きだって伝えた。奴隷としては間違っているとも、思ったけど伝えずにはいられなかった。
そして急にレン様は立ち上がり、私達を抱きかかえ、ベットに寝かせた。
「ほんとにいいんだな?2人とも」
レン様がそう確認してくる
「いっぱい可愛がってください。レン様」
私は顔を真っ赤にしてそう答える。
そして私はレン様のものになれた。と実感できとても嬉しかった。
次からは 通常に戻ります




