狼王 フェンリル!
なんだかわからないけど、完結ってついてました。ごめんなさい。まだまだ続く予定ですので
俺は意味のない魔導を作るのに貴重なAランクの魔物の魔石を使ってしまったことにひどくおちこんでいた。
「ご、ごめんレンくん。そんなつもりは無かったんだよー」
「そ、そーですよ。レン様!そのアイテムバックが必要になる時が来るかもしれません。落ち込むことなんてないですよ」
そーだよな・・・いつまでも落ち込んでいてもしかたないしな
「2人ともありがと。じゃあ行こうか」
そう言って俺は、皆にクイックの魔法をかけ、山を登り始める。かなり急な山だったが身体強化Lv10のおかげでスイスイと登ることができた。そしてすぐに山の頂上まで到着することができた。
「これはすごいな」
そう言う俺の目の前には山のくぼみにある森が広がっていた。近くに山はないので、この森はこの山のくぼみだけで存在しているのだがとにかくでかい。
「ほんとにこんなすごい景色見たことないわ。さすがファンタジー!」
「 ハルカさん、ファンタジーとはなんでしょうか?」
そーいえばリナには俺とハルカが異世界人と言うことは話していなかったな。
「リナ、このことは依頼が終わったら宿で教えてやる。じゃあ行くぞ!」
そう言って俺達は森の中に入っていく。森に入ってすぐに【空間感知】の魔法に反応があった。
「2人とも、スキルの気配察知を発動しておけよ。奥の茂みから魔物がくるぞ」
すると体調4mほどの猪の魔物が飛び出してきた。すごい勢いで突進してくる。俺は剣を抜こうとすると
「レン様!ここは私が!」
そう言ってリナが猪と対峙する。リナは紙一重で猪の突進をかわし、すれ違いざまに剣を一閃。すると猪の魔物の首と胴体が真っ二つになった。
「お疲れ様、なかなか良かったよ」
「はい!ありがとうございますレン様」
リナが尻尾をぶんぶん振りながら笑顔で返事をする。俺は褒めながら頭を撫で、ついでに耳も触る。おお、すごいモフモフだ。癖になりそう
「ふぁぁぁぁぁ、レ、レンさゃま〜。み、耳はラメ〜。や、やめてくらしゃい」
そうリナが体を震わせ、モジモジしながら俺にお願いしてくる。やばい!ちょう可愛い。
「ちょっと!なに2人でで盛り上がってんのよ!」
おお、そうだった。そうだった。リナの可愛さに依頼のことをすっかりわすれていたぜ。
「そ、そーだ。よしいくか」
そうして俺達は道中何体か魔物を狩りながら進んでいると、大きな湖にでた
「うわ〜綺麗〜」
「はい・・・なんて素敵な景色なんでしょうか」
2人はこの景色を見て感動している。す、すまんな俺は男だからかそうゆうのに共感できない・・・
「よし、とりあえずここら辺を探してみようか」
「「はーい」」
そうして俺達はいったんバラバラになって水薔薇の花を探し始めた。すると俺はまるで水のように透明な花がたくさん生えている場所を発見した。
「これかな?とりあえず【鑑定】」
水薔薇の花
・エリクサーの素材ともなる大変貴重な花。綺麗な水場でしか咲くことがなく、また花が咲く時期が決まっていないので入手はとても困難になる。この花があれば大抵の病気は回復する
おお、見つけたけどこれかなり貴重な花なんだな。何本か私用としよう。そうして俺は水薔薇の花を咲いているぶんだけ採取した。採取した数は30本となった。
「2人とも!花が見つかった!いったん集まってくれ!」
そして俺は2人をあつめた。
「これでエナクちゃんのお父さんは大丈夫ね」
「はい!良かったです」
水薔薇の花を見つけて喜んでいる2人に俺はあることを提案した。
「実は今からもう1つの目的をはたしたいんだけど」
「もう1つの目的ですか?」
「レ、レンくんまさか!」
俺はハルカの質問に頷く。そう俺のもう1つの目的は狼王を一目見ることだ。ローラさんはいるかもしれないと言ったが実際、狼王は存在する。なぜなら俺の【空間感知】の魔法に強力な2つの反応があったからだ
「レ、レンくんやめようよ。絶対危ないって」
「そ、そうですよ。何かあったからでは遅いんですよ」
「大丈夫だよ。なにかあったらすぐに瞬間移動で逃げるし、それに………」
そうして俺は2人に【空間感知]で見ている反応を見せる。
「こんな強そうなやつ、見ておかないと損だろ?」
俺は2人にそう説明する。
「はぁ、わかったわよ。まぁレンくんだしね」
「レン様!レン様なら大丈夫だと思いますが決して無茶をしないでくださいね」
「ああ、わかった[[[[[ドガン]]]]]よ・・・」
すると急にあたりに大きな爆発があった
「な、なんだと!?」
俺は驚愕した。なぜなら今の爆発の後で大きな2つの反応が片方が消え、片方は消えかかっているからだ。
「2人とも!急ぐぞ!」
そうして俺は反応に向かって走り出す。爆発が起こったであろう場所に着くと体長が10mほどの大きな狼王が2匹いた。金色の狼はすでに生き絶え、銀色の狼もわずかに生きているほどだった。【か、鑑定!】
ゴールド・フェンリル(死亡)
ランク:SS
ユニークスキル:全能力超大幅補正、知識
スキル:身体強化Lv10、噛みつき、咆哮、夜目
シルバー・フェンリル
ランク:SS
ユニークスキル:全能力大幅補正、知識、狼王の勘
スキル:身体強化Lv10、噛みつき、夜目
《人間か・・・》
狼王が喋った⁉︎ユニークスキルの知識が原因だろうか?
「そうだ、俺は冒険者のレンだ。いったい何があった?お前ほどのやつが一瞬でこのようになるなんて」
《ぐはっ、はぁはぁ…油断してな・・・人間の男よ…はぁはぁ、頼みがある》
「なんだ?」
《お前はとても強いだろう・・・はぁはぁ…私でもかなわないぐらい……しかも優しい心を持っている・・・まぁ勘だかな。でも私の勘は外れない……はぁはぁ、だからなこの子を連れて逃げてくれ…頼む》
狼はそうゆうと狼の体の下から体長2mほどの子供の狼が出てきた。おそらくさっきの爆発に身を呈してかばったのだろう。その子は無傷だった
《この子は生まれてまだたったの数ヶ月だ…はぁはぁ、人間にも慣れることができよう…頼む…お前なら任せられる…私にはわかるんだ》
狼がそうお願いしてくる。
「お前の願いはわかった。でもお前はどうするつもりだ?」
《私は最後の力を振り絞って、やつを足止めするとしよう。あの魔族の男に・・・はっ!》
そう言うと狼王は急に立ち上がり子供の狼をつき飛ばした。すると斬撃が飛んできてシルバー・フェンリルにあたりに首を跳ね飛ばした。
「キャン、キャン」
いきなり母親を斬られて動揺したのか、子供の狼は母親に向かって走り出した。すると何が子供の狼に向かって飛んでくる。俺はとっさにそれを防ぐ。どうやら斬撃を飛ばしてきたようだ。
「なんなんだ!くそっ!なんの反応もないぞ」
すると前の木の陰から1人の男が姿を現した。人間?いや背中に翼があるし頭にツノもある。どうやらさっきシルバー・フェンリルが言っていた魔族の男がこいつだろう
「おやおや、これを防ぎますか…あなたなかなかやるようですね」
魔族の男が話しかけてくる
「お前は何もんだ?」
「おやおや、私を見てもわからないとは…私を知らない人間もいるんですね〜」
「どうにもこの世界の常識はなくてな【鑑定】」
ナバラ・グリケート
分類:魔族
年齢:458歳
適正魔法:火魔法Lv9
ユニークスキル:気配完全隠蔽
スキル:身体強化Lv9、刀術Lv9、剣術lv9、気配察知LV8、魔力操作Lv8、腕力増加、限界突破・・・
称号:殺人鬼、死を導くもの、快楽を求めるもの
気配完全隠蔽
・目視されない限りすべてのものから認識されない。匂いや気配なども完全に隠すことができる
こ、こいつなかなか強いな。俺たちを除いたらこの世界でもトップレベルなんじゃないか?
「いいでしょう。教えて差し上げます。私の名前はナバラ・グリケート。別名『死神』とも言われています。以後お見知り置きを…では、早速その狼を渡してくれませんかね」
「どうしてだ?」
俺はそう言って子供狼の前に立つ
「いえ、私はやるなら徹底的にやるタイプでしたね。撃ち漏らしは嫌いなんですよ」
「断ると言ったら?」
「あなたを殺すしかありませんね」
「ふん、どうせ渡した後殺すつもりだろうが」
俺は魔族の男にそう言ってやる
「よくわかりましたねぇ。そうですよ。殺すことには変わりありません。ただ順番が変わるだけです」
やはりな。だいたいこの手の輩はそうだと決まっている。俺は子供の狼をハルカ達のところまで行くように伝える。すると子供の狼も自分には敵わない敵だと本能的にわかったのか大人しくハルカ達の元に向かった。
「ハルカ、リナその子を頼む」
「うん、わかった」
「お任せください」
そう言って俺は魔族の男に向き直る
「おや、1人でいいのですか?」
「別にお前レベルなんて1人で十分さ、その前に少し聞きたいことがある」
「舐められたものですね。いいでしょう、質問に答えてあげましょう」
魔族の男はそう答える
「お前は魔王の関係者か?」
「はっははー、私をあんな100年しか生きていないような若造と一緒にしないでもらいたいですね。私は1人で快楽を求めて旅をしているだけですよ」
「と言うことはお前を殺しても、魔族からはなんの後釜もないと?」
「はい、殺せれば…の話ですけどね。私は生き物を殺せればいいのですよ。だから魔族も人間も魔物も関係ない。私は魔物の国でも追われる身ですからね」
「そうか、じゃあ2つ目だ。なんで狼王を殺した?」
「おかしな質問をする方ですね〜そんなの決まってるじゃないですか!私の気持ちを満たすためですよ〜まぁ弱すぎてなんてこともありませんでしたが」
「クズが」
「おや?魔物を殺して何が悪いと言うんですか?あなたも冒険者なのでしょう?あなたも同じではないですか〜、それなのに私だけを責めるなどまるで勇者様ですね〜」
「別に魔物を殺すことに文句を言ってるわけじゃないさ。俺も魔物を狩って生計を立ててるしな。ただ、自分の私欲のためだけに、ただ生き物を殺すお前を許さないだけだ」
「ほぉ、それで私と戦うというのですか?おもしろいですね。そんな人間がいるとは…」
「戦い?何か勘違いしてないか?」
「なに?」
「今からやるのは戦いじゃねぇ!圧倒的強者による蹂躙だ!」
次回レンがついに本気をだす⁉︎
戦闘シーンが苦手です…どうしましょう…