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Fly*Flying*MoonLight  作者: あかし瑞穂
次の日
12/88

AM7:45 出勤途中

 車から見る街の景色は、電車とは違う色に見えた。

「あの……」

 私は、隣にいる和也さんに声をかけた。

「なんだ?」

 スムーズな運転。クッションも効いてるのか、乗り心地はすごくいい。ハンドルを握る和也さんの横顔を、そっと見た。

(……本当、綺麗な顔だなあ……この人……)

 不覚にも、そう思ってしまった私。ちょっと頬が熱くなる。


「私、最寄駅までで結構ですから」

「何言ってる。同じ場所に出勤だぞ? 乗っていけばいいだろ」

「そ、それじゃ、目立つじゃないですかっ!」

 ――社員の前で、社長の車から、降りる私。

 ……どう考えても、絵にならない、どころか……

(社長ファンに、嫉妬の視線で焼き殺されるかもしれない……!)


「社長と一緒に出勤なんて、周りに何て言われるかっ!」

「……どうとでも、言わせておけばいいだろう」

 前を向いたまま、和也さんが冷静な声で言う。

「噂になりたくないんです。もう充分目立ってるっていうのに……っ」

 和也さんがちらり、とこちらを見た。

「……じゃあ、『お前は俺のものだ』って宣言するか?」

「や、やめて下さいっ!!」

 顔が赤くなるのが分かる。

す、少しはまともなのかと思ったけど、やっぱりドSだわ、この人っ!!


 もんもんとしてる私の隣で、涼しい顔でハンドル切ってる和也さんを見て、私は深~いため息をついた……。

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