↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
8/10

【07】 「二度あることは……」

車は東名高速道路を浜名湖方面へと走っていた。


千鶴「こんな話があるのよ。ある女子レーサーの話なんだけれどね」


爽香「はい」


千鶴「そのレーサー、デビューして最初に(ボートレース)蒲郡に来たときは、デビューしたてで慎重にスタートしていたせいか、フライングをしなかったんだけれど、二度目に蒲郡に来たときは『06』のフライングをしてしまったの」


爽香「えーっ、即日帰郷じゃないですか?」


千鶴「確か、『05以上で即日帰郷制度』が始まる前年のことだったと思うわ」


爽香「じゃぁセーフですね」


千鶴「ええ、その選手は最終日まで走ったはずよ。そして、3度目で蒲郡に来た時、初日いきなり、また『04』のフライングをしてしまったの」


爽香「初日とは、つらいですね」


千鶴「あとは、もう散々だったわ。『30前後』のスタートを繰り返すだけで、5着、6着の繰り返し」


爽香「あたしも気を付けなくちゃ」


千鶴「そして4度目の蒲郡、その選手どうなったと思う? フライングをしたか、しないか?」


爽香「まさか、またフライングなんて、しないですよね」


千鶴「ファイナルアンサー?」


爽香「ファイナルアンサー! フライングしてません!」


千鶴「こんな言葉を知っている? 『二度あることは』?」


爽香「『二度あることは、誰のせい』?」


拓也がコケて、思わずハンドルを右に回してしまい車が寄れた。


爽香「きゃっ! 危ない」


拓也「ごめん、ごめん」


爽香「運転、大丈夫ですか?」


拓也「うん、大丈夫」


千鶴「それこそ、誰のせいで車がこけたのよ」


爽香「あたしのせい?」


千鶴「多分?」


拓也「ははははは」


爽香「『二度あることは、やみつきになる』?」


千鶴「それも違うわ。『2』の次は?」


爽香「『3』。あっ、思い出した! 『二度あることは三度ある』」


千鶴「正解!」


爽香「あたし、勉強が大嫌いだったからなぁ」


千鶴「あたしもよ。だからボートレーサーになったの」


爽香「あたしなんか、勉強が嫌いを通り越えて、まったくしませんでした。今のと同じように、先生に、『犬も歩けば?』と、聞かれて、」


千鶴「『犬も歩けば?』と、聞かれて?」


爽香「『猫も歩く』と答えたんです」


拓也「ははははは」


千鶴「ははははは。うまい! 最高!」


爽香「みんなに笑われました」


千鶴「いいのよ、勉強以外で頑張ればいいんだから」


爽香「『犬も歩けば、猫も歩く』の方が言い易いし、自然だと思いません?」


千鶴「そうね。誰かがマンションのベランダから通りを見ていて、有りそうな風景だわ。平和でのんびりとした雰囲気が出ていて素敵なフレーズだわ。心が癒される」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。