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第六話「アヒルの血統とディズニーランドの約束」
俺が一枚も「肩揉み券」を使っていないというのに、あいつは「一日外出券」を渡すなりカレンダーを確認し、すぐに予約を入れてきた。
「東京ディズニーランドに行きたいな」
「おう。あの、え~、あの、鼠の妖怪、何だっけ?」
「ミッキーマウスだよ」
「そうそう、英語を喋る鼠の妖怪がいる遊園地だな」
「ミッキーは妖怪じゃないよ」
「じゃあ、何だ?」
「えっ、あ、う~ん……妖精?」
「妖精と妖怪と何が違うんだ。そんなあやふやな知識でディズニーランドに出かけたら、ディズニーさんに悪いだろう」
俺はディズニーランドなんて行きたくなかったし、東京に出るなら美術館でも行って芸術を堪能したかった。
「ディズニーランドにはお父さんの兄弟もいるから、挨拶しなければ不義理になるよ」
「俺の兄弟は桜田洋太郎一人だぞ?」
「ドナルドダックがいるじゃない」
血管がブチリと音を立てる感覚がした。
「俺の兄弟がアヒルだったら、手前だってアヒルじゃねえか!」
「だから僕も一族に会いたいなあって思ってさ」
そんな不愉快な気分にさせる遊園地なんぞ、行けるか。
一日外出券なぞ渡さなければよかった。




