番外編・クリスマスのお話
この世界にもクリスマスのようなものはあるらしい。
僕の世界とは日程がずれているのだそうだけれど、同じようにお祝いをするのだそうだ。
クリスマスというとリア充目と暗黒の記憶に引きずられそうになりながらも、家族と楽しいクリスマスケーキを楽しんでいた気がする。
だが、今年は少し違うクリスマスになりそうだ。つまり、
「ク、クルツ。今日はどんな風に過ごすのかなって」
この世界のクリスマスのようなイベントを僕は聞いていたので、“恋人”のクルツに聞いてみた。
できれば一緒に過ごしてみたいなと言いたかったのだけれど……。
「ごめん、ルネ。実はこの時期クリスマスだからと言って暴れる輩もいて……騎士団は全員出動なんだ」
「……そうなのですか」
「うん、だができる限り早く帰ってくるから、待っていてくれ。……ごちそうも買ってくるし」
「……うん」
そう僕が頷くとクルツが頭を撫でてくれた。
そして仕事に行くのを見送る。
でも、本当は、今日は一緒にいたかったなと僕は心の中で思う。
それから約三十分後、僕はとある人物に連れ出されていたのだった。
僕は現在涙目になっていた。
「オ、オウルさん、一体僕をどうするつもりなのですか?」
「今日という日ほど、恋人達が幸せそうにしているのが許されざる日はない」
「あ、あの、ラデュレさんは……」
「あいつの話をするのか? 異世界人は」
「い、異世界人といった話ではなく……なぜ僕は連れてこられたのでしょうか」
「私の気まぐれだ」
そう答えたオウル。
どうやら僕はこのオウルの痴話げんかに巻き込まれてしまったらしい。
なんでこのような目に、そう僕が思っているとそこで、
「さて、ではこれからひとり身の我々は、やけ食い大会に参加しよう」
「え?」
「どうせクルツは今日深夜にならないと帰ってこないだろう? いつものように」
「そうなのですか?」
「そうそう、では、一緒に遊びに行こうか」
との事で僕は、オウルに連れられて、やけ食いクリスマスが始まってしまったのだった。
そんなルネとオウルの姿は、クルツとラデュレに途中から目撃されていた。
「う~ん、オウルの機嫌を損ねたから何かプレゼントでもと思ったけれど、あれだけ食べたら食べ物は無理そうかな。もっと違うものにするかな。指輪はどうだろう」
「……ラデュレさん、オウル兄さんを怒らせる前に声をかけてください。ルネまで巻き込まれています」
「そうだね。でもルネちゃんよく食べるね。見ていると本当にかわいいね」
「そうですね」
「だから声をかけないのかな? クルツは」
それにクルツは答えない。
そこでラデュレが、
「それで町の見回りはどうするのかな?」
「……二人の移動をついていけば、十分に見回りになります。それにラデュレさんもどういう拗れさせ方をしたのかわかりませんが、その手にある指輪を渡したらどうですか」
「え~と、心の準備が」
そう返してきたラデュレにため息をついたクルツ。
そこで、クルツたちに気づいたルネが手を振ったのだった。
いつものようにこじれたらしいオウルを迎えに来てくれたのかと思って手を振る僕。
しかも外でクルツに会えた、そう僕が思っているとそこでクルツが、
「見回りをしていたら見かけて追いかけてきたんだ」
「お、お仕事を邪魔しちゃったかな」
「それはないよ。周りを見て回っていたし」
「……一人でお留守番よりも、クルツと一緒に見回りがしたい」
そう僕がお願いするとクルツが小さく笑って、いいよと答えた。
そしてそんな僕のそばでラデュレがオウルの手を掴んでいて、
「な、なんで手を掴む。放せ、はな……」
「はい、クリスマスプレゼント。この指輪、オウルに似合いそうだったから」
「……これでこの前の指輪を含めると五つ目か」
「あ、これでオウルの指全備に指輪ができる?」
「……そういった贈り物よりも、私はラデュレが欲しいが、もういい」
「え? ちょ、オウル~」
そこでまた機嫌を損ねたらしいオウルがその場から離れていったのをラデュレが追いかけていく。
あの二人は放っておいてもよさそうかなと見送ってからそこで、
「あ、雪だ」
空からひらひらと雪が降ってくるのを見つつ、それからクルツと見回りをしたり、その途中大きなクリスマスツリー友遭遇する。
箱に入ったきれいなそれを見てから、僕たちは夜遅く、何事もなく家に戻りそして、
「メリークリスマス」
ようやく二人きりの時間を手に入れて、過ごしたのだったった。
クリスマス短編です。後でラノゲツクールFの方も更新します。
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