800ゴールド
・・・?
見慣れない天井。見慣れない小部屋。私は確か、転んで魔物に追いつかれそうになったんじゃ・・・?
「おい、目を覚ましたぞー!」
金髪のかわいらしい女の子が通ると、声を上げた。
「本当!?おはよう。」
女の子の隣に現れたのは、紫髪の女性。
「おっおはようございます!」
「あらあら、かわいい子ね。」
女性にほっぺをさすられる。
「ひょわっ!?」
ちょっとくすぐったい。けれど、女性の肌、すべすべ・・・。
「おいおい、からかうのもほどほどにしとけよ。」
女の子が女性に声をかける。
「ごめんね。私はオウギ。この子はナオコちゃんよ。あなたは?」
「私はホナミです・・・。」
「ホナミちゃん!可愛いわね。吸いちゃいたいくらい♪」
「ひっ!?」
「おいおい。怖がってんじゃないか。こいつはサキュバスで、よく人をからかうけど、悪いやつじゃないんだよ。よろしくな!」
「ふふっ。サキュバスの嵯峨なのよ。」
「あら、起きました?」
落ち着いた女性の声。
「おはようございます。私はミナミです。よろしくお願いしますね。」
「ミナミさん・・・私はホナミです。よろしくお願いします。」
「立てますか?」
ミナミさんが手を取ってくれた。
「はい・・・!ありがとうございます・・・!」
少しふらつく。けれど、ミナミさんのお陰で立って、歩けている。
「フラフラしているわね。」
「だな。」
うぅ・・・よろついているのを見られるのは少し恥ずかしい。
「ところで、私どこにいるんですか?」
「ここか?アタシらが宿屋まで運んだんだよ。」
「運んでくれたんですか!?ありがとうございます!」
「ふふん、剣士をなめんな!」
確かに、ナオコさんの腰には剣が据えられている。
「やっ宿代は払います!ありがとうございます!」
罪悪感と感謝がすごい。どうしよう。ポケットの中身をあさってみる。
「あ」
「どうしましたか?」
「お金、ないです・・・」
さっき転んだ衝撃でお金を飛ばしちゃったのか、鞄に忘れちゃったのか・・・。
「じゃあ私たちが払うわよ。しょうがない子ね。」
「うぅ・・・ありがとうございます・・・・。」
現在の借金、800ゴールド。
宿代を払ってもらったはいいけど、罪悪感が残っている。
「あ・・・あのっ!」
「どうしましたか?」
「あなたたちは何をされてる方なんですか?良ければお手伝いしたくって・・・。」
咄嗟に出た一言。彼女らは冒険者のような格好をしていたけれど、決めつけちゃよくないかなって思って。
「あたし達は冒険者だ。今は街や森に出た魔物を討伐して稼いでんだ。」
「そ、そうなんですか・・・!荷物持ちでもなんでもやります!」
「へえ、いまなんでもって言ったわね?」
「え」
「それじゃ、一緒に魔物を討伐してみましょ。貴方、その制服からして冒険者養成学校の学生でしょう?」
「は、はい!」
確かに、私はそうだ。でも、戦闘はすっごく苦手。だって、魔物とか怖いよ・・・。でも、なんでもって言ったからには引き受けるしかない。そう決心した。




