第79話:竜国への旅
翌日。
俺とリナ、そしてドラグは、竜国に向かった。
馬車で、5日間の旅。
「竜国って、どんなところなんですか?」
俺が聞くと、ドラグが説明してくれた。
「寒い国です」
「一年中、雪に覆われています」
「でも、美しい国です」
「氷の城、氷の森」
「全てが、氷でできています」
「すごいな……」
リナは、窓の外を見ている。
「私の故郷……」
「久しぶりに帰るんだね」
「うん」
「でも、ケントがいてくれるから、大丈夫」
「ああ」
---
**5日後。**
竜国の国境に到着した。
「ここからが、竜国です」
見渡す限り、雪景色。
白い大地、氷の山々。
「寒い……」
「これでも、今は暖かい方です」
ドラグが言った。
「冬は、もっと寒いですよ」
「もっと……」
馬車は、雪の中を進む。
やがて――
巨大な城が見えてきた。
氷でできた、美しい城。
「あれが……竜国の王城……」
「リナエル姫の、生まれた場所です」
「すごい……」
城門をくぐると――
竜人たちが、出迎えてくれた。
「リナエル姫、お帰りなさい!」
「ただいま」
リナが、笑顔で答えた。
「そして――」
一人の女性が、前に出てきた。
美しい銀髪、青い瞳。
リナに似ている。
「母上!」
「リナ……」
二人は、抱き合った。
「よく帰ってきたわね」
「はい」
リナの母――氷竜王妃が、俺を見た。
「あなたが、ケント?」
「はい」
「娘が、いつもお世話になっております」
「いえ、こちらこそ」
竜王妃は、優しく微笑んだ。
「リナから、たくさん話を聞いているわ」
「あなたのこと」
「……」
「娘を、よろしくお願いします」
「はい」
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**その夜。**
歓迎の宴が開かれた。
竜国の料理が、並べられている。
氷魚の刺身。
雪兎のロースト。
氷結フルーツ。
「これが、竜国の料理か」
一口食べてみる。
「美味しい……」
「冷たいけど、旨みが濃い」
「竜国の食材は、特殊なんです」
竜王妃が説明してくれた。
「極寒の地で育つから」
「普通の食材より、味が濃縮されています」
「なるほど……」
「ケント」
竜王妃が言った。
「明日から、リナの修行が始まります」
「はい」
「あなたも、見守ってあげてください」
「もちろんです」
「ありがとう」
ーー第80話に続く




