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第65話:リナの危機

「氷竜に……変わる……?」



俺は、信じられなかった。



「ああ」


ドラグが頷いた。



「竜族は、強い感情や魔力の高まりによって」


「眠っていた竜の本能が目覚めることがある」



「リナエル姫は、今まで抑えていた」



「でも――」


ドラグは、俺を見た。



「ケントと一緒にいて、幸せを感じている」



「その強い感情が、力を目覚めさせている」



「……」



「このままでは、姫は竜になる」



「人の心を失い、氷竜として生きることになる」



「そんなこと……」


俺は、リナを見た。



リナは、不安そうに俺を見つめている。



「ケント……私……」



「大丈夫だ、リナ」



「でも……」



「絶対に、守る」


俺は、リナの手を握った。



「お前を、氷竜になんかさせない」



「ケント……」



「ドラグ、どうすればいい?」



ドラグは、少し考えてから言った。



「方法は、二つあります」



「一つは――」


「姫が、自分の力を完全に制御すること」



「もう一つは――」



「力を鎮める『氷竜の涙』を手に入れること」



「氷竜の涙……?」



「ああ。伝説の宝石です」



「それは、どこに?」



「北の氷山の、最深部」



「あの氷山か……」


レオンさんが言った。



「世界を救う旅で、一度行ったな」



「ああ」



「でも、あの時は氷竜と戦わなかった」



「氷竜の涙は、氷山のさらに奥」



「最強の氷竜が守っている」



「……」



「ケント」


ドラグが言った。



「姫を救うには、その氷竜を倒し」


「氷竜の涙を手に入れるしかない」



「分かった」


俺は、決意した。



「行く」



「ケント……」


リナが、涙を浮かべた。



「でも、危険だよ……」



「大丈夫」


俺は、リナの頭を撫でた。



「お前は、俺の大切な仲間だ」



「家族みたいなものだ」



「だから、絶対に助ける」



「ケント……」


リナは、泣き出した。



「ありがとう……」


---


**翌朝。**



七賢人に、事情を説明した。



「なるほど……」


アルフォンスさんが、頷いた。



「リナ嬢が、危機に瀕しているのか」



「はい」



「試練は、どうする?」



「申し訳ありません」


俺は、頭を下げた。



「リナを救ってから、続きをやらせてください」



「……」



アルフォンスさんは、少し考えてから――



「いや」



「え?」



「試練は続けよう」



「でも……」



「ただし」


アルフォンスさんは、微笑んだ。



「我々も、同行する」



「え!?」



「七賢人として、お前を試すだけではつまらない」



「実戦で、お前の真価を見させてもらおう」



他の賢人たちも、頷いている。



「私も行くわ」


カトリーヌさんが言った。



「面白そうじゃない」



「僕も」


ダンテさんも続いた。



「全員で行くのか……」


レオンさんが、苦笑いした。



「七賢人全員と、氷山へ……」



「すごいパーティーだな……」



「では、決まりだ」


アルフォンスさんが宣言した。



「明日、出発する」



「氷竜を倒し、リナ嬢を救おう」



「ありがとうございます!」



俺は、深く頭を下げた。


---


**その日の午後。**



出発の準備をしていると――



リナが、俺のもとに来た。



「ケント」



「リナ、どうした?」



「あのね……」


リナは、不安そうに言った。



「私、怖い……」



「大丈夫だ」



「でも、もし私が氷竜になっちゃったら……」



「ケントを傷つけちゃうかもしれない……」



「……」



「だから――」


リナは、涙を浮かべた。



「もし私が氷竜になったら……」



「私を、倒して……」



「リナ!」


俺は、リナの肩を掴んだ。



「そんなこと、言うな」



「でも……」



「お前は、氷竜になんかならない」



「絶対に、助ける」



「だから――」


俺は、リナの目をまっすぐ見た。



「諦めるな」



「……」



「お前は、俺の大切な仲間だ」



「一緒に、この村で料理を作り続けるんだろ?」



「……うん」


リナは、涙を拭いた。



「ごめん、弱音吐いちゃった」



「いいんだ」



「ケント、ありがとう」



リナは、笑顔を見せた。



「私、信じる」



「ケントなら、絶対に助けてくれるって」



「ああ、任せろ」



こうして、俺たちは――


リナを救うための旅に、出ることになった。



ーー第67話に続く

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