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第61話:七賢人の試練

「味覚の七賢人……」


リナが、驚いた顔をしている。


「それって、あの伝説の……」


「知っているのか、リナ?」


俺が聞くと、リナは頷いた。


「うん。世界最高峰の料理人が7人集まった組織」


「料理界の頂点に立つ人たちだって」


「そうだ」


アルフォンスさんが言った。


「我々七賢人は、料理の探求を続けている」


「そして――」


アルフォンスさんは、真剣な目で俺を見た。


「次世代の七賢人を探している」


「次世代……?」


「ああ。我々も年を取った」


「いずれ、後継者が必要になる」


「それで……」


「お前を、七賢人候補として招待したい」


「――!」


周囲がざわめいた。


「七賢人候補……!」


「ケントが……!」


「ただし」


アルフォンスさんは続けた。


「試練がある」


「試練……ですか」


「ああ。七賢人にふさわしいか、試させてもらう」


アルフォンスさんは、杖で床を叩いた。


すると――


店の外から、6人の人物が入ってきた。


「彼らが、残りの七賢人だ」


一人目――


40代くらいの女性。鋭い目つき。


「第二位、マダム・カトリーヌだ」


二人目――


50代くらいの男性。穏やかな雰囲気。


「第三位、マスター・ウィリアムだ」


三人目――


30代くらいの女性。美しい容姿。


「第四位、シェフ・イザベラだ」


四人目――


60代くらいの男性。威厳がある。


「第五位、老師・劉だ」


五人目――


20代くらいの青年。若いが目に力がある。


「第六位、シェフ・ダンテだ」


六人目――


50代くらいの女性。優しそうな顔。


「第七位、マザー・エレナだ」


「……」


七賢人が、全員揃った。


圧倒的な存在感。


「ケント」


アルフォンスさんが言った。


「今から、7日間の試練を行う」


「7日間……」


「ああ。毎日、一人ずつ」


「我々七賢人が、お前に課題を出す」


「その全てをクリアできれば――」


「お前を、七賢人候補として認めよう」


「……」


正直、迷った。


七賢人候補。


それは、料理人として最高の栄誉だ。


でも――


「すみません」


俺は、頭を下げた。


「お断りします」


「――!」


全員が、驚いた。


「なぜだ?」


アルフォンスさんが聞いてきた。


「俺は、この村で料理を作り続けたいんです」


「七賢人になれば、世界中を回らなければならない」


「この村を離れなければならない」


「それは……俺の望む道じゃありません」


「……」


「申し訳ございません」


アルフォンスさんは、しばらく黙っていた。


そして――


笑った。


「やはり、お前は面白い」


「え?」


「七賢人の誘いを断る者など、初めてだ」


他の賢人たちも、興味深そうに俺を見ている。


「では、こうしよう」


アルフォンスさんが提案した。


「試練は受けてもらう」


「ただし、クリアしても七賢人にはならなくていい」


「それは……」


「我々は、お前の料理が見たいだけだ」


「純粋に、料理人として」


「技術を競うのではない」


「心を見せてくれ」


「……」


「どうだ?」


俺は、みんなを見た。


リナ。


ユウ。


ソラ。


セシリアさん。


レオンさん。


みんな、頷いている。


「分かりました」


俺は答えた。


「試練、受けます」


「よし」


アルフォンスさんは満足そうに頷いた。


「では、明日から始めよう」


「第一の試練は――」


マダム・カトリーヌが前に出た。


鋭い目で、俺を見つめる。


「私が担当する」


「覚悟しておきなさい、ケント」


「はい」


こうして――


七賢人の試練が、始まることになった。


ーー第62話に続く

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