第52話:国境の街
3日目。
国境の街、ボルドーに到着した。
「ここが、王国と帝国の境界です」
オズワルドさんが説明した。
「ここから先は、帝国の領土」
街は、活気に溢れていた。
商人、冒険者、旅人――
様々な人々が行き交っている。
「賑やかだね」
リナが、興味深そうに見ている。
「国境の街だからな」
「交易の要所だ」
「少し、休憩しましょう」
オズワルドさんが提案した。
「街の食堂で、昼食を取りましょう」
「いいですね」
街の食堂。
「いらっしゃい!」
元気な店主が、迎えてくれた。
「何にしますか?」
「おすすめは?」
「国境シチューだね!」
「肉と野菜がたっぷり入った、ボリューム満点のシチューだ」
「じゃあ、それを6人分」
「あいよ!」
しばらくして、シチューが運ばれてきた。
「うわ、すごい量……」
ユウが驚いている。
一口食べてみる。
「美味しい……」
「だろ?」
店主が、自信満々に言った。
「この店は、50年続いてるんだ」
「代々、この味を守ってきた」
「素晴らしいですね」
「あんた、料理人かい?」
「ええ、まあ」
「いい目をしてるね」
「料理が好きなんだろう」
「はい」
店主は、満足そうに笑った。
「料理ってのはいいもんだ」
「人を笑顔にできる」
「本当にそうですね」
食事を終えて、店を出る。
「いい店だったね」
リナが言った。
「ああ。あの店主、料理への愛情が感じられた」
「ケントも、あんな風になりたい?」
「俺は、もうなってるつもりだけど」
「あはは、そうだね」
午後、再び出発。
国境を越えて、帝国の領土に入った。
「ここから先は、帝国です」
オズワルドさんが言った。
「景色が、少し変わったね」
リナが、窓の外を見ている。
確かに。
建物の様式が、少し違う。
道も、より整備されている。
「帝国は、インフラが発達しているからな」
「すごい……」
馬車は、順調に進んでいく。
4日目の夜。
また襲撃があった。
今度は、魔法使いの集団。
「《火球》!」
「《氷槍》!」
「《雷撃》!」
様々な魔法が、飛んでくる。
「危ない!」
レイナさんが、盾で防ぐ。
「《魔法障壁》!」
レオンさんが、防御魔法を展開。
「リナ!」
「分かった!」
リナが、馬車から出てきた。
「リナ、危険だ!」
「大丈夫!」
リナが、氷魔法を発動。
「《氷結領域》!」
周囲の敵が、一瞬で凍りついた。
「すごい……」
「リナ、成長したな……」
「えへへ、ケントに教わったからね」
敵の魔法使いたちは、撤退していった。
「また、撃退したな」
「ああ。でも、次はもっと強い敵が来るかもしれない」
「覚悟しておこう」
ーー第53話に続く




