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第45話:平和な日々の帰還

世界を救ってから1週間。

俺たちは、また日常に戻った。

「ケント、オムレツセット!」

「はい、ただいま!」

カフェ・ミルフォードは、相変わらず繁盛している。

でも――

少し変わったこともある。

「ケント様、サインください!」

「世界を救った英雄のサイン!」

観光客が、サインを求めに来るようになった。

「英雄って言われても……」

「仕方ないよ。世界中に知れ渡ったんだから」

リナが笑っている。

「でも、俺はただの料理人だよ」

「ただの料理人が、世界を救うかよ」

トムさんがツッコんだ。


ある日、王都から手紙が届いた。

「国王陛下から、叙勲の知らせだ」

「叙勲……?」

「お前に、『王国の英雄』の称号を授けたいと」

「え……」

「しかも、金貨1000枚の報奨金も」

「1000枚!?」

「すごいな、ケント」

でも――

「辞退します」

「え?」

「俺は、称号も報奨金もいらない」

「ただ、ここで料理を作り続けたいだけです」

そう返事を書いた。


また別の日。

レオンさんが店を訪れた。

「ケント君、元気かい?」

「レオンさん!」

「少し話がある」

レオンさんは、真剣な顔をした。

「私、ロゼッタ王国の宮廷料理人を辞めることにした」

「え!?」

「そして――」

レオンさんは微笑んだ。

「この村に住もうと思う」

「本当ですか!?」

「ああ。君から、まだ学びたいことがある」

「俺から……?」

「そうだ。『心を込めた料理』を、もっと学びたい」

「レオンさん……」

「よろしく頼むよ、師匠」

「師匠って……俺の方が弟子ですよ!」

二人で笑い合った。


そして――

ある日の夕方。

セシリアさんが、本当に店に来た。

「ケント、私、本当に働かせて!」

「セシリアさん……」

「料理を学びたいの。お願い!」

「でも、貴族のお嬢様が……」

「関係ないわ。私、料理人になりたいの」

その真剣な目を見て――

「分かりました。じゃあ、明日から来てください」

「やった!」

こうして、カフェ・ミルフォードは――

ケント、リナ、ユウ、レオン、セシリアの5人体制になった。


ある夜。

閉店後、屋上でみんなで星を見ていた。

「綺麗だね」

リナが言った。

「ああ」

「ケント、これからどうするの?」

ユウが聞いてきた。

「どうするって……」

「また、冒険するの?」

「いや」

俺は首を横に振った。

「俺は、ここで料理を作り続ける」

「大切な人たちのために」

「そっか」

みんな、微笑んだ。

「じゃあ、私たちもずっと一緒だね」

「ああ」

「これからも、よろしくね、ケント」

「こちらこそ」

星空の下――

俺たちは、これからの未来を語り合った。

世界を救った英雄。

でも、俺はただの料理人。

小さなカフェで、大切な人たちに料理を作る。

それが、俺の幸せ。


ーー第46話に続く

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