170 枯れ川の渓谷での戦い5
俺の両肩の付け根から真っ白な細い腕がにゅっと伸びだして来た。
その腕は俺の体に刺さったままの剣を引き抜いて、ネルガル顔面目掛けて立て続けに投擲した。
「なっ!?」
とっさにネルガルがその剣をよけて後ろに下がる。
白い二本の腕は、俺の体の中に残っている剣先を引き抜いて、手裏剣の様に続けてネルガルに投じる。
火の魔剣で防ぎながらネルガルが下がり続ける。
「それは何だ⁉化け物!」
嫌悪感も露わにネルガルが剣を構え、離れた位置から俺に声をかける。
それに答えようと思ったが、やはり声が出ない。
手に続いて、長い黒髪で白い肌の女の上半身が、俺の背中から生えてきた。
女の顔には目も鼻も口も無く、白い平面でペタリとしていて、巨大な人型ナメクジに髪の毛が生えているかの様な不気味な姿をしていた。
白い手が俺の上半身と下半身の切断面を揃えて傷口を合わせ、手で押さえている。
うおーん!
うおーん!
黒衣の老人の治癒力が働いて、体がくっつき始める。
「また、くっつくのか⁉」
火の魔剣を振りあげて一足飛びに俺に飛びかかるネルガル。
白い手が長く伸びて、俺が落とした魔剣ファルカ二本を拾い上げる。
それを、大きく横に振ってネルガルの魔剣を弾き飛ばす。
もう一本のファルカタをネルガルの首目掛けて振り下ろす。
「しっ!」
白い腕の振るファルカタを剣の腹で受け流すネルガル。
ナメクジ女の白い手はどんどん長く伸びて、あらゆる方向からネルガルに斬りかかる。
「何だ、この気持ち悪りい手は!」
黒衣の老人の手は俺と同化しないと他人には見えないが、この白い女はネルガルの目には見えているみたいだった。
「うらっ!」
伸びながら自分を追いかけて来る白い手の長い腕の手首を、奴の剣が切り飛ばす。
斬られた腕は一度下に落ちるが、腕の切り口が伸びて行き、また元通りにくっついて再び剣を振り始める。
「いい加減にしろよ!今度は何だよ!?このちんちくりん不細工!てめえには、とことんうんざりだ!」
心底嫌そうに叫んで、白い手の攻撃をかわし続けるネルガル。
うおーん!
繋がった俺の体が勝手に立ち上がり、渓谷を下の方に勝手に駆け下りてゆく。
(違う!そっちじゃない!)
と抵抗して自分の脚にブレーキをかける。
(安全なのはこっちですよ。聞きわけなさい。我がひ孫よ)
(その、ひ孫ってのなんだよ!?とにかく上だ。上に行かないなら俺はここから一歩も動かないぞ!)
必死に意思を働かせて、走ろうとする自分の脚を停止する。
(ああ、愚かで我儘な子供ですね。腹立たしい事です。しかし、仕方ありませんね。では、上に)
と白い腕の女が言うと、俺の足が勝手に渓谷の上に向かって走り始めた。
それも後ろを向いたままで、飛ぶ様に駆けてゆく。
「がはっ!ごほっ!」
肺に溜まった血を吐き出して、大きく呼吸をする。
ネルガルの横をかわし、坂を登る敵兵の間をすり抜けてゆく。
白いナメクジ女を背中から生やして剣を振り回しながら、後ろ向きの不自然で奇妙な格好で坂をかけてゆく俺の姿を、敵兵も驚いた顔で見つめていた。
(何?このシュールな光景?)
自分が化け物以外の何者でもないと実感させられて、さすがに気分が落ち込んだ。
枯れ川の渓谷を進むと、左右の断崖が段々低くなってくる。
頂上の高台が近付いてきていた。
道が細くなり、まばらだった敵兵が前に密集していて、こちらも先に進めなくなる。
俺の体はこの時になって初めてちゃんと前に向き直り、横の低くなった岩壁の上のエッジ部分に飛びつき、その上を走って敵兵を追い抜いてゆく。
俺の背で、白いナメクジ女が『ほーほほほほほほ!』と体をくねらせながら高笑いをして、辺りの注目を集めていた。
「目立つから、やめて下さいよ!」
と文句を言った。
「久ぶりに現世に現れる事が出来たのです。不完全とは言え、やはり俗世に顕現するのは気分がいいものですね」
と俺のクレームに配慮してくれる様子はかけらも無い。
「ところで、ひ孫って何ですか?説明してくれますか?」
「言葉通りです。その体は我がひ孫の物です。そして、私はあなたの曾祖母です。私の肖像画を屋敷の屋根裏で見たでしょう?」
「あれですか。あのガルゼイ似の地味な顔の人ですか?」
「地味ではありません。あれは本当の顔では無いのですよ。失礼な」
「知りませんよ。で、あなたは私の魂が、あなたのひ孫とは別人と知っているのですか?」
「知っています。ですが、完全に別人とも言えませんね。いろいろ混ざってしまって、この世界に来た時のあなたは、もう原型をとどめていませんから。今、あなたも自分が誰だか分かっていないのでしょう?」
「それは……。オリジナルの自分は確かに残っているんですけど、性格はかなり変わっています。本来の私は人と口も利けない恥ずかしがり屋のヘタレなんです。今はガルゼイやエルや、他の二人の憑依した人間の性格も混ざっていてぐちゃぐちゃですよ。本当に私は誰なんでしょうか?」
「無意味な問い。ああ、下らない」
自称曾祖母のナメクジ女は、急に俺に興味を無くして冷たく言い捨てる。
「ひ孫に何かアドバイスを下さいよ」
「………」
それきりナメクジ女は返事をしなくなった。
(気まぐれな奴だなー)
と頭の中で思っていると、
「愚か者とは話をしたくないのです」
と唐突に返事をしてきた。
「うえ!心の声が聞こえてるの?」
「………」
また返事をしない。
(ばーか、ばーか)
と心で悪口をいて見る。
剣を持った白い腕がビューンと伸びて、俺の顔の真ん中にパンチを食らわせる。
「ぶがっ!痛ってー……」
「………」
どうやら、これ以上は刺激しない方が良さそうだ。
先の方から激しく打ち鳴らされる剣戟の音が聞こえてきた。
(もうすぐだ)
ドン詰まりの狭くなった高台への上り口に詰まった敵兵が、上の森人達と剣を交えていた。
敵は数人ずつしか上に上がれない。狭い登り口から高台に上がった敵兵は、同時に大勢の森人に取り囲まれて次々に滅多斬りにされている。
その頭上を飛び越えて高台の上に着地する。
辺りの森人達がとっさにこちらに剣を向けるが、俺の姿を見て剣を引く。
そして俺の背中に居る白いナメクジ女を見て、ぎょっとしたようにフリーズする。
到着した高台は、多少の凹凸はあるものの、本当に平たい岩の大地が広がっていた。
そのあちこちに背の低い木々や灌木がまばらに茂っている。
天気がいいのになぜかかすかな霧がたなびいていて、岩の台地の奥の方に何があるのかは、ぼんやりと霞んでいて良く見えなかった。
「無事だったのね、あんた!……って、うわっ!それ何?気持ち悪い!」
俺に駆け寄った英子が、ナメクジ女を見て後退る。
「あっ!また何か違うのが出ましたね!」
とセシルが拳にジンを集めて俺に殴りかかって来る。
「待て、セシル!早まるな!」
白いナメクジ女はセシルのジンパンチを軽くよけて、白い左腕をセシルの体に巻き付けて軽々と抱え上げ、反対の右手で彼女のお尻を『パーン!』と強烈にひっぱたいた。
「痛ーい!」
とセシルが声を上げる。
(痛い!?セシルは全身をジンで防御しているから、叩かれても痛みは感じないはずだぞ?)
よく見るとナメクジ女の平手の周りに、白い光のクリオネたちが集まっている。
(ジンでジンを相殺したのか?)
黒衣の老人はジンを吸収することは出来るが、ジンを使った攻撃は出来なかった。
この白いナメクジ女はセシルと同じようなジン攻撃ができるみたいだ。
と言うより、あの白い手……。あの白い手も白い体も、全部、ジンで出来ているのかもしれない。だとしたら、あの密度で実体化できるほどのジンと言うのはどれほどの『濃い』ジンなのだろうか。下手したら、セシルの使うジンより何倍も強いものなのかもしれない。
「いきなり殴りかかってくるとは、無作法な子供ですね。お仕置きです」
とさらに何度もセシルのお尻をっひぱたく。
「いたーい!いたーい!」
と喚くセシル。
「反省しましたか?」
「しました!」
「謝罪の言葉は?」
「ごめんなさーい!」
「………まあ、いいでしょう」
ナメクジ女の白い手がセシルを下に降ろす。
岩の地面にへたり込むセシル。
「うえーん、ぐすぐす……」
と半泣きだ。
それを見て、ついにやけてしまった。
「ぷぷぷ。セシル。叩かれると痛いって分かった?」
とドヤ顔の上から目線でニマニマしながら声をかける。
「うー……、酷いー……」
その俺を恨めしそうな涙目で下から見上げるセシル。
「それ何なのよ?新しい呪い?」
気味悪そうに言う英子。
「知らん。でもこれのおかげで命い拾いした。俺の命の恩人?ではある」
「そうなの?よく分からないけど味方なのね?」
「この俺の体にとっては味方だ。だが、多分、他の人達の味方では無い」
「えー何それ?」
「さっき見たように、これには自我がある。自分の意思で行動を決めるから、俺が何か頼んでも助けてくれるかは分からない」
「ふーん……」
と英子は俺の背中でゆらゆらと揺れる白いナメクジ女を見上げて、じろじろと観察していた。
「魔力は感じない。その代わり、濃密なジンの気配を感じるわ。ひょっとして、これ、精霊じゃないの?」
「精霊⁉この不気味なナメクジ女が⁉」
と言うと同時に、白い拳骨が俺のみぞおちに叩き込まれる。
「げっふー!」
俺はその場で地面に両膝を着いた。
「曾祖母に敬意を払いなさい。愚かな子ですね」
「はい……」
なかなかに厳しい、ひい婆ちゃんだ。
「曾祖母?あんたの先祖なの?」
「そうらしいが、よく分からん。それより、アスルはどうした?目は覚めたのか?」
「それなんだけど、呪いは解呪したのに、まだ目が覚めない。原因が分からないの」
俺は奥に横たえられているアスルを見る。
アスルの体がぼやけて見える。
よく見ると、体の少し上に魂がずれて浮かんでいる。
「あ、駄目だ。死にかけている。あのズレを治さないとアスルは戻って来ないぞ」
「ズレ?何を言っているの?」
「おい、アスルに呼びかけろ。こういう時は声をかけてやると戻ってくるんだ。あと、この世への未練を呼び覚ますんだ。口にぶちゅーとキスでもしてやれ」
「は?嫌よ!そんなの!」
「いいだろ?減るもんじゃないし」
「あんたも所詮ただの男ね!」
「そうだよ。それがどうした?うだうだ言ってる暇は無いぞ。このままだと、アスルが死んじまうぞ」
俺と英子が言い合いをしていると、白いナメクジ女がアスルの方に手を伸ばす。
そして、少し浮かび上がって体からずれてしまったアスルの魂を手のひらで上からゆっくりと押していく。
白い手に押されてアスルの魂が少しずつ下がって、体とピッタリと重なった。
「うっ!」
不意にアスルが声を上げた。
「俺は……、負けたのか?」
寝ぼけまなこのアスルが手で頭を押さえて、体を起こす。
「兄さん!」
セシルが兄に駆け寄り横で膝を着く。
「セシルが助けてくれたのか?あの敵はどうした?」
「兄さんは勝ったのよ。でも相手の魔物の最後の呪いにやられて、そのまま目が覚めなかったの。良かった、兄さんが起きてくれて」
「そうか……。そう言えばあいつの首を引っこ抜いたのを覚えている。その後叫ばれてよく分からなくなった……」
「アスル、目が覚めて良かったわ」
英子も彼のそばで膝を着く。
「ん?英子さん、口づけをしてくれるのか?なんかそんな話をしていなかったか?いいぞ。頼む。今すぐしてくれ」
とアスルが唇を英子の方に突き出す。
「聞いてたの?でも、駄目よ。調子に乗らないでね」
と英子は彼のおでこに軽くデコピンをした。
「ははは……、冗談だよ……」
と悲しそうに笑うアスル。
だが肩を落とすアスルのほっぺたに英子が軽く『ちゅっ』とキスをした。
「おっ⁉」
と不意打ちのキスにアスルが固まる。
「はい、これでおしまい。さっさと立って森人達を助けてあげて」
顔を少し赤らめて立ち上がる英子。
「よし!元気が出た!サンキュー英子さん!」
最近覚えた『サンキュー』を使い、満面の笑顔で続いて立ち上がるアスル。
足元がふらついてよろけるのを、とっさに英子が支えてやる。
目が合って二人は少し見つめ合うが、英子が先に目を逸らして手を放す。
(英子も罪な女だな。本命カディスさん、補欠でアスルってところか。イケメンネルガルにも言い寄られていたな。うーむ。このがさつ女がなんでこんなにモテるんだろうか?確かに顔だけは美人だが……。謎だ……。他人の好みは分からない物だな)
英子にヒューリンさんとの類似性を感じている俺は、この女との恋愛など、考えただけで背筋が寒くなる。
仮にこの女と夫婦になった場面を想像してみる。毎日、文句と説教の嵐をくらって疲弊してゆく自分の姿しか思い浮かばない。
(とにかく、俺はこの手の女はアンタッチャブルだな。えんがちょって奴だ。俺の背中には自由の翼が生えているのだよ。変な高飛車女に捕まって、奴隷生活をするのはまっぴらごめんだね。セシルは、まあ、多分俺に優しくしてくれると思う。そうだよな?んー、大丈夫?だよな?結婚したとたんDV女にならないだろうな。というか、今すでによく殴られているのはDVにならないのだろうか?セシルは呪いを押さえる為にやってくれているのだろうが。何か釈然としない……)
考えているとだんだん不安になって来た。
これってマリッジブルーって奴なのだろうか。
男にマリッジブルーがあるのかどうかがまずよく分からない。
とにかく今更逃げるわけにはいかないから、セシルが今と変わらず?優しい?女性で居てくれることに期待したい。
ふと自分の背後に目をやる。
白ナメクジ女の横から黒衣の老人が顔を覗かせて上に伸びて来る。
その頬に自称曾祖母がそっと白い手をあてると、
うおーん!
と黒衣の老人が嬉しそうに声を上げる。
(ああ、そう言えば俺の背中に生えているのは、不気味な白ナメクジ女と不吉な黒衣の老人だけか。自由の翼じゃなかったなー)
黒髪の白ナメクジ女が高台の奥の霧の向うに顔を向ける。
しばらくそのまま静止してから、ゆっりと首を巡らせ、白い顔を俺に向ける。
「この場所から、なるべく早く離れなさい。さもなくば、ここに居る全員死にます」
と静かな声で彼女は断言した。
「それはどういう……」
「不完全な体で、ジンを使い過ぎました。しばらく私は寝ます……」
と言って白い女はそのまま俺の背中に戻って行った。
不吉な言葉だけを残して、何の説明もしないで消えた。
(全員死ぬ?まさか、ソエリ族の伝説は本当なのか?しかし、逃げろと言っても、どこに……)
「ガイ坊!敵が引いた!」
ミルさんの声で俺は渓谷の始まる窪地のへりに立つ。
今まで攻めて来ていた敵が谷の後方に下がって円盾を構えて待機している。
その先頭にネルガルが立っていた。
手にした陶器の小瓶から薬を飲んでいる。
飲み終わった器を横に捨てて、立て続けに三本の薬を飲み干した。
口を拭って、こちらを睨み、火の魔剣を構える。
「うおー!」
魔剣を持つネルガルの全身が発光してまばゆく輝く。
奴の魔剣の周りに炎が広がり、それがネルガルの全身を包み込む。
その灼熱の巨大火球がカタパルトで発射されたように、凄い速度でこちらに迫って来る。
「危ない!みんな、下がれ!」
黒衣の老人の手を広げてその場から飛び下がる。
(あれを全て無効化するのは無理だ!)
森人達に警告したが少し遅かった。
ネルガルを包んだ火球は高台の上り口の岩場に激突して大爆発した。
火球の当たった周囲の岩が砕けて吹っ飛ぶ。
一部の魔法は黒衣の老人の黒い手が消したが、相手の魔力が大きすぎて大部分は防ぎきれなかった。
近辺を守って居た森人達が、炎に体を焼かれて倒れる。
爆発の中から白く輝くネルガルが高台の上に飛び出して来た。
その後から敵の軽装歩兵がぞくぞくと高台に登って来る。
「突破された!」
炎に焼かれた森人達に英子がヒールを飛ばす。
しかし、傷ついた森人が回復する前に、敵兵がそこに襲い掛かり首を斬る。
あっという間に森人の数人が殺された。
「セシル、全員にバフを!」
「はい!」
光の帯をたなびかせながら、セシルのバフが味方全員の森人に飛んでいく。
皆の体に力がみなぎり、体が一回り大きくなったかのように見えた。
俺の体も新たなバフでパワーアップした。
殺到してくる敵と森人達が斬り合いになる。
仲間全員にバフを飛ばして、体がふらつくセシル。
あのバフはジンだけじゃ無くて光魔法も大量に使うので、魔力回廊の疲労が大きい。
「セシルと英子は後方で待機!魔法を温存して魔力回廊を回復させるんだ!ミルさん、ハランさんは二人を守って下さい!頼みます!」
「ああ!」
「任せろ!」
ミルさんとハランさんが英子とセシルを庇いながら後ろに下がってゆく。
「アスル!ネルガルの相手を頼めるか!?」
「いいぞ!」
魔鋼の細剣を抜くアスル。
アスルの体が発光して、ネルガルに突進する。
迎え撃つネルガルも体を発光させる。
全身を発光させたアスルとネルガルが剣を合わせて、辺りに稲妻の様な光が飛び散る。
高台の有利な地形での迎撃でかなり敵の数を減らしたみたいだが、それでも敵はまだこっちの二倍以上居る。
アスルにネルガルを押さえてもらって、俺は敵の軽装歩兵を斬って斬って斬りまくるしかない。
「行くぞー!」
自分に気合を入れて声を出す。
目を血走らせた敵兵が迫って来る。
うおーん!
手足を黒衣の老人と同化する。
「じゃっ!」
敵兵の頭上に跳び上がって、二人の敵の頭を、半兜ごと唐竹割にする。
着地と同時にまた跳び上がって、別の二人の頭を割る。
跳び上がった俺の腹に何かが刺さる。
敵兵の投擲した単槍だ。槍を腹に刺したまま、着地して正面の敵の足を刈る。
後ろからのしかかって来る敵に俺の背中から突き出した槍先を向ける。
腹から突き出した槍の柄を斜めに地面にあてると、敵は自分の勢いで勝手に背中の槍に串刺しになる。
その敵を後ろ蹴りで蹴り飛ばす。敵に刺さった槍が俺の背中の方に抜けて行く。
「てめえらー!かかってきやがれー!」
大声を出して、辺りの敵兵のヘイトを自分に集める。
ソエリ族聖地での戦いは血みどろの乱戦に突入していた。




