プライド・サリー・マレリック
校舎裏にて
『アルテさん、急いで騎士団にこれを見せて協力を仰いでほしい』
エフィドがアルテに昨日回収した証拠を渡す。
『これは……だが今の騎士団は腐敗だらけだ、これを見せても対応するどころか隠蔽しにくるだろう』
『そんな……』
『急ぐ理由でもあるのか?』
『それがフーラさんが今日の6時に儀式があるから今日中にクーデターを起こすんじゃないかって言っていて』
『……そうか、ならも私達で倒せば騎士団も動かざるを得ない。それどころかグルのやつも一網打尽に出来るやもしれん 。エフィド、君にはあの『三武聖』雷帝プライド・サリー・マレリックに私達だけで挑む覚悟はあるか? 』
『そんなのフーラの話を聞いた時点で出来てるよ』
『良い目と覚悟だ、私も協力しよう』
(彼は強い、勝てればクルトから貰った証拠をあわせると騎士団の腐敗も一掃出来る!それにエフィドの目、素晴らしい正義感だ。私個人としても彼に協力したい)
『ありがとう! 』
それを校舎裏に設置していた盗聴機で聞いていた俺は神様から言われていた事を思い出す。
(……アザゼスが『この世界はグラトに対抗出来るように経験値量は多いが、その代わり難易度カンストのベリーハードコアにしてるから気を付けて』と言っていた、最悪負けても死なないようについて行くか)
ーーー
マレリック家の地下室には巨大な大魔結晶とと大きな魔法陣、そして魔法陣の中心にはプライドがいた。
「フーラよ、準備は出来たか」
「はいお父様…ですが何をするのですか?」
フーラは知らないフリをして問いを投げかける。
「大した事ではない、さあそこの水晶に手を触れよ」
「はい、分かりました」
(やっとだ、やっと儂が世界の頂点に立つ時が来た)
奴が心の中でほくそ笑みながら水晶を励起させたがその時
ゴオォォォ
暴風が当たりを切り刻みその風がプライドに直撃した。
「ぐおぉおおーー!! 」
「お父様の考えている事は知っていますわ!ここでお父様、貴方を倒します」
(あの人は『三武聖』に数えられる化物、殺す気でいくわ!! )
追撃の風の刃がプライドを切断しにかかったが、突然プライドが射線から掻き消え気づいた時にはもう既にフーラの横についていた。
「なっ!! 」
そして稲妻のような横蹴りがフーラに突き刺さりフーラが綿のように吹き飛ぶ。
「凄いぞ我が娘よ、気を取られてたとはいえこの儂に不意打ちを成功させるとはな。だがな、相手がこの上なく悪すぎだ」
ギリギリで風のクッションを入れていたフーラだったが内臓が潰れたかのような錯覚を味わっていた。
(ただの蹴り1つとっても次元が違い過ぎる……)
「お前は聡い子だ、今ので彼我の差がわかった事だろう。大人しく諦めよ」
「……それは無理な相談ですわ」
彼女が風を巻き起こし辺りを斬り刻む。そして電球が全て弾け辺りが暗闇に沈む。
(ふむ、儂を暗闇に落とし実力差を埋めようとしているのか。だが儂を誰だと思っている)
(来た、フーラさんの合図!)
プライドは一般魔法〈映像〉を発動、その映像を魔力信号に変換してそれを解析し電気信号に変えて脳にそれを直接流す。それにより僅か1秒で暗闇から復帰したが、その時にはフィジカルお化けが接近している。
「貰った」
彼が無音の鋒を振り下ろすが
「悪くないが、相手が悪い」
一般魔法〈障壁〉を展開しそれを防ぐ。
「なっ! 」
(なんで分かった!?)
しかも
バチバチ
青白い雷光が剣を伝ってエフィドに絡みつく。
「ぐぅ~ッ」
エフィドがら苦痛の声が漏れる。
(一般魔法に固有魔法を付与してるのか!? )
「……お前はあのクソ女に学生で一太刀入れたと持て囃されてた奴か、名前は何だったか?……まあいい」
「ごめん、仕留めれなかった」
「いいですわ、ただの奇襲で死ぬような人ではないですわ」
(一応、私との相性はいいですのに……それでは埋まらない実力差がある)
すると空間に一筋の稲妻が走った、それを見たエフィドの第六感が警笛を鳴らす
(当たったらなんかヤバい!!)
彼がフーラを手で押しながらその反動で自分も横に飛ぶ、するとその間を稲妻な通り抜け壁に激突すると壁が弾け飛び黒焦げになる。
(嘘……)
(やっぱり、何かヤバいと思った……)
「ほう、どうやら少し貴様の事を見くびっていたようだな。ここからは本気でいこう」




