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腐敗

コンコン


「どうした、セバス」


「旦那様がお呼びです」


時計を見ると8時、もう夜だ


(いつもならセバスが依頼の書類を渡すのに態々お父様が……、成程あのフラグか)


ーーー


コンコン


「クルト様をお連れしました」


「入るといい」


そして書斎に入るとお父様がかなり真剣な表情をして座っている。


「クルトこんな時間に済まないな」


「問題ないですよ《《当主》》、今回はかなり重要な依頼のご様子ですが」


「今回の依頼は『長年に渡る騎士団の腐敗を適切に処理しろ』との事だ」


「適切に処理ですか……かなりの難題ですね」


(あそこの団長・人事部長は裏社会では『紫リンゴ(ヴェノム・アップル)』と呼ばれているが、表社会や一部を除いた騎士団員の中では人格者と通っていて証拠も無しにいきなり殺せば民や騎士団の混乱を招きそれに乗じた犯罪組織が蠢き出す。そうなると証拠を揃えないとダメなのだが奴らは隠蔽能力も高く尻尾を出さない。影の名代《みょうだい》を使おうにも成立には【1.決定打ではないが嫌疑は掛けれる証拠】【2.王国喫緊の問題である事】【3.近衛騎士長の賛同】が挙げられるが、2と3はいいが1を達成しておらず使用できない。マジで面倒、だが俺には原作知識がありもうこの問題に対する解決策は用意している)


「ダクラス家の次期頭首としてこの問題を解決してみせろ、大いに期待している。期限は3ヶ月以内でとのご依頼だ」


「承りました、でしたら1つお願いしたい事があります」


「珍しいなクルトがそう言うのは、言ってみるといい 」


「私は騎士団の腐敗を取り除くのに役立ち今後の腐敗を起こさない正義感溢れる人物を知っております。ですのでその人物に証拠を渡して内部改革という形で動かしたいのです。そうする事で我が家との繋がりも生まれます、どうでしょうか」


「……人物によるな、その者の情報はあるか」


(あの一瞬でクルトには失墜させる計画は頭の中でもう出来ているのか……末恐ろしいな)


「『若き剣豪アルテ・アルカード』私のクラスメイトにして序列4位、現在副団長を勤めており次期剣聖と名高い人物です」


そして彼女についての情報を頭首に渡す。それに目を通しながら当主がこう言った。


「……入学式に一目見たが、正義の職に着くのに相応しい目をしていた。フローラもえらく気に入っていたよ、「彼女の垢を煎じて腐敗した者ども(魑魅魍魎)に飲ませたい」と言うくらいに……いいだろう、その代わり必ず口止めをしておけ」


「はい、では 失礼します」


ーーー


俺は山の中を歩き犯罪組織〈獄門《ヘル》〉の人身売買部門のアジトに来た。


(この前パウロを殺した時、奴が所持していた魔導端末をハッキングして調べたところ何度か〈獄門〉の人間が捕まっているのだが全員証拠不十分で釈放されていた。多分騎士団と癒着している)


そして正面に来ると護衛がいきなり銃をぶっ放してきた。


「ガキだろうと関係ねえ、撃ち殺せ!!」


バババババババババババ


機関銃のマズルフラッシュが夜闇を照らし銃弾の雨が俺に降り注ぐ。


(熱烈な歓迎だな)


急いで俺は木の影に隠れるが持って10秒くらいか。


(なら煙に撒こう)


煙玉を地面に叩きつけると一瞬で辺りが白煙の世界に変わる。


「どこだ!見えねえ!!」


「焦るな、周りを撃ちまくれ!!」


その時俺は自分と反対の方向に炸裂弾を投げる。


「「ぐぎゃーーぁあ!!」」


何人か巻き添えにして殺し残りの護衛の意識がそちらに向いた瞬間、俺は木の上から身を投げ出し銃を撃ちまくる。


バン バン バン バン


それが数人の脳天を貫きそれと同時に着地、残る人間は2人。


シューー


「う、嘘だろ こんなガキにッ!!」


「お、おいあの顔 ま、まさかダクラス家のク、クルトじゃあ」


「御名答」


チリチリ……


「な、なんだこの音?」


バゴーーーン


「「ぐぎゃーーあぁあえええ」」

 

残りの護衛も炸裂弾に巻き込まれ爆死、足元には護衛の死体が転がり全滅したことを確認し中に入る。


「た、助け ガベッ!」


「ひっ!こ、ここ降参する!!だからガピャッ!!」


淡々と全員の頭に引き金を引き鉛玉をぶち込んでいく。捜索していくと、一際異質なオーラを放つ部屋があった。


「邪魔するぞ」


ババン


扉を開くといきなり乾いた銃弾2発、それは正確に脳と心臓に飛来する命を刈り取る弾道。


「よっと」


避けながら中に入ると2丁拳銃を構えたカウボーイハットを被ったガンマンがいた。


「あんた2丁拳銃のガルマ・ガターンだな」


「よく知ってるな、流石はダクラス家だ」


そう言いながら2丁拳銃が火を吹く。その早撃は2発の銃声で4発放つ異常な速度と精度を誇るが、俺はそれを躱しながら距離を詰めていく。


(くそっ!なんで当たらねえんだよ!!)


(目線、殺気、銃口の向きに風の流れ全て丸わかりなんだよ。それにこの世界だとクルトの動体視力のスペックのおかげで銃弾が見える。こんなんに当たってたら恥ずかし過ぎて家帰れないわ)


だが奴の顔がニヤリと歪む。奴の片方の銃が視界から消え、突然銃口が後頭部に押し付けられた硬い感触がする。そして引き金が引かれた。


バン!


「これは俺様の固有『接続《コネクト》』、今までこれを躱せた奴は居ねえ。勝負あったな」


だが奴の殺気を見てタイミングを読み、俺は身体を高速でひねって銃弾を外ずした。そして俺は奴との距離を一気に侵略する。


「なっ!!」


「1つ勝負をしないか」


ナイフを奴の腹に突き立てようとしたところで俺は止め勝負を持ちかける。


「な、何だ!?」


「俺と早撃勝負といこう、少し離れこのコインが地面に落ちたらでどうだ?勿論俺は回避しない」


「……何言ってんだお前」


「流石にこうもボコボコだと味気ない、もう少し楽しむ為のハンデだ。ありがたく思え、貴様の寿命がほんの僅か伸びたのだから」


そう言うと奴は顔を真っ赤にし青筋を浮かべながらこう言った。


「……お前みたいな舐めたガキは初めてだぜ、いいだろう絶対に殺してやる」


自身のプライドをへし折られた奴は誘いにのった。


「そう来なくちゃな」


そしてお互いが距離を取り俺がコインを指に乗せる。


「合図で弾く、3・2・1 」


ピン


コインが宙を舞い落下しそうなところで


「阿保が!!」


奴が撃鉄を引こうとするが


バン!


「??……ぐぎゃやあああああ!!」


肩を銃弾が貫き血が溢れ醜く叫び上げるガルマの姿が。


「ぷっ、あはは、あはははは!!」


俺はその姿を見て悪魔のように笑い腹の底から声を上げた。


「うぁあーー!!」


奴は痛みや自分のプライドをへし折られた恥辱と怒りの綯い交ぜになった顔で俺を睨む。


「下っ手だなお前!!あはははっは!!俺よりフライングして早く撃ったのに負けるとか!!あっはははは!!」


そして一頻り《ひとしきり》腹を抱えて笑った後奴の頭に銃口を押し当て


「じゃあな、下手くそ」


バン


奴の脳天にも穴が空き死んだ事を確認してから部屋を漁る。すると例の物を見つけた


「あったあったこれだ、……やはり金と奴隷を払って見逃してた訳だ。余りに品性下劣、畜生にも劣る。ん?何だこれ……これは顧客リストか、色んな貴族の名前があるな……、四大公爵家のマンモン家も御用達なのか」


(マンモン家は貴族派きっての大金持ち、こいつを抑えればクーデターが万が一起こっても被害は少なくなる。まさかここで証拠を掴めるとはラッキーだな。コイツの犯罪の証拠は人身売買組織の中からランダムで選ばれる、確か5分の1だったよな。明日脅迫に行くか)


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