第25話 複数の新聞社からインタビューの申し込みがありました
勝手に送り付けた書類を、国王陛下以外の皆様がどう活用しようとそれはご自由に……。
新聞社の皆様は、新聞記事に掲載も可能ですよと書いておいたしねー。
面白がって記事にしてくれてもいいし、見ないふりをしてくれてもおっけー。
好きに使ってね♡
わたしは情報を公開しているだけですもの。
ふふふ……。冤罪を防ぐためには正しい情報公開が必要よねえ……。なーんて。
とかほざいていたら、複数の新聞社からインタビューの申し込みがありました。
インタビューというか、直接わたしやお父様から話を聞きたいが、それは可能かというお申込みね。
もちろんオッケー☆
ナイジェル様にペガサスを出してもらって、新聞社の方をお迎えすれば、即座にインタビュー可能なんだけど。
悪いんだけど、わざわざラインシュ領に来てもらうことにした。
直接ラインシュ領に来てもらえれば、いくらでもお話いたしますよーって。
まあ、つまり、これは、わたしが王都に居ないという証明にもなるからね。
何月何日何時に、わたしは新聞社からのインタビューを受けた。受けた場所は王都ではなく、我がラインシュ領。
仮に王太子が、テキトウな冤罪を……よくあるヒロインの私物を隠したとか何とか云ったところで、王都に居ないわたしがそんなことできるわけないじゃんって言える。
ペガサスで、王都に来て、わざわざ意地悪をするのなら可能?
あのねー、あのムキムキペガサスが飛んでいる場面を見たら、すんごい話題になるでしょう。だから、無理ですよー、わたし、秋から冬、新年そして、卒業パーティの前日まで、領地に籠っていたもーん。
目立たないように、夜に飛行して、朝学院に行き、昼にヒロインに意地悪をする?
ねえ、何で、たかがヒロインちゃんのためにわたくしの貴重な時間をそこまでして使わないといけないの? 侯爵令嬢って、暇じゃないのよ?
ま、いくらでも反論はできますね!
お父様は「さっさと婚約破棄の書類だけでも整えさせんかい!」的な内容のことを、貴族っぽくオブラートにくるんで、国王陛下にチクチクと申し上げていますし?
ついでにお渡しした分厚い申請書は、各所にも渡したから、捨てても無駄だぞ、みたいなことも優雅な表現に変えて申し上げたそうです。
さすがお父様……!
せっかく王姉殿下がご滞在くださっているのでという理由で、寄り子の家とか近隣でおつきあいのある貴族には小規模なお茶会なんかもお母様とお義姉様がお開きになりました……。
その時の話題の一つとして、「トリクシーと王太子殿下の婚約を破棄したいと秋に申し出たのに、陛下から返答は卒業パーティまで待てと言われましたのよ、困りましたわね、さっさと破棄してトリクシーには新しい縁談をと思っていますのにー……」とか、「近頃、王太子殿下は演劇やら小説やらに感化されたみたいなのですわ。身分ある令息が平民娘と恋に落ち、婚約者との婚約を公衆の面前で大々的に破棄宣言などというものに、非常にかんめいをうけているようなのですってー……」とか。
まあ、いろいろと、ここだけの話みたいにねー、話されるんですよ。
あっはっは。貴族の奥様方の噂話やココだけの話なんて、あっという間に広まりますわね。
さー、こちらには隠すものなんてないからなー。
どんどん公開!
新聞社からのインタビューにも一貫して答えますよ!
王太子と婚約を結んでから、交流を行おうとしたけれど、約束の時間に王太子は全然来ない。
来ない理由は、お気に入りの娘と遊んでいるから!
婚約者との交流は公務の一環だと思い、侯爵令嬢であるわたくしは、王太子殿下が来るのをひたすら待っていた。時には昼から日没まで、ずっと王城で待ち続け……その様子は城の侍女や護衛の騎士たちも長年見てきているから確認できますわよ。
卒業パーティで婚約破棄をするとは王太子が言っているけど、秋に破棄を申し出て、半年も待たされる理由って何なのかしらねーとか。
さくさくさくさく、情報公開!
王太子殿下っておかしいんじゃなーい? という疑問も、あから様だったり、さりげなくだったり、話に盛り込んで。
新聞社の皆様、どうぞ記事にしてね!
せっかくですから侍女さんとか騎士さんとかのインタビューも面白いかもしれませんわ。
あ、王太子殿下のお気に入りの娘は……ええと、わたくしは直接話したことはないので、名前も存じ上げておりませんが、学院のどなたかに聞けば、すぐに分かるかも……。
なーんて、話を広げてみたり……。
新年が過ぎ、特に大きな行事もないこの時期。
コレと言って大きなネタもなかったのでしょう。
卒業の時期になるまで、延々と、王太子とわたくしの婚約破棄ネタで、紙面はたいそう盛り上がったとのことでございます……ふはははは!




