↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Uranus 第六特命巡視捜査隊  作者: サロ
第2章白きシロモノ
PR
18/28

Red-pen corrections/幕間

※本編幕間の短編です。

※時系列、第16話後。

「……四課に報告書を突き返されたのは、なんなんですか。アレ」



――深夜のファミレス。



(愚痴るんか、苺パフェ食べるんか……どっちかにしてくれん? 沙与)


その報告書を昼に秒で突き返されたんは俺やし。


まぁ……そんな野暮、明かす気ないけど。


ブラックコーヒーを一口飲む。


沙与にしてみれば、懸命に仕上げたもんやし、そら愚痴りたいわな……今回で二度目の提出やもん。


(あの記載量を秒で即却下は、そら凹む。

けどまぁ……)


四課係長の白井らしいのは否めない。



ソーサーへ置いたカップが、カチャと鳴った。


「もっとコンパクトにまとめな。沙与は、ありのままに書きすぎるんよ。もっと簡潔でええ」


「……あれでも削りました」


(その削り方が甘いんよ)


言葉で言うより、書くか。


ショルダーバッグから三色ボールペンを取り出し、紙ナフキンを広げる。


「ええか?」


そう言って、ペンを走らせた。


まずは、あの報告書の一文を書き出す。


「沙与、こう書いたやろ?」


「はい」


ボールペンを赤へ切り替え、そのまま修正版を書いていく。


時々解説を挟みつつ、彼女の反応を見る。


……沙与本人が納得してくれなきゃ、意味ないからな。


「短……」


「けど、こんくらい削って書け。状態じゃなくて、状況を書くんや」


一拍。


もう一枚、紙ナフキンを取って続きを書く。


そして――


「鑑識や一課へ出す見聞調書なら、沙与の書き方でええ。でも四課への報告書は、事実だけ書くの。ほい」


出来上がった二枚を並べて見せる。


向こう席の紫の瞳が、考えるように瞬きした。


「確かに……こうして見ると私、余分に書いてますね」


「うん。分かった?」


背もたれへ軽く沈む。


「沙与って、“見えた順”に書く癖あるねん。せやから情報量は多い。

でも四課は、“結論へ必要な順”しかいらん」


そう言い切って、ボールペンをしまう。



その傍ら。


懸命に咀嚼しようとする独り言が、小さく聞こえてきた。


……こういうとこが、この子の新卒時代からのええところや。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。