乙女のカス
『ドサッ……ドッン』「カハァッッッッッッ、容赦なさ…カヒュー…すぎ。」
「いいじゃない倒せたんだし。さっさと直して脳筋探しにいくわよ。」
全くと言っていいほど悪気のない言動に頭を抱えているとあり得ない提案が出てきた。
「ん?アモル生きてたの?」耳を真っ赤に染め顔を背け「当たり前でしょ。きちんと緩衝材がわりに風で覆ったわよ。」
死んでいたと思っていたアモルの生存報告と普段冷たいがちゃんと大切にしてくれるスキーレの優しさで頬が緩む。
だが僕たちは喜びと恥ずかしさで警戒を怠っていた。
『ミシッ……ミシミシミシ……ミシ』化け物が穴だらけの体を起こし座っていた。
「ようやく!!あんたたちはいつも乙女を居ないものとする!…………フフフ……ここ現実世界だと思ってたの?あなたたちは一回私たちはえ・い・え・ん♪」ゆっくりと立ち上がり貫通している無数の穴がボコ、ボッコと音を立てて肉が盛り上がっていく。
対してこちらは遠距離火力職と穴の空いた行動不能支援職のみ。
やばいやばいやばいやばい…………絶望的な状況に頭が思考を止める。
「早く治して!」わかっている……わかっているがイメージの構築が…………できない。
緊張で血の巡りが速くなっている。
腹に空いた穴からおそらく全体の約25%血が流れている。猶予は残り約5%。
逆流し鼻や口から出てくる血を入れるともっと少ない。視界が霞んでくる。
ああ……長すぎる夜だった。
『グチャァ』『グリッ』「ハハッ……幸せそうね〜…………………………むかつく」
痛ぶるように再構築中の体を蹴り、肉で塞ごうとすれば治ったところから抉ってくる。
声にならない悲鳴をあげながら向かってくる死神の手を握っていた。
青白くなっていく全身に対し頬は火照る。
ダメだ……ダメだダメだダメだダメだダメだダメだ……この空間で本当に命を落とすのかわからない以上私は逃げたほうがいい。 だけど……置いて行けない。
葛藤と残忍になれない戦いの才能の無さに涙が頬をつたい慌てて下を向く。
だがその一瞬暗闇の中から天使の梯子が見えた。
『ッス』「あっぶなかった。大丈夫?」
そこには化け物の首に剣を振ったアモルとレリーを持っている筋肉だるまローブルが立っていた。
「これどうする?燃やし続ける?」切り取った首を鷲掴みにしながら眉と目を八の字にする。
「ウグ…グス……うわああああああああああん」「あたしだってあたしだって受け入れてくれる仲間が欲しかったぁ。一人は嫌なのよおぉぉぉぉ!」
突然号泣する生首…………きっも
「大丈夫……世界が君を拒んでも一匹ぐらいどこにでもついていくよ……名前教えてくれない?」
「私…………プエッラ……かわいいって……言って」
「プエッラかわいいね」
空間ごと作画が変わるラブロマンスを展開したかと思うとアモルの言葉に涙を流しながら化け物は光となり消えていった。「ありがとう」っと言い残して。
「終わったね!水ちょうだい!………………あっそうだった!」綺麗に笑いなが水をもらい急いで手を洗うと、すぐそばで伸びているネズミのような化け物に剣を突き刺す。
「一匹送ってあげなきゃ。」




