裏切りのマーマレード
乗り物がレールから完全に離れると落ちる。落ちている。
風が勢いよく吹き抜けて体が位置を認識しきれなく逆らい内臓が気道を防ぐ。
死人のような顔で四肢が吹っ飛ぶぐらいで収まるよう祈る3人と笑顔の女。
葬式と結婚式が隣り合うように、ここには平等の幸せなんてものはなかった。
あれだけ攻撃的だった鉄骨のレールは避けるようにうねうねと動き遠くで玩具をもらった子供のように嬉しそうに軽快にカチカチとぶ つけながら笑っている。
とにかく不愉快で約5分の落下が15分以上に感じ、青筋を立てる僕と単純なる恐怖で握るこぶしから血が出ているやつ、意識を飛ばしているやつ、笑顔で茶を飲んでいるやつ………………「茶を飲んでるやつなぁんなんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「キャー、うがぉー、ヒキー、」猿山のような声で騒いているといつの間にか石の地面に到着していた。
きずかずに意識を取り戻しやがった犬が加わり3匹で騒いでいるのがとてつもなく不愉快すぎる。
怒りを込めてマイナス30度にまで冷やした冷水50㎏をそれぞれに頭の上から2発落とす。
「うわぁあああああ」「あがぁあぁぁぁぁぁ」「え?うわ!」三者三葉の反応を示し一人しょぼく面白くないためもう一発落としておく。
「さっさと移動するよ」まずいことに雑魚どもが集まりだしたため前方に火球を落とし進路を開く。
やばいやばいやばいやばい………………………「「「「助けてくださいぃぃぃぃぃ!」」」」
「あぶっない!」やたら雑魚が集まっているところから赤い帽子の平凡な一家が飛び出してくる。
助ける気なんか到底なかった。
だがそのうちの転んだ一人にあの日々の、世界一幸せそうに悲痛に嘆くあの顔の面影を感じてしまってからは遅かった。
「「「レリー!」」」僕は単独で飛び出していた。[レリーの名において腕力を上げよ!」
祝福によって威力が増した拳でただひたすら向かってくる奴らの頭部に打撃を入れ粉砕する。
『グチャ、グチャ、グシャ、グチョォ』
守らなければ。守れるのは僕しかいない。あの日手の平から零れていったあの方を。
『グチャ……』辺り一面頭部のない死体とあふれ出る血の海が僕の意識を独占する。
正義の虐殺に魅入られてしまっていた。
気づけば雑魚どもは全て肉塊と化していた。ただ……きづくことができなかった。
最後の一振りを守るはずの少女に向けていたことを。




