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第341話:あなたに相応しい殺戮者


動力炉ドライヴ……損傷……! ア、アズラエル……自機あたしは……あんたの味方……なのに……!」


「味方……? ぷっ、あははははははは!! なに寝言を言っているの、ミカエル? 忘機わたしには『味方』も『仲間』も要らないわ……!」


「つッ……この……イカレ天使がぁ……!!」



 ――――ミカエルの両腕を砕き、追い詰められた彼女が自爆上等の攻撃を繰り出そうとした間際に現れた【大天使アーク・エンジェル】アズラエル。


 “光輪エンジェル・ハイロゥ”から上半身だけを露わにした死を運ぶ天使は見覚えのある蒼白い剣でミカエルの胸を背後から刺し貫き、そのまま右手でミカエルの身体に纏わりついていた。



自機あたしをどうする気なの……? こんな無駄な事をしてあんたに……なんの得が……!?」


「くすくす……得? 得ならあるわよ? 忘機わたしはね、あなたから貰いに来たの……」


「貰う……何を……?」


「先ずは量産型の指揮権、後は【天使の輪(エンジェル・ハイロゥ)】と【断罪剣モンサンミッシェル】……そして、あなたの動力炉ドライヴよ!!」


「あっ……! お、お前ぇぇ……!!」



 アズラエルの目的はミカエルの持つ量産型たちの指揮権と彼女の持つ武装。それを欲する為にアズラエルはミカエルを襲った。


 そして、自分の『末路』を悟ったミカエルはアズラエルに怨念の籠もった声を上げながら、懸命に駆体ボディねじって抵抗をしようとしている。だが、俺との戦闘で両腕を破壊されたミカエルにはアズラエルの凶刃から逃れる事は出来ない。



「あ、自機あたしは【大天使アーク・エンジェル】のおさよ! 一番優秀な機械天使ティタノマキナなの!! こんな事をしてタダじゃ済まさないからねぇぇ……!!」


「くすくす、最後まで高慢ね、ミカエル? そんな態度だからラファエルもウリエルをあなたが嫌いだったのよ。忘機わたしに愚痴っていたわ……『リーダー気取りのミカエルが鬱陶しい、早く壊れないかな』ってね♡」


「ウリエルとラファエルが……? う、嘘よ、嘘よ嘘よ嘘よ! 二人は自機あたしの優秀な部下よ! 自機あたしは嫌われてない! 嘘をつかないでよぉぉ!!」


「でも安心♡ もう悩む必要は無いわ。だって……今からあなたは壊れちゃうんだから……!!」


「ぐっ―――あぁ!? 動力炉ドライヴ……喪失……保有権限……移譲……自機あたしが……壊され…………」


「さようなら、ミカエル。あなたの代わりに忘機わたしが至高の機械天使ティタノマキナになってあげるね♡ あなたから奪った機能でねぇ! うふふ……キャッハハハハハハハ!!」


「あっ……、――――」



 そのまま、アズラエルは蒼白い剣を握っていた左手をミカエルの駆体ボディにねじ込んで俺たちに見せびらかすように彼女の動力炉ドライヴを抜き取り、右手でバイザーごとミカエルの顔を握り潰して【大天使アーク・エンジェル】のおさを完全に破壊してしまった。


 そして、アズラエルに完膚なきまでに破壊されたミカエルは、虚ろな瞳で俺を見つめたまま地面に落下していった。その様子を俺たちはおろか、取り巻きの機械天使ティタノマキナたちもただ見つめているだけ。氷の大地に落下して『ゴミ』になったミカエルを憐れむ者は誰一人として居なかった。



「ふぅ……【天使の輪(エンジェル・ハイロゥ)】、接続完了。【断罪剣モンサンミッシェル】、同期完了。【天使エンジェル】、指揮系統確立。動力炉ドライヴ……は、後で駆体ボディに組み込みましょうか」


「ミカエルの機能を根こそぎ奪ったのか……!」


「そうよ、ラムダ♡ 全部あなたを殺すため! どうかしら、忘機わたし、あなたを殺すのに相応しい天使になれたかしら?」


「それだけの為に……仲間を……!!」



 ミカエルから奪った動力炉ドライヴを近くに寄って来た量産型に手渡して、アズラエルは下半身も“光輪エンジェル・ハイロゥ”から出して降臨する。黒い髪と朱い“一つ目(モノ・アイ)”を輝かせたバイザーをした機械天使ティタノマキナ


 その顔も、その声も、なんの因果か『彼女』に酷似している。そのせいだろうか、アズラエルが残虐非道な行為をする度に、俺の中で怒りがマグマのようにこみ上げてくる。



「あっは♡ いい表情かお、殺気に満ち満ちている。そんなにも忘機わたしを殺したいんだ、ラムダ? 忘機わたしもよ♡ これってもう“相思相愛”だよね?」


「その顔で喋るな、苛立つ……!」


「ふ~ん、この顔が『シータ=カミング』に似ているのが気になるんだ? やっぱり、じゃあ【快楽園メル・モル】で彼女がインストールされていた時に使えたスキルを()()()()のは間違ってなかったんだ! うふふ……」


「貴様ぁ……!!」



 アズラエルの目的は『ラムダ=エンシェントの殺害』だ。その目的を達成する為に彼女は何でも利用し、奪い取るつもりなのだろう。


 悪戯に笑いながら右手に蒼白い剣を出したり消したりするアズラエル。その剣は亡きシータ=カミングの固有ユニークスキルだ。彼女は以前、混入していたシータ=カミングの”魂“から得た固有ユニークスキルを再び使えるにしたのだろう。


 俺に嫌がらせをするためだけに。


 そして、アズラエルは俺の怒りの表情を見て恍惚の歓声を上げながら、ミカエルから奪った【天使の輪(エンジェル・ハイロゥ)】を展開し、量産型の機械天使ティタノマキナを俺の近くにいたツヴァイ姉さんやアケディアスへと差し向けてきた。



「さぁ、ラムダ、忘機わたしが殺してあげるね! そして、あなたをせいの苦しみから解放してあげる! 忘機わたしは『生きろ』なんて無責任な事を言うあなたの仲間とは違うわ! 殺して、永遠の安息を与えてあげる♡」


「苦しんででも生きたいと願ったのは俺の意志だ! 勝手に自殺志願者にするな……! 逝きたきゃ勝手に行っていろ、アズラエル!!」



 再び露わになる殺意。死を運ぶ天使と言われた残虐な機械天使ティタノマキナの復讐。


 それが今、再び始まろうとしていた。

キリの良いところで切ったら短かったです、ごめんなさい。

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