高齢者患者の心を癒す
病棟の午後は静かだが、結衣は茶髪を揺らしながら元気よく歩いていた。今日は高齢者病棟での勤務だ。派手な見た目とは裏腹に、結衣はしっかりと患者一人ひとりの様子を観察している。
「おはようございます♡今日もよろしくお願いしますね」
ベッドを回りながら、結衣は笑顔で挨拶する。患者の高齢者たちは、最初は派手なギャル姿に戸惑った表情を見せるが、結衣の明るさと礼儀正しさに徐々に心を開いていく。
まず訪れたのは、認知症を患う女性患者、久美子さん。朝食をなかなか口にできず、手を動かして戸惑っている。結衣はすかさず声をかける。
「久美子さん、今日はお姉さんと一緒に食べてみましょう♡ほら、ゆっくりで大丈夫ですよ」
結衣は手を添えながら、食事を少しずつ口に運ぶ手助けをする。久美子さんは最初ためらったが、結衣の明るい声に励まされ、少しずつ食事を進めることができた。
「結衣さん…ありがとう」
結衣はにっこり笑い、手を軽く握る。
「ふふ♡喜んでくれるとお姉さんも嬉しいよ♡」
その後も、結衣は高齢者患者の巡回に励む。歩行が不安な患者には手を添えて歩行訓練をサポートし、ベッド上で暇を持て余す患者には塗り絵や簡単なゲームを提案。派手なギャル姿とは想像できない、細やかな気配りで患者の心を和ませていく。
昼過ぎ、久美子さんが「昔の話を聞いてほしい」と言った。結衣はすぐに椅子に腰を下ろし、耳を傾ける。
「昔はね、庭で花を育てるのが楽しみだったのよ」
「へえ〜♡それってめっちゃステキ♡花の名前とか教えてくれる?」
結衣は笑顔で話を引き出し、患者も次第に饒舌になっていく。派手な見た目のギャルが、まるで孫のように接してくれる安心感が、久美子さんの心を溶かしたのだ。
その夜、ベッドを回る巡回中、結衣は「寂しい」とつぶやく患者の独り言を聞きつけた。そっと隣に座り、手を握って話しかける。
「大丈夫ですよ♡お姉さんがついてますからね」
患者は少しずつ落ち着き、深呼吸をして眠りについた。結衣はそっとそばを離れ、微笑む。
「ふふ〜♡ギャルでも、心はまっすぐナースですからね♡」
夜勤明け、結衣はナースステーションで高木先輩に報告する。
「高齢者の方も、結衣さんがいると安心してくれてましたね」
「えへへ♡患者さんの笑顔を見るのが最高のやりがいだよ〜!」
高木先輩は少し笑みを浮かべながら頷いた。
こうして、結衣は小児だけでなく高齢者患者とも信頼関係を築くことに成功した。派手ギャルでありながら、患者の心を癒し、病棟の空気を明るくする力を発揮する結衣の姿は、周囲にとっても安心感の源になっていく。




