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行方不明、騒動、気持ち

そんなバカなことが起こっていいものだろうか。

その日、王城は大騒ぎになっていた。


ラシャ王子がうだうだと考え事を始め、王女から一線引いただけの話だったのに

耳を疑う話が駈けめぐる。


「それが、警備は万全。母国からお連れになった侍女達も今探しております」


王女が城の中で行方不明。

あの巨体が行方不明。

「そんなバカな。誰か見たものはいないのか?」

「それが、警備していた者達は、扉の前から動いておりませんので

部屋の中で忽然と消えたことになります」

護衛の騎士達も同郷の侍女達も知らないと?

「彼女は、魔法でも使えるのか?」

「いえ、出来ないそうです」



宰相からの報告を聞いたラシャ王子は、頭を抱える。

「つまり、あの巨体王女が自室から忽然と消えたということなんだな」

侍女3,4人でないと、移動が大変な巨体。

誰がどうやって?

「はい」

どうする?

これは国の問題に発展しないか?

婚姻予定の王女が相手国で疾走?もしくは行方不明?

どう責任をとるんだ?


ダン!

執務室の部屋にいた騎士や武官達が一斉に

机を両手で叩いた王子に視線を向ける。

「失態だ。我が国の失態だ。至急、捜索隊を。国境も直ぐに封鎖しろ。

魔術師2人にも協力するよう伝えろ」

「はっ」

騎士達は、部屋を出て行く。

武官は、魔術師達に連絡をと伝達鳥を飛ばす準備にかかり、

宰相は、国王へ報告しに走って行く。

その後ろ姿を見ながら、王子は3日前に食事をした時を思い起こす。


食事の途中退室をして、あれから、3日も経っている。

王女と会話してから、何故か彼女への興味を失い、全て宰相に任せていた。

「隙を突かれたのかな。一体誰が」


「王子」

意気消沈しつつも、自分の片腕達を呼び、対策を立てていたところ、

部屋を警備していた当時の警備兵2人とエイル国の侍女が3人が訪ねてきたと報告が入った。

「何かあったのか?」

「それが、王子にお会いしたいと」

会って、一応は話を聞くべきだと瞬時に思い、彼は姿勢を正して

椅子に座る。王子という身分ゆえ、動揺している滑稽な姿は見せられない。

「分かった。通せ」

「はっ」


会議室と化していた執務室へ5人は静かに入って来た。

王子に一礼すると、ひとりの侍女が警備兵に紙を手渡し、宰相へと渡りそれが王子へと渡される。


「これが?」

何の意味がと王子は首を傾げつつ、手にした紙を広げると、

愛しい王女へだとか、愛しています等

王女への愛の言葉が綴られた手紙だった。

侍女へ視線を向けると、2人の侍女の後ろに控えている3人目の侍女は

同じような紙を持っている。

「それも全部か?」

「はい、同じような内容で、王女への恋文です」


「こいつは、誰だ?」

あの巨体に向けて書いてあるには、文章がおかしい。


「その・・、3年前から。王女の体型を変えた医術師からのものです。

こちらへ来ているにも関わらず、届けられています」

1人目の侍女が言うと、3人目の侍女が礼をとってから、考えを伝えてくる。

「こちらへ来たことを知って、国外追放されていたあの者が

王女を攫ったのではないかと私達は考えております」

侍女は3人とも頷いている。


「医術師は、王女が好きなのか?」

「はい」

「王女は?」

「医術士の性格が、苦手のようでした。仕事が出来ることには尊敬をされてはいましたが

あの変態的な性格は、受け付けられないと零しておりましたので」

「変態・・」

侍女達が口々に、3年前の話を始める。


初めて王女と出会ったのは、8歳。

それからやたらと王女に会いに来る。

王女も懐いていたが、彼は当時30歳。22歳の年の差。


それは、それはロリコン男の執着とストーカー行動に変わっていくさまは

怖いものでした。と、侍女達は語る。

それでも、彼は有能で仕事は出来る男。

王宮医術師という任を解くことを王も躊躇ったくらいの存在だった。


聞いているうちに、その場にいた者達は胸元に手をあて、気分悪そうな顔になっていく。

「いたいけな幼女の下着を盗むとか、着替えを覗くとか・・・確かに変態だな」

「王子。そこではないのです。王女と結婚する為に、あのような体型にし、どこの国の王子達にも

求婚する気力を失せさせるようにしていたのです」

「そんなある日、ラーシャン国王陛下が王女を王子との婚姻の話を承諾したことで

事を起こしたのではないかと」

「憶測か?」


もう1人の侍女が、部屋に落ちていたというボタンを取り出した。

「ボタン?」

「はい。これは、エイル国の王宮医術師の印がありました」

エイル国は、温泉地帯で、医師が多く存在する。その為、医術師制度があり、

試験に合格しないと医療行為が出来ない。

その合格者に贈られる医術士の証明であるマントに取り付けられるボタン。

しかも合格者のナンバーが彫られている。

「これが部屋に落ちているということは、彼の可能性が出て来ています。ナンバーも

彼の物」


王女も難儀な。

変態医術師に固執されるとは。



王子は頷くと、その医術師の容姿を聞き、それを捜索隊へ伝達させる。

それが終わると、大きく息を吐きだし、椅子に深く座り込んだ。

「王子、大丈夫ですか?」

心配そうに宰相が顔を伺ってくる。

「ああ。彼女もいろいろあるのかと思うと、辛い状況なんだなとも思うし。

元に戻ることが出来れば、問題も解決しそうだなとか」

「それには、まず王女の救出ですよ」

「ああ、我が国には探し出すことが得意な者はいないのか?」

「実は、王女が行方不明との話を陛下に報告したところ。

エリクシアル国の王弟夫妻に相談した方がいいと」

「もしかして、マキト王弟妃?」

「はい。あの方は、女神のような存在ですので、きっと良き導きを」


隣国の王弟妃に頼るって・・・。

ラシャは、もっとどんよりとした気持ちになり、だらしなく天井を仰いだ。

ガチャリと大きく扉が開かれ、誰かが入ってくる。

宰相は、頭を下げて礼をとる。

ラシャは周囲の空気が変わったことに気付き、視線を戻すと

女神のような女性が彼の机の前に佇んでいた。


「そう落ち込むことは無い。ラシャがユーシィの妹よりも気になりだした女性なんだ。

協力するよ」







終わらなかった。

王女視点話が入り、最終話となりそうです。

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