6・作戦会議
翌日学園にいたら、アラン先生から呼び出しくらった。なんか悪いことしたっけ。
「あいつから呼び出し来てるぞ」
先生から、トビア氏からの手紙を受け取る。今日の放課後、神殿に来いというお達しだった。
「あいつ、なんか慌てていたけど、大丈夫か?」
「大丈夫です。多分、ファンは減ったと思います」
先生は、それは良いことをしたと、点数を上げてくれることを約束してくれた。アラン先生、あいつとは同期らしい。苦労したんだろうな。
*****
放課後神殿に到着すると、すぐに前回の部屋に案内された。そこにはすでにトビア氏がいた。
「遅い!」
「こう見えて一応学生ですから」
トビア氏は超不機嫌顔で、足と腕をそれぞれ組んでソファにふんぞり返っていた。
「どうです、最強の呪いでしょ」
「くそー、やられたわ。あんなに強力とは」
「昨日は、あのまま神殿に帰ったんですよね」
「裏口から堂々と入った」
「トサカはいつ外したんです?」
「風呂に入った時だ」
「それは……お気の毒です。ぷぷ」
「今日の裏口の列が短い!」
「ウザいと思っていたんじゃないんですか?」
「そうじゃないんだ。俺のモチベの為に、彼女達は必須アイテムなんだ!」
「やっぱ、サイテーだな」
トビア氏は、古い書物を持っていた。
「それは何の本です?」
「呪いQ&A」
「そんな本があるんかい」
「お前が考えるよりも、呪いは昔からある。そしてさまざまなものがな」
そこにトサカをつける呪いがあるのか、すごく聞きたい。
「恐らくこの呪いは『思い込み』の部類だな」
「ということは、侯爵家の皆さんが『ダサい服装が素敵に見える』思い込みという呪いに取り憑かれているってことですか。でも、トビア氏もドレス屋さんも呪われていましたよね」
「相手に呪いだと気付かせようとすると、その人も呪われるのだろう」
「でも、使用人は何ともないです」
「お前もな」
「よかった、普通の感性でしたか」
なんか、涙が出てきた。私、普通だったのね。ずっと心配してた。自分がおかしいのかと悩んでいた。
「なんだ、心配だったのか。安心しろ、お前は平々凡々だ」
「嬉しいけど、ムカつく」
トビア氏が清々しいほどの笑顔なのもムカつく。けど、まあいいか。何を言っても、こいつもトサカ野郎だし。
「呪いをかけた奴は、人選している。侯爵家の者と、それを妨害しようとした者と」
「それを解除する方法は?」
「一番簡単なのは呪った本人を探すことだが、心当たりは?」
「私が知る範囲では、わかりませんね」
「俺も調べたが、あの家は恨まれるような者はいない。だが一つだけ」
「それは」
「王子妃候補だ」
「確かにお姉様は、王子妃候補です。だけど、お姉様のセンスでトレンドを作ると国が滅ぶとまで言われていて……それか」
「恐らく王子妃候補者の中に犯人がいる」
「よっしゃ、そこから犯人を探して」
「お前、甘いな。お前ごときが、世の中の権力者に敵うと思うなよ」
「それは確かに」
どうせ私は平民の小娘。すん。
「なので、作戦を言い渡す」
「その言い方だと、呪いを解くのは私の仕事ですか」
「俺が社交界に返り咲くには、少し時間が必要だ」
「よくわかります」
トサカのインパクトはまだ残っているか。うんうん頷くと、拳で頭をぐりぐりされた。
「お前は自分が不幸になっても、侯爵家を助けたいか?」
「もちろんです」
「何でもするか」
「トサカ以外は」
「忘れろ」
「肖像画にしたほうが……いだだだだ」
頭をぐりぐり。




