↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
43/47

第四十一話 数字では測れない戦い

第五階層。




暗い通路の先。




現れた魔物は、通常の個体とは明らかに違っていた。




大型化した体。




鋭い爪。




そして。




何より異質なのは、その目だった。




ただ侵入者を襲う魔物の目ではない。




まるで。




こちらを観察している。




「……。」




悠真は無意識に息を止める。




「どうした?」




漣が聞く。




「分からない。」




悠真は魔物から視線を外さない。




「でも……普通じゃない。」






雪乃が小声で言う。




「鑑定では?」




悠真は端末を見る。




表示された情報。






【種族】

ハイゴブリン・変異種




【危険度】

C+






しかし。




それだけ。






「情報が少ない。」




悠真が呟く。






漣が剣を構える。




「なら、やることは一つだ。」






「いつも通り。」






三人は自然に配置につく。






前衛。




漣。






後衛。




雪乃。






中央。




悠真。






そして。




ポム。






「ぷる!」








魔物が動く。




速い。






漣が迎え撃つ。




剣と爪がぶつかる。






「重い……!」






一撃。




それだけで腕に衝撃が走る。






「漣!」






「大丈夫!」






漣は踏ん張る。






しかし。




押されている。






レベル差。






純粋な能力差。






それは簡単には覆せない。






雪乃が魔法を放つ。






火球。






命中。






しかし。






効きが浅い。






「硬い……!」








悠真は見る。






攻撃力では勝てない。




魔力量でも勝てない。






なら。






どこを見る?






相手の弱点。




動き。




癖。








魔物が腕を振る。






漣が避ける。






次の攻撃。






悠真は気づいた。






「漣、三歩下がって!」






「え?」






「今!」






漣が反射的に下がる。






直後。






魔物の爪が地面へ突き刺さる。






「……!」






動きが止まる。






ほんの一瞬。






しかし。






十分だった。






「雪乃さん!」






「はい!」






魔法発動。






火球ではない。






小さな炎の槍。






一点集中。






魔物の関節部分へ。






命中。






動きが鈍る。






漣が踏み込む。






「これで!」






剣撃。






魔物が後退する。






しかし。






まだ倒れない。






「硬い……。」






漣が息を整える。






悠真は考える。






正面からでは無理。






力比べでは勝てない。






なら。






「ポム。」






「ぷる?」






「できる?」






ポムが少し震える。






怖い。






でも。






悠真を見る。






「ぷる!」






走る。






魔物の足元へ。






小さな体。






大きな敵。






普通なら意味がない。






しかし。






ポムは知っている。






悠真のためなら。






動ける。






体を変化させる。






粘着性を高める。






一瞬。






魔物の足が止まる。






「今!」






三人が同時に動く。






漣の一撃。






雪乃の魔法。






悠真の補助。






連携した攻撃。






魔物が倒れる。








静寂。








「……勝った。」






雪乃が呟く。






漣は剣を収める。






「能力差はあった。」






「でも。」






「勝てたな。」






悠真は倒れた魔物を見る。






不思議な感覚。






ステータスでは。




自分たちは不利だった。






でも。






結果は違った。






理由は分かっている。






一人では勝てなかった。






仲間がいたから。






そして。






それぞれが、自分の役割を理解していたから。






「……。」






悠真は小さく笑う。






レベルでは測れないもの。






確かに存在する。






その時。






ダンジョンの奥。






何かが反応した。






魔物の情報。






戦闘記録。






侵入者データ。






本来なら消えるはずの記録。






しかし。






一つだけ残る。






【神代悠真】






【解析不能】


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。