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第三十九話 初めての実戦評価

探索者育成学園。


特別探索実習当日。




朝早く。


校門前には、今回参加する学生たちが集まっていた。




緊張した表情。


期待した表情。


不安を隠せない表情。




誰もが、


これまでの授業とは違うことを理解している。




今回向かう場所。




中級ダンジョン。




正式な探索者になれば、いずれ必ず訪れる場所。




「忘れ物はないか?」




担当教官が確認する。




「探索端末。」


「回復薬。」


「予備装備。」


「連絡用具。」




一つずつ確認していく。




悠真も自分の荷物を見る。




武器。


探索道具。


最低限の回復薬。




そして。




隣にはポム。




「ぷる!」




元気よく跳ねている。




「ポム。」




悠真はしゃがむ。




「今回はいつもより危険だから、無理はしないで。」




「ぷる!」




返事のように体を揺らす。




その様子を見ていた漣が笑う。




「相変わらず仲良いな。」




「うん。」




悠真は自然に答える。




「ポムは仲間だから。」






その言葉を聞いた雪乃は微笑む。




以前なら。




悠真は、


「迷惑をかけたくない」


という言葉をよく使っていた。




でも今は違う。




仲間という言葉を、


自然に口にしている。






バスで移動すること数時間。




目的地へ到着する。




目の前に現れた巨大な入口。




中級ダンジョン。




初級とは違う圧力。




空気が重い。




漣が剣に手を置く。




「……いるな。」




「何か感じる?」




悠真が聞く。




漣は頷く。




「視線。」




「魔物がこっちを見てる。」






雪乃も周囲を見る。




「初級とは雰囲気が違います。」






悠真は入口を見る。






不思議な感覚。




まるで。




こちらを観察されているような。






「……。」






しかし。




今は考える時間ではない。






「行こう。」




悠真が言う。






三人と一匹。




初めての中級ダンジョンへ入る。






内部。






壁は初級とは違う。




魔力の流れが濃い。






しばらく進むと。






魔物が現れる。






ゴブリン種。




しかし。




初級で戦ったものとは違う。




体格。




速度。




知能。




全てが上。






「来る!」




漣が前へ出る。






剣と爪がぶつかる。






重い。






「くっ……!」






一撃で押し切れない。






レベル差。






それが現れる。






雪乃が魔法を準備する。




しかし。




距離が近い。






悠真は瞬時に判断する。






「雪乃さん、右へ!」






「え?」






「今!」






雪乃が移動する。




直後。




魔物の攻撃が空を切る。






「助かりました!」






悠真は頷く。






見えていた。






攻撃の前兆。




足の動き。




視線。






レベルでは表示されない情報。






経験による判断。






漣が魔物を押し返す。






「悠真!」






「分かってる。」






悠真はポムを見る。






「ポム!」






「ぷる!」






ポムが地面を滑る。






敵の足元へ。






ほんの一瞬。






魔物の動きが止まる。






その隙。






漣の一撃。






魔物は倒れる。






静寂。






三人は息を整える。






「……倒せた。」






雪乃が呟く。






しかし。




悠真は考えていた。






強い。






確かに。






でも。






足りない。






今の戦い。






自分には火力がない。






大きな魔法も使えない。






だから。






もっと工夫が必要。






「悠真?」






漣が声をかける。






「何考えてる?」






悠真は少し考える。






「どうすれば、もっと効率よく戦えるか。」






漣は苦笑する。






「戦闘直後にそれ考える奴、なかなかいないぞ。」






でも。






それが神代悠真だった。






勝ったことより。






次にどう成長するか。






それだけを考えている。








その頃。






ダンジョン深部。






一体の魔物が目を開く。






通常なら。




侵入者を排除するだけ。






しかし。






今回は違った。






ダンジョンは感じていた。






レベルでは説明できない存在。






神代悠真。


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