表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
31/44

第二十九話 試練の扉

ダンジョン最深部。


隠された部屋。




地響きが止まる。




静寂。




そして。




目の前の壁に、新たな扉が現れた。




黒い石で作られた巨大な扉。




そこには文字が刻まれている。




【可能性を求める者へ】




【汝は力を求めるか】




悠真は扉を見る。




力。




その言葉を聞いて。


昔の自分なら。


迷わず答えていただろう。




強くなりたい。




誰にも負けない力が欲しい。




そう願っていた。




しかし。




今は違う。




「……。」




蓮が隣を見る。




「どうした?」




悠真は少し考える。




「昔なら。」




「強くなるために進むって答えていたと思う。」




雪乃が聞く。




「今は違うんですか?」




悠真は頷く。




「うん。」




「知りたいんだ。」




「僕が今持っているものが、どこまで通用するのか。」






扉が反応する。




【回答確認】




【条件達成】






ゆっくりと扉が開く。




「行くのか?」




蓮が聞く。




悠真は頷いた。




「もちろん。」




雪乃も続く。




「私たちも一緒です。」




悠真は二人を見る。




少し前までなら。




「危険だから待っていて」


と言っていたかもしれない。




しかし。




今は違う。




「ありがとう。」




その言葉に。




蓮は少し笑った。




「素直になったな。」






三人と一匹は扉の中へ進む。









そこは。




真っ白な空間だった。




敵はいない。




罠もない。




中央に一つの石板。






【第一試練】




【己の限界を知れ】






すると。




四つの光が浮かび上がる。




三つは人の形。




一つは小さな丸い光。






「……ポム?」




悠真が呟く。




ポムの紋章だった。






【試練対象】




【神代悠真】




【黒崎蓮】




【雪乃白石】




【ネオスライム ポム】






「ポムも……。」




悠真の表情が変わる。






ポムは不安そうに揺れる。




「ぷる……。」




悠真は手を伸ばす。




「大丈夫だ。」




「お前も仲間だから。」






その瞬間。




四つの扉が現れた。






悠真の試練




扉の先。




そこにいたのは。




もう一人の自分。






しかし。




姿は違う。




レベル100。




圧倒的な魔力。




完璧な身体能力。






『お前は弱い』






『どれだけ考えても』




『どれだけ努力しても』




『力が足りない』






悠真は黙る。






『仲間を守れるのか』






『その程度の力で』






悠真は拳を握る。




そして。




答えた。




「そうだな。」




「僕は弱い。」






『……。』






「レベルも低い。」




「魔力量も少ない。」






「でも。」






「だから考えた。」






「だから努力した。」






「弱いから見えるものがあった。」






「一人では届かない場所に。」




「仲間となら届くことを知った。」






【条件達成】






蓮の試練




巨大な魔物。






『お前は神代悠真にはなれない』






蓮は笑う。






「当たり前だ。」






「俺は俺だ。」






「悠真にはできないことをする。」






「俺は、あいつが背中を預けられる仲間になる。」






【条件達成】






雪乃の試練




無数の魔法陣。






『あなたは足手まとい』






『強者には必要ない』






雪乃は目を閉じる。






以前なら。




その言葉に傷ついていた。




しかし。




今は違う。






「私は私にできることをします。」






「誰かを守るための力なら。」




「私は迷いません。」






【条件達成】






ポムの試練




小さな扉。




その先。






巨大なスライムがいた。






圧倒的な魔力。




完成された身体。






『不完全な存在』






『弱い』






『主人の力になれない』






ポムの身体が震える。






それは。




昔から言われてきた言葉。






弱い。




価値がない。




必要ない。






しかし。




ポムは思い出す。






初めて悠真が手を差し伸べた時。






「一緒に強くなろう。」






その言葉。






ポムは前を見る。






『ぷる……!』






弱くても。




不完全でも。






自分には。




大切な存在がいる。






『ぷる!!』






【認識】




【存在価値確認】






【条件達成】








四つの試練が終わる。






白い空間へ戻る。






ポムは以前より少しだけ輝きを増していた。






悠真が近づく。






「頑張ったな。」






「ぷる!」






零落の指輪が大きく光る。






【共鳴率】




92%



100%






【第二段階解放条件】




全条件達成。






【零落の指輪】




第二段階解放。






黒い指輪に新たな紋様が刻まれる。






【魔力効率化】



【魔力循環】






悠真は息を呑む。






魔力を増やす力ではない。






少ない力を。




何度でも使える力。






まさに。




レベル1の悠真のための能力だった。






しかし。




その瞬間。




ダンジョン全体に警告音が響く。






【警告】




【深層領域変化】




【未知存在接近】






ポムが震える。






「ぷる……。」






闇の奥から。




一つの影が現れた。






『久しいな』






『零落の継承者』






その存在は。




悠真ではなく。




ポムを見ていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ