第六話:灯火(ともしび)の声
夜の公園に蝋燭のように揺れる灯が一つ、ぽつりと浮かんでいた。
「誰か、助けて……」
その声に呼ばれるように、輝夜と満流は現代の郊外へと足を踏み入れる。
「悪鬼の気配……間違いない。すぐ近くにいる。」
満流が呟く。空には鈍く濁った月。空気は重く………寒気がする。木々の影に怯えながら走る少女が一人。
「……灯織」
少女の名前を読み取った輝夜は、すぐに追う。灯織は中学二年。学校でのいじめが激化し、最近は誰とも口を利かず、無言で自室に籠もる日々を送っていた。
灯織は公園の奥にある古びた池の前に立っていた。足元には奇妙に揺れる影。
「わたしなんか、いない方がいいんだよ……」
その声と同時に、影が歪み、悪鬼の片鱗が姿を現す。
「イヒヒ…。誰も気づかない。誰も助けてくれない。だったら、全部壊してしまえ!」
その瞬間、池の水が真紅に染まり、無数の手のような影が灯織を包み込もうとする。
「おい、そこの陰鬱なヤロー……その子に手ぇ出すな」
満流が強引に影へ突撃し、符術で悪鬼の影を分断。灯織を抱きかかえて飛び退く。
「……ありがとう。でも、私なんか……。」
灯織の瞳に光はなく、悪鬼の言葉が残響のように残っていた。
「人は弱い。でも、だからこそ希望を持てるんだろが!」
満流の声に、灯織が微かに顔を上げる。
「満流────、援護を!!」
輝夜が影喰い刀を抜く。灯織の影の中に、牙を剥いた悪鬼の本体が蠢いていた。
「……私が、おまえを断つ!!」
月明かりの下、影と光の境界に立ち、輝夜が踏み込む。悪鬼は灯織の心の叫びを餌にして巨大化していく。
だが輝夜は迷わない!
「灯織。あなたの声は、確かにここにある!」
そして、影を斬る─────!!
グオォォォ………!!!
悪鬼の断末魔が響き、影は霧散した。
灯織の頬に、温かい涙が流れた。
「怖かった……でも、もう、負けない……。」
満流はそっと彼女の頭に手を置く。
「じゃあな。もしまた影に呑まれそうになったら、空を見ろ。俺たちはそこにいる。」
輝夜は一歩後ろで見守りながら、小さく微笑んだ。
闇に飲まれた心に、小さな灯が灯った夜だった。
ご覧下さりありがとうございました。AIノベルです。いつもの作品と読み比べて頂くと面白いかもしれません。




