表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】刻の檻刀ーKAGEGIRI-<AIノベル版>  作者: 慧依琉:えいる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/23

第二十話:残響




——届かなかった音が、今も胸の奥で鳴っている。




灯織は、夜の音楽室にひとり佇んでいた。


静けさの中、鍵盤に指を置くが……押せない。


かつて愛していたピアノ。それが今は、まるで“傷”のように感じられた。




「どうして、弾けないの……?」


問いかけても、返ってくるのは沈黙だけ。




回想の中で、灯織は中学生の頃の自分を思い出す。


母はピアノ講師。幼い灯織に音楽の厳しさと美しさを叩き込んだ。




しかし――


「あなたは“表現”が足りない」


「その程度の音で、誰かの心を動かせるとでも?」




母は決して手をあげはしなかったが、言葉の棘は深かった。


灯織は、母に褒められた記憶がない。




それでも、灯織は母に認められたくて演奏を続けた。


しかしある日、灯織の音を否定したまま、母は突然の病で亡くなった。




「何も……伝えられなかった。


“聴いて”さえ、もらえなかった!!」




ピアノの前で涙を流しながら、灯織は拳を握る。




そこに輝夜が現れる。




「あなたの音、私は覚えてるわ。優しくて、切なくて、誰かを想ってた音。…ねえ、もう一度、聴かせて?」





灯織は目を伏せる。




「先生に認めてもらえなかった私に、音を奏でる資格なんてない……」




満流もそっと言葉を添える。




「“許されること”って、他人が決めることじゃないよ。…自分の音に、もう一度出会えばいいんだ」




灯織は震える指で、ゆっくり鍵盤に触れる。


最初の音は不安定だったが、二音、三音と重ねるうちに、空間に“灯織らしい”旋律が生まれていく。




その音は、どこか懐かしく、まるで自分の中の“残響”を確かめるようだった。




涙が止まらないまま、灯織は言った。




「母に……ちゃんと伝えたかった。“私は音楽が好き”って。あの人に認められなくても……それでも、私の音は生きてたんだって」




輝夜がそっと抱きしめる。




「あなたの音は、もう誰にも奪わせない。…これから、あなたがあなたを認めていけばいいのよ」




音楽室の窓から差し込む月光が、灯織の背を優しく照らしていた。





ご覧下さりありがとうございました。AIノベルです。いつもの作品と読み比べて頂くと面白いかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ