第十話:不況の街
「この街……なんだか、静かすぎる。」
輝夜は、琴ノ葉市の駅に降り立ってすぐに違和感を覚えた。
駅構内には音楽が流れているはずなのに、音が抜け落ちたような空気が漂っていた。
「人の声も……少ないな。」
満流も辺りを見回しながら警戒を強める。耳鳴りのような感覚が、どこかから微かに響いてくる。
数日ほど前から、この街では『原因不明の感情暴走』が相次いで報告されていた。
その引き金は “音” だった。
輝夜たちは街のコンサートホールである少女に出会う。
黒川 蘭音——17歳の天才ピアニスト。
彼女は何かを伝えようとするが飲み込み、言葉を口にする代わりに静かに鍵盤へと向かった。
奏でられた旋律は、美しくもどこか切ない。
「音でしか……伝えられないのか。」
輝夜は蘭音の音に心を引かれつつ、彼女の“孤独”に触れた気がした。
満流はそっと呟く。
「きっと、誰かに届いてほしかったんだ。」
だが、その願いは歪みに変わり、悪鬼を呼び起こす。
次の瞬間───!!
突如として街全体に不協和音が響き始める!!
人々が感情を抑えきれず、泣き出し、叫び、殴り合う。
「共鳴してる……!! 悪鬼が、心の音を拡張してるのか?!」
満流が耳を押さえてしゃがみ込む。
「俺は……守れなかった……輝夜を、あの時……」
輝夜の手も震える。刀の気が乱れ、影を見失いそうになる。
「私も……言葉じゃ、伝えられない……!」
街のスピーカーが一斉に鳴り、蘭音のピアノが狂った音を響かせた。
蘭音は舞台の上で泣いていた。
「私の音なんて、誰にも届かない。だったら、いっそ全部……。」
「届いてる。私は……ちゃんと聴いた!」
震えながらも輝夜が叫ぶ。
「君の音は、苦しくて、寂しくて、でも……優しかった!」
その言葉に、蘭音が初めて言葉を返す。
「……ありがとう……伝えられて、よかった……。」
悪鬼が姿を現す!!音波を纏い、歪な姿の“共鳴体”だ。
「その音は、もう誰も傷つけない!」
輝夜が一閃、蘭音の影を貫いた。
「───影、討つ────!!」
音の奔流が途絶え、街に静寂が戻る。
蘭音は最後に小さな声で呟いた。
「次は、言葉で……伝えたい。」
輝夜は微笑み、
「君なら出来るよ。」
そう呟いて満流と共に立ち去った………。
ご覧下さりありがとうございました。AIノベルです。いつもの作品と読み比べて頂くと面白いかもしれません。




