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セレスティアの手記①


 5月16日───────


 庭の薔薇の蕾が膨らんできた。

 庭師のヴェールが、今年も丁寧に仕事をしてくれた。


 わたしが家を出るまでに、咲いてくれるだろうか。

 もし咲かなかったら、セオドアに代わりに見てもらおう。

 そして、手紙で教えてもらおう。

 面倒だ、って言われちゃうかな。

 これくらいのわがままなら、許してもらえるかな。


 「薔薇なら、モルディエ家にも咲いてるんじゃないですか」って言いそうかも。

 いつもみたいに、眉を顰めて。


 薔薇の観察日記をつけるセオドアのことを想像したら、笑えてきた。

 明日の朝、セオドアの顔を見たら笑ってしまうかも。


 早く朝にならないかな。


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