Chapter1-8
ムイトは急いで、ツクモの元へ走り寄る。
「大丈夫!?」
すると、地べたで寝そべっていたツクモはケロっとした様子で、立ち上がり、
「おウ!平気だゼ、俺様は丈夫に作られてるからナ!」
と笑った。
ムイトは安心した。
「つぎはぎは?痛いとこもない?」
「心配しすぎだゼ!それより、ムイト、お前、すごいナ!お前より何倍もでかい奴を吹っ飛ばした上に、硬ぇ角までへし折りやがっテ!魔法みたいだったゼ!」
ツクモにそう言われ、ムイトは少し胸の中がムズムズした。
「そ、そんなことはないよ。あんなの、鍛錬すれば、誰にだって出来るよ。」
ムイトはツクモの体についた土汚れを払い、肩に乗せながらそう言って笑う。
その時だった。
「あれは、誰にでも、は無理だぜ!」
突然、背後から声を掛けられ、ついムイトは臨戦態勢をとる。
しかし、声の主は、サッと、ムイトから一瞬で距離をとった。
「待って待って、ストップストップ!落ち着けって、俺は敵じゃない!」
そこに立っていたのは、綺麗なブロンドの髪の毛に血のような真っ赤な眼の色をした美男子だった。
(ほとんど見た目は人間だ__。けど__)
ムイトはふとその生徒のふくらはぎ辺りをゆらゆらしているしっぽ(?)を目で追う。
「ああ、やっぱこれ気になる?」
その視線に気付いたのか、その生徒はちょろちょろと動くそれを手でつかむ。
「これしっぽだよ。本当は服の中に隠すのが礼儀なんだけどさ、俺、暑苦しいの苦手で、へへっ」
と白い歯を出して無邪気に笑う。
「これ、どういう原理で動いてるわけ?」
そんな無邪気な笑顔につられて笑いかけたその時、今度は耳元で声をかけられる。
「ひっ__」
思わず、悲鳴を上げかけたムイト。しかしそれをかき消すかのようにツクモが大声を上げた。




