Chapter1-7
すると、肩の上で人形のように(実際人形だが)黙り込んでいたツクモが立ち上がった。
「おい!お前ら!誇り高きTAの生徒ダロ!こんな見るからに弱っちそうな人間に寄って集ってヨ、お前らそれでもここの生徒カ!最高にかっこ悪いナ!」
ムイトの耳元で大声を出す。
しかし、
「は?お前みたいなぼろ人形にンな事ァ言われたかねえよ、引っ込んでろ!」
と獣耳の生えたガタイのいい生徒が、ツクモをムイトの肩から乱暴に奪い取って、投げ捨てる。
「あだッ!!?」
ツクモが悲鳴を上げる。
ムイトはすかさず、自分よりも図体のでかい生徒をかき分けて、ツクモの所へ行こうとするが、
「お前はだ~め~」
とこれまたガタイのいい角の生えた生徒に立ちはばかられ、足止めを食らう。
その瞬間、ムイトの中で何かがプツン、とちぎれた。
「ど____・・・い。」
ムイトの声は生徒たちの耳に届かなかった。
「ああ~?何て言ったの?」
「人間は声も小さいのかよ~」
そして、
「ね、俺らにお話?聞かせてよ~人間とか珍しいかr___」
とムイトに立ちはばかった角の生えた男がムイトの肩に触れかけたその時。
「どけって言ってんだろ!!」
その生徒たちは初めてムイトの声を聴くことになる。
そして二秒後には角の生えた生徒は天を仰いでいた、鈍い後頭部の痛みと共に。
ムイトは武道を嗜んでいた。幼少期より続けていたため、人より少し、いや、かなり得意であった。
自分の二倍近く体重のある男でも軽々と投げ飛ばすことが出来るほどだ。
誰もムイトのその華奢な体格と中性的な顔立ちからは、想像もできないだろう。
「う、うわあああ!つっ、角がっ__!?折れてる!?」
ムイトに吹っ飛ばされた生徒とその他諸々、しっぽを巻いて、その場から立ち去ってしまった。




