Chapter1-6
「変、じゃないかな?」
着慣れない制服を身にまとい、ムイトの足並みは浮き足立っている。
肩には今朝出会った付喪神様を乗せて。
「おう!変じゃねぇゾ!似合ってるんじゃないカ!」
付喪神様がそう言ってムイトの頬をペシペシ叩く。
「学校までの案内、ありがとう。」
ムイトがそう言うと付喪神様はニシシッと笑う。
「そりゃ俺様はお前の世話係だからナ!気にすんナ!」
ムイトと釣られて笑う。
「君の名前を教えて欲しい。何て呼べばいい?」
ムイトの問いかけに付喪神様は一瞬キョトンとする。
「そうだナァ…。ツクモって呼んでクレ!」
「付喪神様だから?」
ムイトが笑う。
「何だヨ!安直だって言いてぇのカ!」
ツクモがまたペシペシとムイトの頬を叩く。
「痛いよ、ツクモ。これからよろしくね。僕のお世話係様」
「おうヨ!どーんと任せとケ!!」
そうして、ムイトとツクモは学校への足取りを少し速めた。
* * *
「なあ、なんで人間がいるの~?」
「へえ、人間って男でも女みたいな顔してんのな」
「なあなあ、お前、魔法使えるわけ~?」
「この学院の制服着てんだからよ、何か凄い事やってみせてよ~」
学院に3歩、足を踏み入れただけで、見事に絡まれたムイトは、自分よりも明らかに図体がでかい生徒を前に恐れおののいていた・・・こともなく、真顔で立ち尽くしていた。
(必殺、客観視__なんて・・・、どうしよう。どうしたら切り抜けられる。)
思考回路は摩擦で火花が散るほどフル回転している。
(何もしていないのに、ただ歩いただけなのに、秒で人間だってバレた。絶対魔力が無いのも分かって言ってるんだ、こいつら。)
頭の中は思考で埋め尽くされていても、傍から見れば、チンピラ(人外)に絡まれて無表情で突っ立ている図太い人の子にしか見えない。




